のどかな田園風景が人気の南阿蘇。その玄関口にあたる新阿蘇大橋は、2016年の熊本地震で崩落した旧橋に代わって架けられた復興のシンボルです。たもとには展望所「ヨ・ミュール」も整備され、同じく架け替えになった南阿蘇鉄道の第一白川橋梁(きょうりょう)を眺めることができます。旅の途中に立ち寄ってみました。
展望所「ヨ・ミュール」から見た、第一白川橋梁を渡るトロッコ列車「ゆうすげ号」
「ヨ・ミュール」は国道57号から新阿蘇大橋を渡った右手にあります。駐車スペースのほか、トイレ、休憩所、ジェラートやコーヒーのお店があります(訪問したときはお店は閉まっていました)。
第一白川橋梁から離れていますが、高台に位置していてよく見えます。鉄橋を見下ろす場所には案内板も設置されています。
トイレや小さなお店がある展望所「ヨ・ミュール」
「ヨ・ミュール」の展望エリア。第一白川橋梁、阿蘇長陽大橋などが見渡せます
渓谷をまたぐ南阿蘇鉄道の第一白川橋梁は1927(昭和2)年に架けられました。2ヒンジスパンドレル・ブレースド・バランスドアーチと呼ばれる国内では珍しいアーチ橋で、旧国鉄時代から名所として知られていました。
ところが熊本地震で損傷。多くの人の応援を受けて架け替えられ、今年3月に復旧工事が完了しました。優れた景観美を誇った旧橋の形や色はそのままに、新たに大規模地震を想定した設計になっているようです。
「ヨ・ミュール」にある第一白川橋梁の案内板。その先に鉄橋が見えます
私は人気のトロッコ列車「ゆうすげ号」がやって来る時間に合わせて訪れましたが、通過時刻ごろになると観光客らが集まってきて、第一白川橋梁を渡るシーンを思い思いに見送っていました。
写真を撮った感じでは、35㍉換算で100㍉以上のレンズがあれば対応できるようでした。一方で「ヨ・ミュール」は鉄橋を見下ろす位置からの撮影となるため、谷底から約60㍍の高さにある鉄橋の迫力は感じられませんでした。その点では長陽大橋の展望所付近など、標高が低いポイントから狙った方が良いかもしれません。
第一白川橋梁を渡るトロッコ列車「ゆうすげ号」。鉄橋上で少し停車するので、いろんな構図で撮影することができます
私は阿蘇はこれまで何度か訪れていますが、熊本地震後は初めてでした。「ヨ・ミュール」は南阿蘇へのメインルートから外れることがなく、休憩がてら立ち寄れます。今回の私のように、旅の途中にちょっと第一白川橋梁を渡る列車を撮りたい…といったケースでは、同行家族の理解も得やすい(笑)最適な撮影スポットでした。
※2010年に乗車した南阿蘇鉄道のトロッコ列車「ゆうすげ号」は以下の記事に書いています。併せてご覧ください
※姉妹ブログでは阿蘇を走った観光列車などを紹介しています