東海旅客鉄道(JR東海)は東海道新幹線に「新たな車内サービス」を導入すると発表した。

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042867.pdf

 

これに伴い、2023年10月31日(水)で車内販売のワゴンサービスは終了する。

 

 

  今の東海道新幹線の車内販売

現在、東京駅~新大阪駅間の「のぞみ」「ひかり」ではワゴンにコーヒー、アイスクリーム、雑誌などを載せて7・11号車から移動して、車内販売を行っている。

image

 

地域限定商品などは少なかった。

ただ、最近山陽新幹線では「のぞみ」博多発着・のぞみグリーン車・「ハローキティ新幹線」だけになってしまい、東北新幹線「やまびこ」や各地の在来線特急(あずさ・ひたちや観光列車は別)も車内販売を行わなくなった。その中では、結構充実していた。

 

 

  アイス人気なのになぜ廃止?

近年、#シンカンセンスゴクカタイアイス として、スジャータのアイスクリームが車内販売で人気だった。なぜ廃止されてしまうのだろう。

 

JR東海は以下を理由にしている。

・駅周辺店舗の品揃えの充実

・飲食の車内への持ち込みの増加

・静粛な車内環境を求めるご意見

・また将来にわたる労働力不足への対応

が廃止の理由とされている。3個目は難癖をつける人がいるというだけだ。それに、事前に駅ナカで食糧調達しても、酒やアイスクリームは長時間乗車ではぬるくなってしまう。

 

確かに売り上げは減っているが、何より4つ目の人手不足が最大の理由だろう。医療や介護などに人が吸われていて(地方にその手の学校しかない)、ホテル、工業、トラック輸送などありとあらゆる産業で人が足りないのだ。

 

image

▲東海道新幹線の車内販売で売っている、モーニングセット(おにぎりとお茶のセットで500円だった)

 

まして、「のぞみ」大増発など、東海道新幹線は運転本数が増えすぎたので、その点でもパーサーの手配が難しくなっていた。同じ新幹線でも車内販売の品目を回復させた北陸新幹線や山陽新幹線とは違う事情もある(正直、これは東海道新幹線だけの特徴だ)。

 

※車内販売廃止に関する話としては、数か月前にはコーヒーチケット(回数券)の販売終了、近年は座席までワゴンが来ないことがある旨の放送もあった。

  11月からは?

のぞみ停車駅には10月中に、それ以外の駅にも順次車内販売で人気だったアイスクリームなどの自販機を置くとしている。

 

image

グリーン車ではスマホからアイスクリームなどが注文できるモバイルオーダーを導入するそうだが、普通車では乗ってしまうと、新大阪まで何も飲食物が買えないことになる。水分も何も取れない。

 

新大阪までは2時間半だが、広島までだと4時間。それでいいのだろうか?

  今後の対応策は?

車内販売マニア様が提案しているように、「名古屋駅などで乗り継ぎにする」と改札内にある、駅の売店を使うことができる。改札を出なければ、指定席でも1枚の特急券で大丈夫だ。

 

JR東海ツアーズが販売するグリーン車に1000円追加で乗れる旅行商品、EX予約の早期割引などでいっそグリーン車に乗ってしまってモバイルオーダーを頼むのも面白そうだ。

 

 

 

 

  山陽新幹線は?

新大阪から博多までの山陽新幹線はどうだろう?

 

「のぞみ」博多発着など一部列車だけで、細々とワゴンサービスをしているのは心配だ。ただ、地元の駅弁など他で変えない商品や駅弁予約サービス(グリーン車、普通車指定席)など頑張っているので、おススメ。

image

2-2列でも満席になりやすいみずほ、さくらではなく、のぞみ乗車はどうでしょうか。

ライバルに流れる人も 

 

飛行機や近鉄特急も若干値上げし、飛行機はマイレージサービスも不便になった。ただ、新幹線は「EX予約」の値上げが予定されていて、車内販売のサービス廃止で一定数はほかの交通機関に流れるだろう。

2時間半以上ものまず食わずなら飛行機で直行、前後に飲食のほうがいいという考えもある。近鉄(ひのとり)は車内販売はないが、自販機もあるし、寝落ちしても大阪・名古屋止まりで乗り過ごしがない。

 

風情がなくなるだけでなく、利便性が下がるのが心配だ。ぜいたくを言うなら一部車両か、7または11号車の準備室受け取りで普通車でのモバイルオーダー利用もできるようにしてほしい。