今回の【駅】コーナーは、
大阪府吹田市東部、摂津市との境界に近い住宅街に位置する東海道本線【愛称:JR京都線】の駅で、少し南に阪急京都本線の正雀駅があり、またかつては駅北側に吹田操車場の貨物ヤードが広がっていたものの、今は跡地が再開発されて研究機関、病院、医療関連企業などが集積するオープンイノベーションの研究開発拠点である「北大阪健康医療都市【健都】」の施設(国立循環器病研究センター、吹田市民病院など)が立地している(Wikipediaより)、
岸辺駅 (きしべえき。Kishibe Station) です。
駅名
岸辺駅 (JR-A 43)
所在地
大阪府吹田市
乗車可能路線
JR西日本:東海道本線 【愛称:JR京都線】
隣の駅
京都方・東京方……千里丘駅
大阪方・神戸方……吹田駅
訪問・撮影時
2021年10月
駅概要
駅形態……………地平駅。
駅舎………………橋上駅舎(2012年完成。南北自由通路を兼ねています)。
出入口……………南口(従来)、北口(2012年~)。以前は北から駅東西の地下道経由で南側へ回る必要がありました。
バリアフリー……南北とも階段・上下方向エスカレーター・エレベーターあり。点字ブロック設置。
駅前広場…………あり(南北ともロータリー有、バス停留所、タクシー乗り場併設)。
南口です。上写真は北西を、下写真は北を望む。綺麗な橋上駅舎です。
以前はこちら側のみに駅舎がありました。
階段は両側、ESは左側、EVは中央にあります。
東側と西側には以前より使用されている地下道が存在し、北口側へ回れます(東側は自転車対応のスロープになっているものの、車いすの場合は橋上駅舎のEVを利用した方が安全です)。
南口駅前です。上写真は南を、下写真は南東を望む。
駅前は住宅街ですが、商店も多いです。
また南東側は工場がありましたが、跡地が再開発されて広大な駐車場を有する郊外型店舗群になっています。
約400m南には大阪学院大学があります。その北隣には大阪学院大学高等学校があります。
そして約550m東には阪急京都本線の正雀駅があり、公式な乗換駅ではありませんが乗換が可能です(但し、両駅とも普通しか停車しません)。
その正雀駅の北側、JR線の線路際にかけて一帯には阪急の正雀車庫、正雀工場、アルナ車両が立地しており、JR線の車窓からも確認ができます。
正雀駅や正雀工場などの阪急施設は吹田市ではなく摂津市行きに所在しています(正雀駅ホームの大半は吹田市にもまたがっていますが…)。
こちらは北口です。上写真は南を、中写真は南東を、下写真は東を望む。
南口とは違い、こちらは「建都」の各施設とを結ぶペデストリアンデッキ直結の2階出入口もあります。
1階出入口について、階段は両側、ESは右側、EVは中央にあります。
東側と西側には南口方面へ抜けられる地下道があります。
また、駅舎までは何本もの線路を渡る必要があるために、南北自由通路(橋上駅舎)の跨線橋も長くなっています。
北口駅前です。
上写真はホームより北西を(国立循環器病研究センターなど)、中写真は駅前広場より南西(ビエラ岸辺建都)を、下写真はペデストリアンデッキより北西(遠方)を望む。
貨物用の線路沿いには吹田市民病院、国立循環器病研究センター、JR西日本系の商業施設「ビエラ岸辺建都」などのビルが建ち並んでいますが、かつてはこの位置に吹田操車場構内のレールが敷設されていました。現在は面影が感じられませんが…。現在は操車場の一部跡地が再開発されて、「北大阪健康医療都市【健都】」のビルへと生まれ変わりました。
下写真、中央から奥に延びる幹線道路の地下道出入口の位置がかなり向こう側ですが、これも手前側に操車場の側線が存在した名残です。
北口側は駅前こそ新しい街並みになっていますが、操車場跡の外側(北西側)は元々「駅裏」の岸部地区(「部」は間違いではない)で、昔ながらの田園が混在した住宅地が広がっていて、商店は少ないです。
約1.2km北西、千里丘陵の入口部分にある紫金山公園内には吉志部神社(きしべじんじゃ)が鎮座していて、その向こう側の千里丘陵上には千里ニュータウンが広がっています。
橋上駅舎2階にある改札口です。
いずれも南北自由通路より、上写真は北東を、中写真は南東を、下写真は北西を望む。南東側に南口が、北西側に北口があります。
駅員配置………あり(直営駅)。
自動改札機……あり(5通路)。
ICカード………利用可能(『ICOCA』エリア内。交通系ICカード全国相互利用サービスの各種カードもOK)。
幅広通路………あり(一番右の自動改札通路)。
有人通路………あり(点字ブロック有り、車いす通行可)。
窓口……………あり(『みどりの窓口』は2021年11月30日営業終了。写真は2021年10月撮影)。
自動券売機……あり(『みどりの窓口』の右側。ICチャージ可。現在は『みどりの券売機プラス』を併設)。
自動精算機……あり(ICチャージ可)。
トイレ…………改札内外(改札外は南口と北口の両方に有。多機能トイレは改札内のみ)。
改札内設備……待合所(ベンチ)、AED
売店……………なし。
コンビニ………あり(上写真後方(改札外)にJR西日本系の「セブンイレブン ハートイン」あり)。
(※) 改札外には通常のトイレのほか、車いす対応トイレもあります(オストメイト設備は改札内の多機能トイレのみ)。
1階にある各ホームとの間は階段、上下方向エスカレーター・エレベーターで結ばれています。
下り内側線2番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR京都線のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青色に塗られています。
岸辺駅の駅ナンバリングは「JR-A 43」ですが、この駅名標には記載されておらず、柱に掛けられている縦型の駅名標のみに記載されています。
駅構造……地平駅(北東~南西方向)。
配線………島式ホーム2面4線。
右ホーム(南)が右から1番のりば(急行線の下り外側線)、2番のりば(緩行線の下り内側線。普通が発着。快速・新快速は全列車通過)の順、左ホーム(北)が右から3番のりば(緩行線の上り内側線。普通が発着)、4番のりば(急行線の上り外側線)の順です。。新快速、特急、貨物列車、平日朝の下り快速は外側線を通過しますが、平日朝下り以外の快速は内側線を通過します。
また、1番のりばと4番のりばは列車の発着がないため、危険防止のため線路際に安全柵が設置されて普段は客扱いできませんが、非常時に停車した際に備えて開閉可能な部分があります(4扉車に対応。3扉車などが緊急停車した場合、通常は客扱いが不可能です)。
ちなみに下りが大阪・神戸・西明石・姫路方面、上りが京都・草津・米原・東京方面です。
また、1番のりばの右側に側線が1本、4番のりばの左側に多数の線路がありますが、これらは全て本線ではなく貨物線(おそらく吹田貨物ターミナル駅の構内)および吹田機関区の側線です。
ホーム有効長……8両分(プラス神戸方(後方)に約1.5両分の未使用部分あり。停車列車は7両編成のみ)。
ホームドア………なし(2021年10月時点)。
ホーム幅…………島式ホームとしては標準も、相対式ホームとしてはやや広いです。
上屋(屋根)………全8両分。未使用部分は雨ざらし。
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機。
ホーム中ほどの上空に橋上駅舎があります。
上写真は3番のりばより、下写真は4番のりばより、いずれも京都方・東京方を望む。
上写真は2番のりばより、下写真は1番のりばより、いずれも大阪方・神戸方を望む。
1番のりば左の側線は前方の吹田機関区から延びてきていますが、後方の東京方で行き止まりになっています。吹田総合車両所からも入線可能であり、この側線がJR貨物の所有かJR西日本の所有か、詳細は不明です。
2番のりばより京都方・東京方を望む。
左前方の貨物線群の中に保線基地があります。また、右前方には阪急電車の正雀工場が見えます。
右から側線(少し先で行き止まり)、下り外側線、下り内側線、上り内側線、上り外側線のJR京都線(方向別複々線)、貨物線(おそらく吹田貨物ターミナル駅構内)の線路群、の順です。貨物線は千里丘駅の先で本線に合流します。また、JR京都線は大阪~京都の全区間が複々線で、複々線区間はさらに先の琵琶湖線・草津駅まで続きます。
この先、左へカーブしながら摂津市へと変わり、左側に多くの貨物線を見ながら住宅街の中を北北東へ走ると、千里丘駅へと至ります。
2枚とも3番のりばより大阪方・神戸方を望む。
ホームの未使用部分は立入禁止になっていますが、これは橋上化の際に各ホームを後方の京都方へ延伸し、電車の停車位置も京都方にずらしたため、こちらの大阪方を使用しなくなりました。
左から側線(吹田機関区・吹田総合車両所へ)、下り外側線、下り内側線、上り内側線、上り外側線のJR京都線(方向別複々線)、貨物線の線路群、の順です。複々線区間は西明石駅まで続きます(兵庫~西明石は線路別複々線)。
この先、盛土高架になり、左の側線が左へ分かれ、続いて貨物線から左へ分岐する吹田機関区・吹田総合車両所への出入庫線を乗り越します。その後は左手に吹田機関区や吹田総合車両所を、右手に吹田貨物ターミナル駅を見ながら地平区間に戻ります。そして吹田総合車両所が途切れ、吹田貨物ターミナル駅が終息すると市街地に入り、右側を並走する線路が梅田貨物線と北方貨物線(それぞれ別線路)に変わると右手に超高層ビルの「メロード吹田」を見て吹田駅へと至ります。
あとがき
私が岸辺駅で下車(乗車)したのは、2021年の1度きりです。JR京都線を乗り鉄・降り鉄した際に下車しました。京阪神の複々線区間でよく見られる2面4線の駅で、真新しい橋上駅舎を構えています。駅南側は橋上化以前に駅舎があった側で、近くに正雀駅があります。一方、橋上化の際に新設された北口側は長らく駅裏の住宅街でしたが、出入口近くの吹田操車場跡には商業施設や「建都」の施設が建ち並んでいます。
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR京都線の高槻・京都方面普通電車に乗り継いで当駅下車です(吹田行きを除く。但し、快速や新快速は停車しません)。大阪市内行きのきっぷですと東淀川駅~岸辺駅が乗り越し精算対象になります。あるいは新幹線を京都駅で下車してJR京都線の普通に乗り継いでも到達できます(昼間帯は高槻から快速になるため、高槻で始発の普通に乗換)。運賃的にはこちらの方が割安です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、梅田からですと大阪駅からJR京都線の高槻・京都方面普通電車(吹田行きを除く)に乗車して当駅下車です。快速や新快速は停車しませんのでご注意下さい。余裕で日帰り訪問可能です。
食料・飲料について、駅構内改札外および南北駅前にコンビニがありますが(中央口は小型店)、駅前に飲食店は多くなく(南口側は一定数あります)、気軽に入れるチェーン店は南口側の「ガスト」と北口側の「吉野家」くらいでしょうか。まぁ事前に用意しなくても大丈夫でしょう。
東京からの到達難易度もさほど高くありません。JR京都線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は岸辺駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:JR西日本のHP、配線略図.net、Google地図、Wikipedia)