JR四国からJR九州に移籍しました気動車と言いますと、一番考えられますのが「ゆふ(画像1)」・「九州横断特急(画像2)」などに使用されております、上の画像にもあります特急型気動車でありますキハ185系気動車ではないかと思います。
このキハ185形気動車は、豊肥線(「九州横断特急」・「あそ」)・久大線(「ゆふ」)を運行します系統に関しましては、非電化区間と言う事もありまして、気動車特急としての力を見せているのではないかとも思います。尚、他には熊本~三角間に「A列車で行こう」も運行されておりますので、それほど非電化区間にはなくてはならない存在である事がわかるのではないでしょうか。
また、この列車は最低2両での運行が可能であります。実際に上の画像の列車いずれも2両編成での運行シーンでもありますが、そう言った短編成に対応できるのが大きな特徴かなとも思う所でしょうか。
さらに平成27年には、新たな観光列車(D&S(デザイン&ストーリー))列車であります金色の車体が特徴でもあります、画像2のキハ40系気動車「或る列車」が運行を開始しておりますが、このキハ40系(キハ47形)気動車2両はいずれもJR四国から移籍したものでありまして、JR四国で廃車となっていた車を再活用させております。しかも、キロシ47-3505(←キハ47 1505)に関しましては、JR九州では最も古い昭和53年製となっております。
そして、平成21年まで運行されておりましたトロッコ列車「TORO-Q」の控え車として使用されておりました、これからご紹介しますキハ58系気動車も実はJR四国からの移籍車両でありました。
しかも、この気動車は最後まで残ったオリジナルスタイルのキハ65形気動車でもありましたが、この廃車に伴いましてキハ65形気動車自体が形式消滅しております。今回ご紹介しますのは、画像の編成の中に存在しておりました、キハ65 36(最後部の車両)に関しまして皆様にご紹介してまいります。
画像が、そのキハ65 36であります。この車は昭和45年日本車両製でありまして、新製は高松運転所でありました。高松所属時には、現在は多くの特急列車が運行されております四国各線の急行列車などとして使用されておりまして、この車もその1両として存在しておりました。
この車は、後述の画像でもご紹介しますが、JR化後に四国仕様のバケットシートに変更されました。しかし、特急列車が増える反面、急行列車削減によりまして平成元年にJR九州に移籍しまして、熊本運転所(当時)に所属しまして、国鉄急行塗装→急行用の青地の「DC-EXP」塗装(「えびの」・「くまがわ」他用)→近郊用の塗装→と言う塗装変化となっておりました。
JR化後にバケットシート化されました車内であります。シート自体はJR九州移籍後にモケット交換もなされておりますが、変わったバケットシートの姿が四国時代の姿を伺わせていたのではないでしょうか。
平成11年には、熊本運転所から大分運転所(当時)に転属しまして、その後上の画像にもありますように「TORO-Q」の専用車両として濃い緑の塗装をまといながらトロッコ車両の控え車として使用されておりましたが、平成21年に「TORO-Q」は運行終了、その後リバイバル列車として使用するために久々に「国鉄急行塗装」に戻されまして、以来九州内各地でリバイバル運転が行われておりました。
しかし、全国のキハ65形気動車の中では最後まで残りましたこのキハ65 36は平成25年に廃車・解体がなされておりまして、その結果キハ65形気動車は形式消滅しておりましてこの車の姿を見る事はありません。
今回は、JRでも最後に残りましたキハ65 36に関しましてご紹介しましたが、このキハ65形気動車と言いますと、ドアが折戸・トイレ・洗面所なしと言う変わった特徴でしたので、キハ58系シリーズの中でも様々な姿が見られていたようです。私自身も乗車歴はありましたので、より印象はありましたが、このキハ65 36の存在は最後まで残っていたオリジナルの車でもあった分貴重な存在でもあっただけに、保存でもしてくれればと言う声もあったものの、それが報いらなかったのも残念でなかったと思います。とにかく、もう見る事はありませんが、記憶にとどめたい1両である事には間違いないでしょうか。