7月22日に放送されたバス旅新シリーズ「ローカル路線バスの旅W」。第1回は栃木の中禅寺湖から千葉県・房総半島の最南端にある野島崎灯台を目指しました。

 新シリーズはこれまでとは異なり、女性3人組による構成となり、雰囲気も大きく変わりましたね爆  笑個人的にはシリーズ化を期待しています。

 この記事では私自身の感想を記していきたいと思います。

 

1.宇都宮での選択

 今回のお題の1つ目の山場は、1日目の宇都宮でのルート選択です。まっすぐ千葉方面を目指していくなら、石橋(下野市)を目指すか真岡を目指すか、ということになるのですが、この2つはいずれもその先バスが繋がらず、長めの徒歩を強いられてしまいます。

 栃木県南部はバスの路線そのものがない地域が非常に多く、南へ行こうとするとバスが途切れてしまいます。実際には徒歩なしで乗り継げるルートがあるのですが、それは一旦烏山まで北東に向かい、常陸大宮を経て水戸へ向かうというもの。南ではなく、東を目指すようにするというのが難しいところ。非常に大回りなルートなうえに、烏山へ行くにも途中で乗り換えが必要となので、宇都宮にいる時点でこのルートを見出すのは困難だったと思いますあせる

 

2.柏は意外にバスがない!?

 2つ目の山場は、柏から先のルートでしょう。私自身、放送前に正解ルートを考えたのですが、柏から千葉へは、国道16号線がまっすぐつながっているうえに、16号の沿線は鉄道空白地帯なので、16号線沿いに進んでいくという方針で考えたのですが、路線がすぐに途絶えてしまい、かなり悩みました。

 その中で、情報収集のためにいったん柏駅から沼南車庫へ向かったことは好判断でした。おかげで、2日目のうちに方針を決定することができ、3日目が動きやすくなりました。あれが今回の成功の要因の一つだったように思います。

 なお、2日目の宿泊会場はアリオ柏付近のルートインでしたが、夕食会場は柏駅前だったようです。「ロケ車を使ったんかい!」という声もありましたが、別にワープしたわけではありませんし、きちんと食事をとらないと3泊4日のロケを完遂できなくなってしまうので、そこは目くじらを立てなくてもいいのでは・・・と思いました。

 

3.房総半島の南下のしかた~真の答えは内房でも外房でもなかった・・・!?~

 3つ目の山場は、房総半島をどう南下するかということ。実際ルートのように古河から千葉県入りした場合は、流れで浜野、八幡宿(内房エリア)方面に足が向くと思いますが、もし水戸ルートをとっていた場合は、成田を経由して八街、東金と南下し、九十九里・茂原(外房エリア)方面を目指していた可能性がありました。

 結論からいうと、完全に海沿いに進もうとすると、最終的には内陸部を通ることになります。つまり、房総半島の真ん中をぶったぎるということです。もし外房エリアへ転じていた場合は、茂原→大多喜→勝浦というルートで内陸部経由となったでしょう。

 しかしこの場合、勝浦から鴨川へ行く途上でさらに6km歩く必要が出てくるため、どちらかといえば内房沿いに進んでいたほうが優位に展開できたといえます。

 

4.掴みかけていたカピーナ大チャンス

 房総半島を南下する場合は、木更津から鴨川までバスで下るというのが良い手・・・なのですが、実はもっとよい手段がありました。それが、カピーナ号を使う方法です。

 カピーナ号は、千葉と鴨川を結ぶ高速バスです。一見この旅では乗れないように思いますが、途中の天羽田杉浦(市原市)から終点の鴨川までは下道を走るため、この区間であれば乗車OKです。

 

 

 一行は4日目早朝に姉ヶ崎駅東口へ進みましたが、そこから木更津方面へバスで乗り継ぐことができないと知り、内陸部へ迂回して木更津を目指すことにし、結果的に姉ヶ崎駅東口→平岡小前…(徒歩)…野里神社→平川行政センター→木更津駅→鴨川駅と乗り継ぎました。

 しかし、実をいうと前述したカピーナ号は、平岡小前にも停車します。なので、平岡小前バス停で待っていれば、鴨川まで一本でいくことができたのです!!

 一行が平岡小前で降りた後に、バス停の行先欄を見ると一番上に「鴨川」とはっきり書かれている平岡小前バス停が映し出されたのですが、(見逃し配信 1:40:53~1:40:59)これは意図的な演出と思われます。

 

 

 今回ルート選択はそこまで間違っていませんし、結果的にゴールできたからいいのですが、非常にもったいなかったです。

 

5.ルートについて

 今回のお題は、初回ということもあって易しいお題でした。宇都宮でいきなり選択を迫られますが、結果的には古河ルートでも水戸ルートでもゴールできましたし、序盤にミスをしても取り返すことができました。後半には木更津鴨川線やカピーナ号といった、鴨川まで一気に南下できる長いバス路線もありました。

 過去には、「館山(千葉県)→会津若松(福島県) 第16弾」「安房白浜(千葉県)→大内宿(福島県)Z第9弾」というお題もあったことを考えても、難しいお題とは言い難いものがあります。

 しかし、バス旅初めての3人にとっては、バス路線のない栃木や、都市部ではバスが細切れになるなど、難しかったことでしょう。ゴールおめでとうございます爆  笑爆  笑

 

6.まとめ

 今回は初の女性3人旅ということもあり、企画内容は同じでも雰囲気ががらっと変わってとても新鮮でした。1日目の夜にいちごシャンパンで乾杯をしていたシーンは、新シリーズを象徴していたように思います。

 羽田田中コンビの場合であれば、初日は真岡から下館まで16kmほど強行突破も辞さない展開になっていたと思われますが、一行は無理をせずに石橋へバスで繋いで徒歩の距離をできる限り減らしました。年々バスの路線数も便数も減っていて苦しい展開ではあるのですが、やはりできるだけバスを使うという姿勢のほうが番組にとっては良いように思います。

 1点だけ挙げるとすれば、もう少し路線図や地図を見て、いくつかルートを想定するとより良いなーとは思いました。例えば、4日目の姉ヶ崎駅の場合であれば、木更津を経由するルートだけでなく、「まっすぐ鴨川まで南下できないか?」というように考えていれば、カピーナ号の情報を掴むことができていた可能性は十分ありました。まぁ、初回でそこまでできればすごすぎなのですが・・・

 それにしても、リーダー格だけどだんだん壊れていく赤江さん、ムードメーカーの三船さん、しっかりしている高城さんのチームは、それぞれのキャラが出ていてとても魅力的でした。次回はどんな展開になるのか、楽しみです爆  笑爆  笑