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2023.07.04

京成3400形に廃車が発生。

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京成3400形 3438編成
2022.5.23/京成酒々井〜宗吾参道

▲4月14日をもって運用を離脱した3400形3438編成。3400形は残すところ3448編成1本のみに

3100形の導入などで2020年度より廃車が進行している3400形だが、3438編成が営業運転を終了している。最終運行は4月14日(A23→59K運行)。それから宗吾車両基地で2ヶ月近く留置が続いた後、6月中旬より一部機器類の取り外しおよびが解体に向けた搬出が始まっており、同編成の廃車は確定的な状況だ。

3438編成の廃車は、3157編成の導入とそれに伴う3056編成の京成本線転用による単純な置き換えとみられる。3400形としては3418編成に続いて2本の編成が立て続けに運用終了した格好となっているが、3418編成がデジタル無線改造に伴う予備車の運用終了で余剰になった分を廃車としたのに対し、3438編成の運用離脱は純減となっている点で状況が異なる。すなわち、3438編成が運用離脱した時点で京成本線の8両編成は通常より1本少ない29本(28本使用+予備1本)での運用を余儀なくされており、3056編成が同線での運用を開始するまで車両運用はカツカツ状態だったものと推察される。6月22日の夜から翌23日の朝にかけて3151編成がダイヤ乱れなどがない状況で唐突に京成本線の運用に入った1)が、これはこうした京成本線側の車両不足が原因で発生した事象と考えられる。

車両不足を起こしてまで3438編成を先行的に運用離脱させた理由は、列車無線が関係していよう。京成線の列車無線については4月24日より北総線と新京成線と合わせてデジタル方式のものに完全移行2)しているが、これに対応していない3438編成はこの時点で運用を終了せざるを得なかった。もちろん、3438編成もデジタル無線に対応させればそれ以降も走れたわけだが、完全移行後数ヶ月で廃車になるとわかっている編成に改造を行うのはさすがに無駄というもの。それだったら、気合と根性で車両不足を乗り切ってしまえとなってもおかしいことではない。

3438編成の廃車により、3400形は残すところ3448編成1本のみとなった。2020年と2022年に発生した2回の脱線事故の影響で3688編成とともに不本意ながら残ってしまっている格好となっているが、はたしていつまで走ってくれるだろうか。

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