番外 現在は解散した事業者の専業路線でした、福岡~佐世保線「させぼ号」旧西鉄高速バス時代画像から | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 かつて平成31年3月31日まで、西鉄グループの高速路線バス専業事業者であります、「西鉄高速バス」と言う事業者が存在しておりまして、専業路線・管理委託路線を含めまして、後述の路線の運行が見られておりました。
 
 西鉄高速バスは、平成12年に西鉄グループのバス事業者として、高速バス専門として設立されたものでありまして、長距離から近距離まで多くの路線を専業として存在しておりまして、必ず西鉄のロゴ(VI)に「Group」が入るようになっておりました。
 
 この中には、後述の路線を含めまして、現在は廃止されております福岡~鳥栖線や、夜行路線として現在は他社運行となっております、福岡~高松線「さぬきエクスプレス福岡号」、福岡~松山線「道後エクスプレスふくおか号」、現在は廃止されました「お伊勢さんエクスプレス福岡号」、そして当時日本最長距離を誇っておりました、福岡~東京(池袋)・さいたま(大宮)線「ライオンズエクスプレス」などの昼行・夜行路線がそれぞれ存在しておりました。
 
 また、既存路線も専業路線化した所もありまして、福岡~伊万里線「いまり号(長崎道経由時代、その後区間を変え他社運行)福岡~佐世保線「させぼ号」福岡~ハウステンボス線、福岡~大分線「とよのくに号」、福岡~鹿児島線「桜島号」、福岡~宮崎線「フェニックス号」などがそれに該当しておりましたし、福岡~熊本線「ひのくに号」や、福岡~北九州線「福北ライン」などが管理委託として存在しておりました。
 
 
 しかし、相次ぐ廃止・他社移管・管理委託化によりまして、専業路線・管理委託路線も以下のようになりまして「西鉄高速バス」の名目も様変わりするに至っておりました。
 
 【平成31年3月現在】
 (専業路線)
 福岡~鹿児島線「桜島号」
 福岡~宮崎線「フェニックス号」
 福岡~延岡・宮崎線(夜行)
 福岡~下関線「ふくふく天神号」
 福岡~湯布院線「ゆふいん号」
 
 (管理委託路線)
 福岡~熊本線「ひのくに号」
 福岡~佐世保線「させぼ号」
 福岡~ハウステンボス線
 福岡~大分線「とよのくに号」
 福岡~北九州線「福北ライン」
 福岡空港~北九州線

 福岡~北九州空港線「福北リムジンバス」
 
 そして、平成31年3月31日で西鉄高速バスは解散となりまして、19年に及びました西鉄グループの高速バス事業者は姿を消す事になりまして、翌4月1日より「西鉄高速バス」として運行されていた路線も西鉄バスの運行に変わる事になりました。
 
 尚、現在もブランド名としては西鉄高速バスは残されておりまして、車内放送等では現在も各路線聴く事ができておりまして、西鉄バスもグループ会社を含め各地に路線網を張り巡らすとともに、高速路線バスとしても存在がある事をも伺わせております。
 

 さて、今回ご紹介しますのは、現在は西鉄バスの専業路線となっております「させぼ号」の西鉄高速バス時代の姿に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 現在は正真正銘本体のメイン営業所でもあります博多営業所が担当しますこの路線でありますが、それ以前は福岡高速営業所が担当、それ以前は西鉄高速バス福岡支社管理委託・そしてその前に西鉄高速バス福岡支社直営路線として存在しておりました。
 

 これからご紹介します画像の撮影は、平成24年に撮影されたものでありまして、この当時には、西日本車体(西工)S型や、「ひのくに号」から転用されたばかりの西工E-III架装車が健在の頃でもありましたし、共同運行会社の西肥自動車(西肥バス)の場合には三菱エアロエースを導入しておりまして、旧型車両の置き換えも進んでいた頃でもありました。
 

 まずは西工S型架装車であります。使用されていた車には、先述のように西鉄バスより「ひのくに号」に使用されていた車や、当時西鉄高速バス以前に専業・管理委託を行っておりました西鉄観光バスや同じ旧西鉄高速バスより福岡~大分線「とよのくに号」に使用されていた車が転属・転用されておりまして、古い車ほど他社へ移籍した車も存在しておりました。
 
 (3420)
 
 実際に、上の画像の3420(三菱KC-MS829P)や以下画像の3421(形式同)も以前は西鉄バス(西鉄観光バス管理委託)に所有していた車でありましたが、平成22年秋に運行会社の変更がなされておりまして、この時は西鉄高速バス所有となっていた頃でありました。これら車は自体が中間トイレ付の4列シート車でもありましたので、予約制と言いましても当時は定員制でもあった事座席レイアウト自体もあまり気にする事がなかった事がこの転用につながっていたように思います。
 
 (「Group」表示なしですが、西鉄高速バス所有でした)

 こちらの画像は、平成21年に撮影しておりました、3421の西鉄バス(西鉄観光バス管理委託)所有時代の「とよのくに号」での姿でありましたが、その翌年に西鉄高速バス所有に変わった上に「させぼ号」を中心とした運用に変わる事になる訳ですので、わずか1年の間にここまで変化が生じる事になりました。
 

 さらには、西鉄高速バスに3台しか存在しませんでした、日野セレガRのシャーシとなっておりました西工S型架装車や、日産ディーゼルスペースアローシャーシとなっておりました西工S型架装車も「させぼ号」専用車として使用されておりまして、実際にその姿を見る事ができておりました。こちらの場合のシート配列は4列シート・後部トイレ付でありましたが、先述のように定員制でもあった事で座席レイアウトも気にしなくて良かった事が伺えるのではないかとも思います。
 
 (7903・日野KL-RU4FSEA)
 
 (9359・日産デKL-RA552RBN)
 
 これら車のその後は、日野セレガRのシャーシの車は全車日田バス移籍、日産ディーゼルスペースアローシャーシは「とよのくに号」などに転用されておりましたが、現在はいずれも全廃にも至っております。
 

 また、この平成24年には、西工E-III架装車こと日産ディーゼルスペースアロー(PKG-RA274RBN)が「させぼ号」に転用される事になりました。これまで西工E-III架装車は、福岡~熊本線「ひのくに号」をメインに運行されていた車でありましたが、その「ひのくに号」に新たに新車(日野セレガ・三菱エアロエース)が導入された事から、結果「させぼ号」に転用される事になったものでありました。
 
 (9495)
 
 最初に「させぼ号」に転用されましたのが、上の画像の9495でありましたが、この車は西鉄バスでのE-III架装車の1号車でありました。私も、「ひのくに号」に新車が導入されますと、どの車かが「させぼ号」か「とよのくに号」に転用される事になるのではないかと思ってはいた訳ですが、まさかこの車の転用には驚いたほどでした。
 

 その後も、E-III架装車の「させぼ号」の転用は進みまして、この平成24年の時点では以下画像の2台を含む4台(9620~9623)で「させぼ号」の転用がなされておりました。
 
 (9621)
 
 (9622)
 

 さらに、管理委託になりましてからも「ひのくに号」から転用が進んでおりまして、平成18年~平成19年式までの車を中心に「ひのくに号」から「させぼ号」に転用されておりました。しかし、日野セレガ・いすゞガーラ新車が「させぼ号」系統に導入されるようになりまして、平成19年式の車は全て他社(日田バス・亀の井バス)に移籍するに至りましたが、その後日田バスの車は全廃、亀の井バスの車もこのほど運用を離脱しております。
 

 ちなみにこれら車の運賃表は、「ひのくに号」運行時代にはデジタル式の運賃表が搭載されておりましたが、移籍により運賃表自体が撤去されておりました。それによりまして、画像のように紙で書かれた区間の運賃表が貼り付けられておりまして、見ていてシンプルな感は否めなくなっておりました。やはり、レシップ製液晶OBCビジョンが設けられている現在の姿としますと、よりそう思う所でしょうか。
 

 さて、この頃にはこう言った「ひのくに号」から「させぼ号」への転用により、余剰となった車に関しては、このまま運用離脱・廃車、もしくは他社に移籍という流れとなっておりましたが、「させぼ号」に導入されましたS型も日田バスなどへ移籍されておりました。
 

 実際に以下の車(479号、元7235・日野KC-RU3FSCB)も、元は西鉄高速バスからの移籍で「させぼ号」に使用されておりましたが、日田バスでは大分自動車道を運行する高速路線バスの専用車として使用されまして、福岡~日田・湯布院間をはじめ、さらには別府・大分・長崎までもこの姿を見る事ができておりました。しかし、先述のように「させぼ号」に新車が導入されますと使用されておりましたE-III架装車が日田バス・亀の井バスに移籍しておりましたので、その結果これら車も全廃へと至っております。
 

 今回は、「させぼ号」の旧西鉄高速バス時代の姿をご紹介しましたが、かつてはそのような姿が見られていた事がお分かりいただけるのではないでしょうか。しかも、「させぼ号」自体も創設時から存在していた訳ですので、この存在自体も大きかった事が伺える所ではあります。しかも、この事業者自体も以前は夜行路線まで存在していた訳ですので、この事業者の存在も西鉄バス本体とともに大きかった事が伺える所でもあります。現在は「Group」が付いた高速路線バスは西鉄バス筑豊の福岡~直方線、そして日田バスしかありませんが、かつて西鉄高速バスと言う「事業者」があった事も存じていただければとも思います。