スルーガーダーからトラフガーダーに架け替えました。 | 16番ゲージレイアウトのこと..など

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16番ゲージの鉄道模型レイアウト・白縫鉄道川正線の制作記です。

 前回までスルーガーダーの製作を続けてきましたが、形状に不満が募り、トラフガーダーに架け替えました。

 スルーガーダーは、下図のように、枕木の下に縦桁と横桁があり、枕木の下が厚くなるものです。

スルーガーダーの構造

 ところが、私の作ったものは、下写真のように、縦桁と横桁を平面的に表現しており、厚みがありません。桁下の有効高を確保するために、こんな形にしてしまいましたが、時が過ぎるにつれ不満が募ってきました。

スルーガーダーの作例

 本来なら、桁下に余裕がない場合、スルーガーダーではなく、主桁の高さを低くできるトラフガーダーを選ぶべきです。

 昭和の終わり頃からは、鋼床版直結軌条など、新たな工法も出てきたようですが、川正線の時代(昭和40年代初頭)は、トラフガーダーが普通だったと思います。

 ベテランモデラーの方は、レイアウトテクニックに掲載された記事を思い出されるでしょう。

 トラフガーダーは、下図1のように、主桁に挟まれた横桁の上に、枕木を介さずにレールを取り付けます。主桁と横桁の構造は下図2のとおりです。

 

トラフガーダーの構造1

 

トラフガーダーの構造2

 この構造がよくわかる事例が、伊豆箱根鉄道の三島広小路駅のすぐ北側にあります。

 こう書くと、いかにも自分で見つけたようですが、Nゲージでは、TOMIXがトラフガーダーを製品化しており、鉄道ホビダスが製品紹介と合わせて、実例を紹介していました。

 さて、こんな構造のトラフガーダーですから、カーブ区間には設置できないと思われます。

 このため、カーブ区間に橋を架けたかった私は、トラフガーダーを選ばずに、無理な形状のスルーガーダーを採用したのです。

 

 ところが、あるサイトで、ゆるやかなカーブに架けられたトラフガーダーを見つけました!

 近江鉄道が貴生川駅に入る直前です。

 ストリートビューではカーブの状況は確認できませんが、トラフガーダー独特の主桁の薄さをご覧ください。

 このカーブは、とてもゆったりしているので、幅の狭い横桁でも吸収できたようです。

 これに対し、私のレイアウトは急曲線ですが、距離が短いので何とかなるかもしれません。

 

 こうなると、一気呵成にトラフガーダーを作り上げたいところですが、そう簡単にはいきません。

 最初に掲げた伊豆箱根鉄道のようなタイプが、標準的なトラフガーダーのようです。これを作ろうとすると、枕木を撤去しなければなりません。でも、そうするとゲージが狂う恐れがあり、できれば避けたいところです。

 どこかに作りやすい実例はないものかと、Google mapを探してみると・・、見つけました!

 身延線の稲子駅と十島駅の間にある小さなトラフガーダーです。

 これなら作れそうです。

 

 さっそく図面を書いて作った部材がコレ、材料は紙です。

 左に見えるのが主桁の下部、右の3つが主桁の上部です。

 スルーガーダーは赤さび色でしたが、こっちは水色に塗りました。

トラフガーダー部材

 

 スルーガーダーを撤去し、架橋工事を始めます。

 まず、枕木を水色に塗ります。これは枕木ではなく、横桁なのです。

トラフガーダー架橋準備

 

 前回と同じ工法で、主桁の下部を渡します。

トラフガーダー架橋工事1

 

 次に、両脇の主桁上部を取り付けて・・

トラフガーダー架橋工事2

 

 中央の主桁上部を取り付ける準備として、枕木の高さと同じ2ミリ角の角材を、枕木の間に接着します。

トラフガーダー架橋工事3

 

 角材に木工ボンドを塗って、中央の主桁上部を固定したら、架橋工事の完了です。

トラフガーダー架橋完了

 

 自己満足ですが、スルーガーダーより現実感を感じます。

トラフガーダー竣工写真

 

 アップで撮ってみました。

 上面とサイドのリベットがお分かりいただけるでしょうか?

トラフガーダーリベット拡大

 

 サビの表現にも力を込めました。

 主桁表面の表情を目立たせるために水色を選択しましたが、作者としては納得の出来栄えです。

トラフガーダー錆拡大

 
 架橋工事の後は試運転です。
 EF58牽引の20系「あさかぜ」でスタートし、キハ81の「はつかり」と続き、9600牽引の普通列車で締めます。

 
 最初に作ったスルーガーダーには申し訳ないですが、これで気分もスッキリしました。
 今週の施工予定だった擁壁工事は、来週に延期です。
 擁壁も一生懸命作りたいと思います。
 鉄道模型のレイアウト作りは大変で、時間もかかりますが、楽しみは無限大です。
 本日も、ご訪問ありがとうございました。