土佐くろしお鉄道2000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

世界初の振り子式車体傾斜装置搭載の気動車となった2000系。JR四国は土讃線の「南風(当時)」「しまんと」「あしずり」の各特急列車は土佐くろしお鉄道にも乗り入れますが、他社の車両を使用した列車を走らせるとその会社に車両使用料が発生する関係から、土佐くろしお鉄道ではJR四国と同仕様の2000系を保有していました。

 

アンパンマン列車のオレンジ編成がそれに該当した編成で、JR四国と同仕様と言えど視覚的に区別は可能だった車両ですね。それにしても、やっぱりここまでアンパンマンで溢れるとそれはもう…。

 

なおこの編成は30番台に区分されています。外観で明らかな違いはあるものの、車番でも区別が可能でした。

 

そしてこちらが高松・岡山方の貫通型先頭車。元々宿毛方先頭の2030号車共々トレインマークを表示していましたが、アンパンマン列車のリニューアル化で表示窓が埋められています。

 

時に「うずしお」との併結も見られました。何気に「うずしお」側はN2000系のプロトタイプですね。現在は2700系に置き換えられて引退しており、今や過去のものですね。なお土佐くろしお鉄道保有の特急車は、2700系に受け継がれております。

 

それでは参りましょう、まずはデッキから、ドアです。プラグドアとなっており、ドアの窓は登場時よりも小さくなっています。

 

くずもの入れです。ピクトグラムのみの簡単な表示となっています。

 

かつて公衆電話が設置されていた場所は、アンパンマン列車のスタンプの設置場所に転用されています。

 

 JR編成と異なるのは、このようにルートマップがあることですね。

 

トイレです。民営化からあまり時間が経っていない時期の登場だからなのか、中は和式となっています。

 

洗面台です。陶器を黒塗りにして高級感を出しています。今も作動しているかは不明ですが温度調節用のツマミがあるのが時代を感じさせます。

 

自動販売機です。車内販売もありませんから、かつて運転されていた岡山から宿毛まで走り抜いていた「南風」ではありがたい存在だったことでしょう。

 

車内です。まずは普通車から参りましょう。JR四国編成と大差ありませんので、あまりご紹介の差はございません。

 

デッキとの仕切りです。扉は自動化され、その上にはLED表示機が設置されています。

 

天井です。こちらも非常にアッサリ、必要最低限以外何も無しです。



普通車の座席です。肘掛周りにキハ185系のような国鉄っぽさを残しているものの、背面のバックシェルなどに四国のオリジナリティを見出すことが出来ます。座り心地は程よい柔らかさです。画像は指定席で、ヘッドレストリネンが青色となっています。四国の特急車両の特徴として、バーレストが設置されていることがあげられます。時々体勢を変えたくなった時にいいですね。

 

さて、外観ですごいことになっていたアンパンマン列車、中にもアンパンマンが溢れる結果となっています。しかも連結されているのは半室グリーン車の普通席側、グリーン席利用者はトイレに行くときなどは必ずここを通らねばなりません。

 

グリーン席との仕切りです。仕切り扉自体はグリーン席側に合わせられているため、左の通路側席はちょっとかわいそうですね。

 

座席です。バックシェルをやめているため、リニューアル車と同じ形態となっていますね、アンパンマンが溢れていること以外…。背面、窓下、シートバックテーブルを展開した背面にまで至るところに…。


さて、そんな戦慄の(?)アンパンマンシート区画を抜けると、グリーン車となります。丸々1両でないところに、JR四国のグリーンの利用率の低さが見て取れます・・。


グリーン車内です。大型の座席が1+2列配置で並びます。JR四国車はリニューアルが実施されましたが、こちらは引退までそのままでした。

普通車とのデッキ仕切りです。普通車側にも遠慮する必要があったため、B席がちょっとかわいそうな席ですね、足を変に動かせばドアが開いてしまいそうで‥。


最前面の仕切りです。2000系はグリーン先頭車でありながら運転台側にも出入り口があります。普通、グリーン車は通り抜け防止を考慮して運転台側には出入り口は設置しないのですが・・。仕切り扉は自動扉ですが、パワフルエンジンの振動に負けているのか、走行中は絶えずカタカタ鳴っています。静粛を提供してしかるべきグリーン席においてこれは×。そして、一応前面展望用に仕切り窓がはめ込まれていますが、前面まではかなり遠く感じました。せっかくの流線型パノラマタイプの前面も魅力半減と言ったところでしょうか。外から見る分にはカッコいいんですけどね。ただ、それでも高知行き「南風」で最前面に座っていると、カーブに向かって加速しながら突っ込み、四国山地を持ち前の振り子をぐりんぐりん利かせながら力強く走る様は非常にアグレッシブでかっこよかったです。

 


天井です。こちらは普通車と大差ありません。この辺りを見ても、多少の需要を考慮して「とりあえず設定しました」感がぬぐえません。

 

窓です。普通車とは異なり、1列に1枚の配置としています。

 

座席です。非常に大きい座席でして、普通席と同様、バックシェルを持っています。これ、清掃などのメンテナンスが大変そうですねぇ・・。



付帯設備はシートバックテーブルとフットレストで、フットレストは土足面と土足禁止面の両方が使えます。ただ、座席によってはロクなメンテを受けていないのか、レバーを踏んでも降りて来ない座席も存在しました。私はバースデーきっぷで利用した身なので文句言えたモノではありませんが、エクストラチャージが必要なクラスとして、設備面を完璧なものにしておくことは当たり前のことだと思います。

 

1人掛けです。窓側には配管が通っていますが、気動車なので仕方ないところはあります。リニューアルされなかったため、最後までコンセントなどは設置されませんでした。


この座席、2人掛けも共通していることですがかなり軽量化が図られているようで、その影響なのかたまにストッパーがグラついている座席が見られます。やはりメンテが追いついていませんね・・。


全展開の図。座り心地そのものはさすがグリーン車と言ったところで、岡山から宿毛まで4時間半~5時間乗り通しても疲労を感じさせない、「もうしばらく乗っていたい」と思うことが出来る座席です。ただ、前述のようにメンテがアレなのが少し残念・・。この座席、画像でも分かるとおり、腰部分が盛り上がっている形状になっており、フルリクライニング時ではエビ反りになってしまいます。ですので、リクライニングしないか、少しだけリクライニングを利かせて座るのがベストと言えます。


デッキ仕切り際の座席は固定テーブルが設置されています。フットレストも忘れず完備。

一度、岡山から宿毛まで5時間ほどを乗り通してみたかったものですが、列車・車両共々この系統からは撤退することとなってしまいました。