新路面電車開業へ! 宇都宮ライトレール芳賀宇都宮LRTライトライン開業に伴うダイヤ改正(2023年8月26日)

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新路面電車開業へ! 芳賀宇都宮LRTライトライン開業に伴うダイヤ改正(2023年8月26日)

芳賀宇都宮LRTは2023年6月2日、プレスリリースにて8月26日に開業すると公表した( 2023年8月26日開業!芳賀・宇都宮LRT )。今回はこれについて見ていく。

1. 新路面電車開業へ!

今回の2023年8月26日芳賀宇都宮LRTダイヤ改正では、栃木県に新しい路面電車LRTが誕生する。

栃木県の路面電車というと東武日光軌道線が1968年まであったが、今回の芳賀宇都宮LRT開業で栃木県の路面電車は55年ぶりの復活となるようだ。

今回開業するのは芳賀・宇都宮LRTで、宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間の18駅間、14.6kmにわたる全線複線直流750V電化の路線となっている。このうち道路と併用軌道は11.1km、専用軌道は3.5kmとなっている。平均駅間は約810mで、路面電車としてはやや広い。どちらかというと地下鉄の駅間距離に近い。

もっとも宇都宮は50万都市であるが、それより小さい富山市や長崎市に路面電車があるくらいだから路面電車を作るのは順当ではある。が、今回開業する芳賀宇都宮LRTは人口1万6千人しかいない芳賀町を終点とする。これは芳賀町と高根沢町の境界にある本田技研の工場に出勤する人たちを運ぶためだと言われている。労働者からしたら宇都宮駅から会社が用意した通勤用貸切バスでノンストップの方が利便性が高いと思うのだが移ってくれるのだろうか。




開業当初の営業運転速度は40km/hとしている。このため宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間で45分程度かかる見込みだ。表定速度だけ見ると従来のバスとあまり変わらない。

専用軌道は普通鉄道同様思いっきりバラストを敷いているほか、最大勾配は60パーミルと登山鉄道やリニア地下鉄並みである。そして専用軌道の設計最高速度は70km/hとしている。もはや中国で2010年以降開業が相次いでいる現代版有軌電車に近い。

今回の芳賀宇都宮LRT開業に合わせ70km/h運転の3両編成連接車19本を投入することとなった。なお車庫は宇都宮駅東口駅から6つ目の平出町にある。

なお軌間は1,067mmの狭軌となっており、JR東日本宇都宮線や東武宇都宮線に合わせており、路面電車で多い1,435mmの標準軌と異なる。どうやら将来的に直通運転を検討した際に有利なようにしているようだ。

このほか宇都宮LRTには西側に延伸計画があり、宇都宮市街地の中心部である東武宇都宮駅周辺を抜けるようだ。




2. 列車運行ダイヤはどうなる

では今回の2023年8月26日芳賀宇都宮LRT開業でどのような運行ダイヤを組むのだろうか。

運転時間は宇都宮駅で連絡するJR東北新幹線の運行時間に合わせるとしている。宇都宮駅の東北新幹線一番列車は6時27分発「なすの254号」東京行き、最終列車は宇都宮23時37分発東京始発「なすの281号」那須塩原行きとなっている。これらの列車に合わせて初電や終電を設定するのだろう。

また当初の計画では平日朝夕6時~9時、17時~19時は6分間隔(毎時10本)、平日昼間と土休日全日は10分間隔(毎時6本)での運転となっている。が、これは併用軌道を最高50km/h、専用軌道を最高70km/hで運用繰りができるものであり、開業当初は日本国軌道法の対応遅れにより40km/hまでしか出すことができず所要時間が長くなってしまう。

また事業認可時の2016年や建設開始時の2018年時点と比べ、2023年の期待できる旅客量は少なくなってしまっている。

このため芳賀宇都宮LRTでは開業当初は平日朝夕は8分間隔(毎時7.5本)、平日昼間は12分間隔(毎時5本)での運行となる。

なお芳賀宇都宮LRTでは快速運転を行えるよう平石とグリーンスタジアム前で待避をできるようにしているが、営業開始当初は快速運転を行わず全便各駅停車での運行となる。

過去に快速運転を導入した都市鉄道として神戸市営地下鉄山手西神線があるほか、急行も含めれば都営地下鉄新宿線や広島高速交通アストラムラインなどがある。が、神戸市営地下鉄山手西神線や広島高速交通アストラムラインでは朝しか快速・急行運転を行わなかったためにすぐに廃止に追い込まれたし、都営地下鉄新宿線も急行が風前の灯火と化している。果たして芳賀宇都宮LRTで快速運転をしたとしても成功するのだろうか。




3. 運賃はどうなる

では今回の2023年8月26日に開業する芳賀宇都宮LRTの運賃はどうなるのだろうか。

初乗り3kmまで150円、以降5kmまで200円、7kmまで250円、10kmまで300円、13kmまで350円、全線で400円と50円刻みで運賃を設定している。宇都宮周辺ではJR東日本の初乗りは3kmまで147円、東武鉄道の初乗りは4kmまで157円であることから、鉄道の初乗り運賃としては妥当なところだ。また50円刻みとすることで現金利用時のお釣りを減らす目的があるのだろう。

ただ、沿線を走る関東自動車は2023年7月1日に運賃を改定、初乗り170円から190円に値上げするほか、芳賀宇都宮LRTの宇都宮駅東口~峰の3駅間に相当する宇都宮市地帯制エリア1区は関東自動車の場合170円から220円に50円も値上げする。おいおい、初乗りがLRTの150円とバスの220円では大きく開きすぎだろう、広島の路面電車や松山の路面電車が200円以上かかることを考えると芳賀宇都宮LRTの初乗り運賃は200円でも良かったのでは?

なお芳賀宇都宮LRTではICカードtotraを発行するほか、SuicaやPASMOなどの全国の交通系ICカードも利用できる。ICカード利用時には4つの扉全てから乗車・降車できるが、現金支払いの場合は乗車時も降車時も進行方向一番前先頭のドアしか使えない。


4. 結び

今回の2023年8月26日芳賀宇都宮LRTダイヤ改正では、芳賀宇都宮LRT開業によりバスを代替し所要時間を短縮することになった。

今後快速運転を構想する芳賀宇都宮LRTでどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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