えちぜん鉄道の観光列車「恐竜列車」運行開始日やダイヤ決定 静岡鉄道の車両を改造



えちぜん鉄道は6月7日、新しい観光列車「恐竜列車」を7月15日から勝山永平寺線で運行すると発表した。沿線にある福井県立恐竜博物館のリニューアルや北陸新幹線の敦賀延伸にあわせ、観光需要の取り込みを図る。

もと静岡鉄道1000形の「恐竜列車」。車体にアメリカ・アジアに生息した恐竜を描いた。【画像:えちぜん鉄道】

「恐竜列車」は静岡鉄道から譲り受けた1000形電車2両編成1本(1010号+1510号)の改造車を使用。車体にはアメリカ大陸に生息した33種34体とアジア地域に生息した38種42体の恐竜を描いた。

車内は恐竜が生息していた時代のうちジュラ紀(約2億年前~1億4500万年前)をイメージした「ジュラシックゾーン」と、化石の発掘現場をイメージした「化石発掘ゾーン」の二つに分けて装飾。座席はロングシート配置のほかクロスシート配置のものも設置した。

ジュラ紀をイメージした「ジュラシックゾーン」。【画像:えちぜん鉄道】
「化石発掘ゾーン」の車内。【画像:えちぜん鉄道】

運行区間と時刻は福井9時35分発→勝山10時30分着で片道のみ。途中駅での乗り降りはできない。当面は7月15日から8月31日まで毎日運行(8月11日は除く)し、9月は土曜・休日のみ運行する。

利用料金は一般4500円で、「えちぜん鉄道1日フリーきっぷ」や勝山市内のバス乗り放題、恐竜博物館の常設展入館料、恐竜列車の特別料金が含まれる。事前予約・決済制(クレジットカード)で電話での予約や現金での購入はできない。申込みは6月15日から、えちぜん鉄道ウェブサイトの「恐竜列車」特設ページで受け付ける。

日本の恐竜化石の約8割は福井県で見つかっており、勝山駅がある勝山市には国内最大級の恐竜化石発掘現場や恐竜博物館がある。恐竜博物館はリニューアル工事のため休館しているが、「恐竜列車」の運行開始に先立ち7月14日にオープンする予定だ。来年2024年春には北陸新幹線・金沢~敦賀が開業する予定で、新幹線で福井を訪問する観光客の誘致を目指す。

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