JR九州の観光列車、JR四国との違い | 車内販売でございます。

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観光列車が多数走っているJR九州。

そして後発ではあるものの人気観光列車を走らせるJR四国。

このJR四国とJR九州の観光列車は、共通点も多いですが、違いもあります。

今回は、JR四国とJR九州の観光列車の違いについて。

↑「志国土佐時代の夜明けのものがたり」通称「夜明け」

 

 

【1】JR四国の観光列車は、「特に急がない列車」

多くのJR四国の観光列車は、他の列車に追い抜かれて到着が遅くなります。

「夜明けのものがたり」窪川15:13→→17:53高知

「特急あしずり12号」  窪川15:51→→17:00高知

・・・途中の須崎駅で「19分劇場」で盛り上がっている間に、追い抜かれます。

「千年ものがたり」多度津10:19→→12:47大歩危

「特急南風5号」 多度津10:48→→11:41大歩危

・・・途中の讃岐財田駅で追い抜かれます。

「伊予灘ものがたり」   松山8:26→→10:28伊予大洲

「普通列車(内子経由)」松山8:45→→10:15伊予大洲

・・・伊予灘ものがたりは海沿いを遠回りしますから、特急なのに時間がかかります。

※↑下線部が違っていましたので修正しました。約10回乗ってきたのにつまらないミスです。失礼しました。

 

一方、JR九州の観光列車では、基本的に普通列車より早く到着します。当たり前とはいえ、特急の方が普通列車より短時間で到着します。

「指宿のたまて箱」なら鹿児島中央~指宿を約52分で走りますが、同じ区間の普通列車は約70分かかります。(最速の快速で63分)

「ゆふいんの森」だと由布院~日田間は特に普通列車の本数が少ないため、地元の人も特急料金を払って移動することになります。↓

 

 

【2】JR四国の観光列車は、グリーン車&満席が目立つ

JR四国の「伊予灘ものがたり」等の観光列車は、簡単に乗ることができません。

★全車グリーン車で、料金が高い

JR九州の特急は、多くが指定席の特急ですので、グリーン料金はかかりません。

普通車指定席なら1200円追加ですが、グリーン車指定席だと2500円追加になり、ほぼ2倍の料金となります。(通常期・100kmまで)

★JR四国の観光列車は、満席の日が多い

JR四国の〈ものがたり列車〉は、観光色が濃くて座席数が限定され、満席の日が目立ちます。当日パッと特急券を買って、気軽に乗車するのは困難な日が多いです。

ですから、急に県庁所在地に買い物に出かけることにしたから観光列車に乗る、というのはJR九州ではありますが、JR四国では皆無でしょう。

 

 

【3】JR四国は、地元客と観光客を分離している

下り観光列車に「乗れる駅」を比較してみました。

JR四国「伊予灘ものがたり」→松山のみ

JR四国「夜明けのものがたり」→高知のみ

JR四国「千年ものがたり」→多度津、善通寺、琴平

JR九州「ゆふいんの森」→博多、鳥栖、久留米、日田、天ヶ瀬、豊後森、湯布院

JR九州「指宿のたまて箱」→鹿児島中央、喜入

JR九州「あそぼーい」→熊本、新水前寺、水前寺など16駅

JR九州は、様々な駅から乗車できることが分かります。

JR九州だと、隣の停車駅に行く短区間客も混ざることになります。

一方、JR四国では、ほぼ100%全区間乗る観光客です。

 

 

【4】違いを表にまとめると

JR四国とJR九州の観光列車の特色を、表にまとめると、こうなります。

JR四国の方が、観光客に特化しています。

JR九州は、地元客と観光客の両方に乗ってもらおうと工夫しています。

 

 

【5】JR九州が、JR四国化してきた!?

以上のように、JR九州とJR四国の観光列車は、特色に違いがあります。

(どちらが優れているという訳ではありません)

ここ数年、JR九州で登場した観光列車「36ぷらす3」「ふたつ星」を見ていると、こう感じます。

JR九州は、観光客に特化したJR四国風の観光列車に路線変更をしたのでは?

より観光客に満足してもらうために、地元客との分離を進めて、JR四国の観光列車のようにするような方針転換をしたように感じます。

 

【下車観光】

「36ぷらす3」では、牛ノ浜、延岡などで長時間停車します。ホームで特産物の販売や、地元の人からの歓迎を受けることができます。

「ふたつ星4047」では、千綿駅・小長井駅のホームに降りて、海を眺められます。肥前浜駅で地元の人から日本酒を買うこともできます。

地元の短距離客が混ざると、ホームに降りての下車観光は、時間的に難しいです。

【グリーン車化】

「36+3」は、通常のグリーン料金より割高のグリーン料金が必要です。

また2024年春から博多~由布院を走る新観光列車も、全車グリーン車と発表されています。

「ふたつ星」だと普通車指定席ですから、特急料金だけで乗車できます。

JR九州としては、本音ではグリーン車扱いにしたかったのでは?と邪推してしまいます。

【食事の充実】

「指宿のたまて箱」「あそぼーい」など従来の観光列車では、車内販売は実施していましたが、しっかりした食事はありませんでした。

満足度を高めるために、「36ぷらす3」では旅行商品で豪華な食事をいただけます。

「ふたつ星」では、特製弁当や長崎スフレを予約できます。

「ゆふいんの森」で買った比較的豪華な「折鶴弁当」1620円↑

(2020年5月 記事はこちら)

 

【6】JR九州の観光列車のグリーン車化はある?

ここでポイントとなるのは、列車の速さではなく、「車両」と「おもてなし」です。

 

JR九州のアテンダントさんの接客水準は、かなり高いのは間違いありません。

乗客との距離を縮める販売、下車観光、イベントを増やせば、「おもてなし」が充実して満足度は高くなるでしょう。(36ぷらす3の駅での「おもてなし」↓)

車両の水準を考えれば、現在はグリーン車でなく普通車扱いの特急のうち、「ふたつ星」「やませみかわせみ」は、グリーン料金を取っても問題ないレベルだと思います。

(やませみかわせみの座席↓)

「あそぼーい」の先頭には、前面展望が開けるパノラマシートがあります。

現在は210円増しで乗ることができます。

ここも、グリーン車扱いするのも理解できます。↓

値上げは痛いですが、豪華で定員が比較的少ない水戸岡車両を、一般の特急と同じ料金で乗れたのがラッキーだったと思います。

グリーン車化に伴う値上げと言うより、適正な料金になるという感覚です。

 

ですが、普通のリクライニングシートは、普通車扱いでしょう。

たとえば「あそぼーい」の一般の座席は、グリーン車扱いはキツイです↓

 

ちなみにJR四国の「アンパンマントロッコ」は、昔は普通車指定席扱いでしたが、普通列車グリーン車扱いに変更されました。↓ 過去に例はあるんですね。

 

この先、JR九州はどうするか分かりませんが、たとえば「指宿のたまて箱」は、車両が老朽化しているように思います。新たな車両が登場した際に、どうなるか注目しています。