NO.2855 平成23年まで博多~大分~宮崎空港間を運行した、「ドリームにちりん」過去利用記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 令和3年3月12日のダイヤ改正におきまして、上の画像にもあります、「ハイパーサルーン」とも呼ばれました783系電車が日豊線から撤退しておりまして、それによりまして「にちりん」・「にちりんシーガイア」・「ひゅうが」・「きりしま」と言った列車からは783系電車の定期運用はなくなっております。
 
 それによりまして、既に783系電車に廃車が発生しておりまして、画像1にありますCM1編成、画像2のCM34編成、さらにCM4編成・CM31編成・CM32編成も同じく解体されておりますし、さらに4両編成の車両も3編成(CM3編成・CM5編成・CM33編成)が保留車として各地に疎開留置する姿が見られております。
 
 現在は、画像のCM2編成でしたら783系電車の波動編成では唯一稼働している編成として存在しておりまして、現在も運行されております長崎線・佐世保線特急「みどり」「ハウステンボス」の予備車として、さらに稀に大分車両センターに貸し出されまして787系電車(4両編成)の運用に就く事もありまして、この場合日豊線を代走する姿は見られております。
 
 (画像は5両編成時です)
 
 それでも普段は全体で北部九州3県のみ見る事ができるに至っておりまして、「みどり」・「ハウステンボス」(いずれも「リレーかもめ」の運行も含みます)の他は、「かささぎ」肥前鹿島駅発1本、「きらめき」1往復のみで、普段南九州で運行される姿は見られなくなっております
 
 
 さて、日豊線の特急列車は「にちりん」・「にちりんシーガイア」・「ひゅうが」・「きりしま」と言った列車以外にも、かつては「ドリームにちりん」と呼ばれる夜行特急列車が存在しておりまして、全国でも数少ない夜行列車でもありました。しかし、平成23年に廃止されておりまして、今はその姿を見る事はありません。
 
 
 そんな「ドリームにちりん」が、令和3年11月に団体列車の形で博多~宮崎・南宮崎間で10年ぶりに復活、「リバイバルドリームにちりん」として運行されておりましたが、使用車両にはそのCM2編成でありまして、ご覧の皆様の中にも参加された方もいらっしゃったのではないでしょうか。私も、画像のように収める事ができておりましたが、この後宮崎方面へ夜通し運行されていた訳でもありましたので、久々の783系電車によります夜行の姿が懐かしくも思ったこの時でもありました。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、その夜行特急でありました「ドリームにちりん」に関しまして、過去に撮影しました画像を含めまして皆様にご紹介してまいります。

 

 (783系電車CM1編成による「ドリームにちりん」)
 
 
 現在、博多~小倉~大分~宮崎~南宮崎・宮崎空港間では、現在は日本一長い「昼行特急」となっておりますにちりんシーガイアが存在しておりまして、現在は787系電車6両編成1往復による運行に改まっております。

 
 
 そして、同区間を運行しておりましたこの「ドリームにちりん」は、平成5年3月から平成23年3月まで運行しておりました特急列車でありまして、上記の区間を夜通しで運行しておりました。元々は、平成5年3月まで急行「日南」が存在しておりましたが、その特急格上げとして「ドリームにちりん」が誕生していたものでありました。
 
 
 この運行は1日1往復の運行でありまして、運行末期時下りは博多→宮崎空港間、上りは南宮崎→博多間の運行となっておりまして、所要時間は、博多~宮崎間を下りは約7時間半ほど、上りは約6時間半ほどで運行されておりました。ちなみに上下列車で所要時間が違うのは、先述のように下りが博多→大分間が最終列車として、大分→宮崎間が始発列車として、逆に、上りが宮崎→延岡間が最終列車として、大分→博多間が始発列車としての役割を果たしていたためであった事、そして大分駅で時間調整のために、約1時間~2時間停車していたためでありました。
 
 
 使用車両は、運行当初は南福岡電車区(当時)の787系電車9両編成が使用されておりましたが、その後7両→6両と減車化されまして、さらに「にちりんシーガイア」・「にちりん」・「ひゅうが」との共通運用と言う形で、平成12年より大分運輸センター(当時)に転属しておりました783系電車が使用されるようになりまして、翌平成13年に783系電車が南福岡電車区(当時)に転属してからも形態はほぼ変わらず運行されておりました。
 
 
 画像は、783系電車の「ドリームにちりん」の行先です。残念ながら、現在は「ドリームにちりん」の行先は他の行先(34番・博多(→ハウステンボス ハウステンボス早岐→ハウステンボス間ワンマン)、37番・宮崎空港(→ハウステンボス 博多ハウステンボス→早岐間ワンマン))に書き換えられたため見る事ができませんが、以前はLED・幕式と画像のように存在しておりました。
 
 (LED・宮崎空港行き)~現在はハウステンボス 博多ハウステンボス→早岐間ワンマン)に変わっています
 
 (幕式・博多行き)~現在はハウステンボス ハウステンボス早岐→ハウステンボス間ワンマン)に変わっています
 
 (幕式・宮崎空港行き)~現在はハウステンボス 博多ハウステンボス→早岐間ワンマン)に変わっています
 
 
 車内は、まず普通車からご紹介しますが、一部の783系電車の編成の中には座席が画像の485系電車からの廃車発生品を使用している座席がありますので、783系電車のオリジナルから見ましても格が下がったような印象が避けられない所ではありますが、それでも夜通しにもふさわしい所が見られておりました。
 
 また、この後ご紹介しますように、この「ドリームにちりん」の中には女性専用席が設けられておりました。やはり、利用される方の中には女性の方もいらっしゃったでしょうから、夜通しで運行されていた事を思いますと、女性の方しか利用できない分安心できる座席ではなかったのではないかと思います。
 
 さらに、グリーン車には毛布も用意されておりました。これは普通車では味わう事ができなかったサービスではありましたが、ゆっくり・ゆったりとこの列車を利用したい方にとっては大変ありがたいサービスではなかったでしょうか。
 
 
 このような姿が見られていた「ドリームにちりん」でありますが、運行末期時の時点では、「ドリーム」と言う愛称から、九州唯一の夜行特急でもあり、日本でも唯一のオール座席夜行特急にまで至っておりまして、ちょうどこの頃には高速バス(「フェニックス号」)の夜行便が廃止されていた事から、博多~小倉~宮崎へ夜通しで行ける唯一の手段でもありましたし、先述のように宮崎方面~延岡間・博多方面~大分間は始発・最終列車の役割も果たしておりました。
 
 
 しかし、冒頭でもご紹介しましたように、「ドリームにちりん」は平成23年3月の改正で廃止されまして、その後補完する形で夜行高速路線バスも休止もありながらも運行されておりまして、末期は延岡経由も存在しておりましたが、令和2年に廃止されておりまして、現在は福岡~宮崎間を夜通しで行く事はできなくなっております
 
 
 さて、ここからは平成20年に利用した時の模様を、この時収めておりました画像からご紹介してまいります。この時の利用は、大分県内の別府→佐伯間の利用でありまして、したがって大分駅での長時間停車も経験する事ができておりました。
 
 別府駅を1時18分に発ちましたCM31編成の「ドリームにちりん」は、12分後の1時30分に大分駅に到着、それから2時間近い1時間57分も停車を行います。もちろん大分駅で下車される方もいらっしゃいますが、大分駅以南を利用される方の中には、駅員に言いまして当時24時間営業でありました大分市内の温泉にタクシーで行かれる方もいらっしゃったそうでもありまして(実際に私の身内がそのように行っていました)、車内で休む以外にも様々な利用法もあった事が伺わせておりました。
 
 
 私自身も、この利用時には一旦改札を出ましてコンビニエンスストアへと足を運んでおりましたが、その際に駅構内も回っておりました。画像は大分駅「みどりの窓口」の営業時間でありますが、よく見ますと「ドリームにちりん」が停車する事から、営業時間も3時15分~4時、そして、通常の5時ソニック博多行き始発が5時23分であったためから22時までと、明らかに特急運行時間に対応していた事がわかりますし、当時の駅も「コンビニエンス」であった事もお分かりいただけます。
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 また、この頃は大分駅の高架化が進んでいた頃でありまして、この頃には久大線・豊肥線ホームであります6番ホーム~8番ホームが完成しておりました。また、一部高架化とともに現在は「上野の森口」と呼ばれる所も設けられておりましたが、画像のように仮設の改札が設けられる程度でもありました。

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 (平面ホーム側より6~8番ホームを望む)
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 当時この高架ホームへ行くには、北口(「府内中央口」)の改札からはホーム下の通路を通りまして、画像の旧6・7番ホームへ通じる階段・旧ホームを通りまして、そこからその下の画像にあります仮設通路を通って行く事になります。その距離は、徒歩で数分かかる事から、乗り換えにはさぞ大変であった事が伺わせておりました。
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 (仮設通路)
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 仮設通路を通ると、目の前に画像の大きな乗り場案内が目にします。そこを目にすると、画像の両端に広い高架ホームへ通じる通路を目にする事ができておりました。ここは大変広く、明るい事から、私自身も驚くほどであったのが懐かしい所であります。尚、現在は内装・床面も大きく様変わりしておりまして、仮設の姿がこの時は見られていた時でもありました。

 

 (発車標)
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 (ホームへの通路・階段・エスカレーターホール)
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 (ホームへ通じるエスカレーター)
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 ホームへ上がりますと、画像のように、広い・真っ白なホームを目にしました。やはり、まだ新しい事もありまして大変きれいな姿が見られておりました。また、駅の発車標も、3段式になってて見やすくなっておりまして、未明の驚きがこの時あっておりました。
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 (3段式の発車標)
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 こうして、再び乗車しましたが、画像は1号車B室の女性専用席です。この時の女性専用車は数名しかいらっしゃらず、寂しい姿が見られておりました。尚、この時は全体でも50名足らずくらいでありまして、ピーク時よりは利用者が減っていた事が伺わせておりました。

 

 (時刻は3時23分、4分後に発車です)

 

 (車内)

 
 
 3時27分、「ドリームにちりん」は大分駅を発ちまして、私自身も1時間足らずではありましたが車内で眠っておりました。車内では深夜帯でもありますので放送は行われませんが、当時は検札に来られました車掌さんに言いますと、眠っておりますと起こしに来られてもいまして、寝過ごさずに済む事ができておりました。
 
 
 こうして、4時24分に佐伯駅に到着しました。この時下車しましたのは、私ともう1名であったと記憶しますが、もう1名の方もタクシー?で発たれておりまして、駅構内もすぐに寂しい姿が見られておりました。やはり佐伯駅も、始発列車が6時でありましたので、列車が発ちますと静かになった姿が見られておりました。

 

 (時刻)~始発は6時発大分行きです
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 この後私自身は、佐伯駅を発ちまして、暗い駅周辺を回りまして、大分行きの始発バス(5時台発?)に乗車しまして大分市内へと戻りました。この時は夏ではなく秋でしたので夜明けも遅くなっておりましたが、夏場でしたらこの4時台は明るくなっていたかなと思ったこの時でもありました・・・。

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 時を過ぎまして、最後の乗車が平成23年2月20日でありました。この時は「ドリームにちりん」の廃止が発表されていた頃でありましたので、これまでも全区間の乗車は果たしていませんでしたので、最後の乗車は全区間で・・・とも思っていたのですが、翌日には私の予定もありましたので、結局は博多→小倉間のみの乗車最後となりました。

 


 画像が、博多駅の案内表示です。特急ドリームにちりん 22:52 宮崎空港(小倉)5両の表示が出ているのがわかります。何と言いましても、この表示もこの日を含めあと20日となっておりましたので、このタイムリミットも迫っているんだなと言う印象がありました。
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 この日乗車しました編成は、南福岡車両区のCM1編成でありました。当時のCM1編成と言いますと、平成22年の大河ドラマ「龍馬伝」にちなんだラッピングを施しておりましたが、1号車のクロハ782-1にはこの時黒ラインの部分が残っておりました。
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 (残されていた「龍馬伝」ラッピング時代からの名残の黒ライン部分)
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 さて、この時も車内を収めておりましたが、車内には同業者の鉄道ファンの方が車内を撮影されていた方もいらっしゃいましたり、カメラを固定して動画撮影される方もいらっしゃるなど、私と同様廃止を惜しむ方が撮影されているようでした。そのため、以下画像のように先頭部には乗客が多くいらっしゃっておりました。
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 一方、中間部分については、日曜の夜と言う事もありましてそんなに多くの方は乗車していませんでしたが、この座席も撮影後には約7割近くになって発車しておりました。
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 また、女性専用車については、こちらの方はあまり乗車率は高くはありませんでした。それでも、女性しか乗車できないと言う所が、逆によかったのではないかとも思ってしまいます。
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 そして、グリーン車については、毛布が棚に重ねて置いてある事から、サービスが行われていた事がわかります。こういったサービスが、やはり普通車とグリーン車との違いを出しているようにも見えました。
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 (棚に毛布が置かれていました)
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 さて、列車は博多駅を発車して、赤間・折尾・黒崎・八幡・戸畑各駅に停車しまして、約1時間で私が下車する小倉駅に到着しました。小倉駅では進行方向が変わりますので、1号車クロハ782-1が先頭となっておりました。
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 小倉駅からは、23時48分着・23時52分発と博多駅からちょうど約1時間でありましたが、小倉駅からは下車も多かったですが、逆に乗客も多く乗車されており、これからさらに大分・宮崎へと行かれる訳ですので、まだまだ長いという印象を感じました。考えてみましても、今回の博多→小倉間もまだ全体の約6分の1の距離でありましたので、そう思ってもわからなくはなかったでしょうか。
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 (小倉駅から乗車される方々)

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 こうして、列車は宮崎空港へ向けて発車していきました。これで私が「ドリームにちりん」に乗車するのも最後となりましたが、私も見えなくなるまで見送りました。
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 今回は、過去に2回乗車しました「ドリームにちりん」の私自身の過去の乗車記録に関しましてご紹介しましたが、残念ながら全区間の乗車ができなかった事に関しましては正直残念に思っております。けれども、平成20年乗車時にありましたように大分駅に長時間停車していた事で当時一部高架化されておりました駅構内の探検ができた所や、夜行ならではな姿をも見る事ができていたのが良かったのではないかと思います。残念ながら、もう記憶と撮影記録でしかたどる事ができなくなっておりますが、過去にこうして運行されていた事を存じていただければと思いますし、再びのリバイバルも望みたい所ではあります。