SL銀河乗車記(花巻→釜石)[後編] | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

宮守川橋梁通過

SL銀河は宮守を発車。

そしてすぐに運行区間のハイライトに差し掛かります。

 

黒煙を上げながら…

 

ゆっくりと川の上を渡っていきます。

川岸には大勢の人たちが。

 

ここがSL銀河の撮影スポットとして有名な宮守川橋梁です。

アーチ橋で通称「めがね橋」と呼ばれており、現在の橋梁は2代目。

「銀河鉄道の夜」のモチーフとなった場所と言われており、撮り鉄だけでなく観光客にも有名なのだとか。

夜にはライトアップも行われ、SL銀河が夜に特別運行したときには銀河鉄道の夜そのままの風景になったそう。

 

そんな宮守川橋梁をゆっくりと通過したSL銀河。

次の停車駅は遠野です。

 

三ツ矢サイダーとSL銀河弁当

ここで先ほど買ったSL銀河弁当を食べることに。

 

傍らにあるのは三ツ矢サイダー。珍しい瓶タイプです。

宮沢賢治は花巻農学校教師時代、行きつけのそば屋で必ず天ぷらそばとともに三ツ矢サイダーを注文していたといい、時には教え子にごちそうすることもあったのだとか。

そんなエピソードにちなんで三ツ矢サイダーが販売されています。

 

山間部の景色を眺めながらお弁当を食べます。

 

包み紙はSL銀河の写真。背景が星空になっています。

 

こちらが中身。三陸の海の幸がふんだんに用いられたお弁当になっています。

炊き込みご飯の上にはウニが載っていて豪華。

同じくごはんの上に載っている円形のものは金婚漬といって、瓜の中に昆布やにんじんを詰めた岩手の代表的な漬物だそう。

おかずもホタテやシャケ、(名前の分からない)貝など充実した内容となっています。

 

列車はすでに遠野市内に入っています。

遠野の風景を見ながら食べるお弁当は最高ですね。

 

道の駅遠野風の丘の横を通過。

道の駅の柵には見物客が鈴なりになっています。

 

道の駅を過ぎると、まもなく遠野に到着です。

 

民話の街・遠野に停車

遠野、12:12着。

なんとここで1時間以上の停車です。

 

C58は一旦切り離されて前方へ。

この先仙人峠の急勾配区間を通るため、ここで給水と灰捨て作業が行われます。

 

跨線橋からはC58の上で作業を行う風景を見ることができました。

 

さて、遠野と言えばかっぱでおなじみですよね~

駅の中にも、

こんなところや、

 

こんなところや、

 

こんなところにいました!

 

駅舎の外に出てみました。

遠野駅の駅舎はヨーロッパの建築様式を取り入れたコンクリート造の建物。

老朽化してきたことからより小さな駅舎に建て替えられる予定です。

 

駅前にもかっぱがいっぱい。

 

さて、1時間の停車時間で何をするか、ですが…

遠野の観光名所は案外駅から離れていて、時間的に少し足りません。

 

ということで、観光案内所でお土産だけ買って駅に戻り、乗客がいないこの時間を使って車内を撮影することに。

前回車内紹介で上げた写真の大半が遠野で撮影したものです。

 

 

帰る途中、こんなポスターが。

「1974年7月中旬頃(中略)目撃されて以来、遠野市ではカッパが目撃されていません」

 

…まるでニホンカワウソかなにかみたいな書き方に思わず笑ってしまいました。

 

ホームに戻ると、すでに整備を終えたC58が客車に連結されていました。

 

車内を撮影~

 

しばらくすると隣のホームに列車が入ってきました。

こちらは花巻を約1時間30分あとに出てきた快速はまゆり53号。

ここでSL銀河を追い抜き、1時間以上先に釜石に到着します。

 

遠野では4分間の停車。SL銀河と「4分間の邂逅」…とれ~るとりっぷのまひろ先生が言ってましたね。

 

はまゆり53号を見送ったら再び車内へ。

 

れ~るとりっぷではこのころちょうどそらちゃんがまひろ先生に告白して百合っぷる成立!となるのですが、私はこの時間を利用してプラネタリウムを見に行こうと思います。

 

1号車プラネタリウムにやってきました。

 

プラネタリウムは整理券制。花巻停車中にもらっておきました。

投影時間は10分間。時刻は選べるのですが、釜石線の景色を見逃さないよう、遠野停車中を狙ってみました。

 

世界で初めて光学式プラネタリウムを車内に設置したというSL銀河。

プラネタリウム自体も他には「HIGHRAIL 1375」に設置されているのみとなっており貴重な体験です。

 

もし整理券が手に入らなかったとしても大丈夫。車内にあるQRコードを読み取れば、時間こそ短いですが、同じ映像を見ることができます。

 

なお、室内は撮影禁止になっているので写真はありません。

 

 

↑公式HPから引用しました。

 

室内はこんな感じで中央に映写機が設置されています。

プログラムは星空とともに銀河鉄道の夜の印象的なシーンが紹介されるというもの。

エンジンの振動が伝わってくる車内でプラネタリウムを見るのはなかなか新鮮な感覚でした。

 

…ときどき車内放送が聞こえてくるのが気になりますけど(笑)

 

 

プラネタリウムも終わり、列車はまもなく遠野を発車。

 

さあ、果てなき旅路へ~♪

 

…………

 

旅路へ~♪

 

…………

 

たび……あれ?

 

発車時刻になってもなぜか出発しません。

 

車内放送では「車内点検のため発車が遅れる」なんて言い始めました。

 

えぇっ…!?

 

いったいどうなるの…

 

SLとキハ141の協調運転

結局定刻から7分遅れて列車は発車しました。

車内放送によると、どうやら4号車の冷房が故障していたのが原因のようで、結局治らず当該車両の乗客は指定料金が払い戻しとなったようです。

ノースレインボーエクスプレスのニセコ号でも末期にはときどき冷房の故障があったようですが、やはり老朽車両、もういろいろと限界なのでしょうか…

 

車販でアイスを買ってきました。

スジャータのアイス、通称「シンカンセンスゴクカタイアイス」です。

ここはSL銀河なので「SL銀河スゴクカタイアイス」とでもなるのでしょうか?

 

新幹線に比べると柔らかいかもしれませんがそれでもカッチカチのアイスでした。

 

列車は足ヶ瀬駅に停車中。

運転停車です。

ここは停車駅ではありませんが、これからの仙人峠越えに備え、機関車の点検を行うための停車です。

 

ここからはキハ141系の出番。

釜石方面へは25パーミルの急勾配を下っていくことになるほか、長大トンネルが連続する区間になるため機関車のサポートを行うのです。

 

運転台には「SL補機」ランプ。

SL補機モードを作動させることで、ATSが「切」の状態でも力行できるようになっているとか。

なお、ブレーキ操作はC58側で一括して行うため、キハ141系ではブレーキハンドルは抜かれています。

 

 

さあ、いよいよ仙人峠区間です。

1950年までは索道で越えていた区間で、鉄道敷設に当たっては直接仙人峠に挑むのではなく、トンネルで栗ノ木峠を越えて気仙川流域へ、その後再びトンネルで土倉峠を越え、仙人峠東側斜面へ抜けるという迂回ルートを通ることとなりました。

 

 

列車はまず足ヶ瀬トンネルを過ぎ、上有住駅へと下っていきます。

 

上有住停車。快速はまゆりは通過する駅です。

この駅に付けられたエスペラント語駅名は「洞窟」を意味していますが、駅近くにある滝観洞という鍾乳洞にちなんでいます。

 

ホーム長が足りないため、4号車はドアカットされていました。

 

Ωループを通って

上有住を発車すると、すぐに土倉トンネルへ。

長いトンネルを抜け、さらに短いトンネルをいくつか抜けると仙人峠区間最大の見所が現れます。

 

それがこちら!

わかりにくいので拡大してみると…

 

線路です!

あれはこれから向かう釜石線の線路。

あんなに下に見えています。

勾配に弱い鉄道路線なのにどうやって降りていくのでしょうか?

 

その答えがオメガループ。

 


地図を見るとわかりますが、線路がまるで「Ω(オメガ)」のような形をしています。

全長1280m、半径250mの第二大橋トンネルで構成されたオメガループで高度を落として下っていくというわけです。

 

オメガループを下った列車は陸中大橋駅に停車しました。

 

この駅の近くにはかつて釜石鉱山という鉄鉱石の鉱山があり、現在では閉山……と思いましたが、調べてみると今でも研究用として少量の鉄鉱石(年間100トン程度)を採掘している現役の鉱山です。

 

大規模な採掘は1993年に終了しており、その当時の痕跡はこの陸中大橋駅にも残されています。

 

それがこちら。鉄鉱石を積み込むためのホッパーです。

以前はここから釜石製鉄所(現在の日本製鉄北日本製鉄所釜石地区)に向けて鉄鉱石の貨物輸送が行われており、釜石線だけでなく並行した釜石鉱山鉄道も走っていました。

現在は当時の賑わいはありませんが、かつて鉄鉱石を積み込んでいたホッパーだけがその当時の姿を物語っています。

 

もう1箇所残っているホッパー跡は観光案内の看板として再利用されていました。

 

隣に釜石からの快速はまゆり6号がやってきて止まりました。

ドアは開かない運転停車です。

 

快速はまゆり6号が去った後、こちらも発車しました。

 

鉄の街・釜石へ

陸中大橋を発車してすぐ、右側に赤い橋が見えました。

鬼ヶ沢橋梁です。

実はさっき釜石線の線路を見下ろしていた場所があの橋梁の上。

さっきまであんな高いところにいたんですね…

 

陸中大橋を出ると次は終点の釜石です。

 

 

だんだんと市街地の中に入ってきました。

 

やがて左から元・山田線で三陸鉄道に移管されたリアス線が寄り添ってきました。

 

アルプスの牧場のチャイムが流れ、まもなく釜石に到着と告げます。

 

15:10、定刻にSL銀河は終点の釜石に到着しました。

4時間34分の旅の終わりです。

 

ホームでは獅子舞…ではなく、伝統芸能の「虎舞」が出迎えてくれました。

 

ここまで牽引してくれたC58 239号機の写真を撮ってホームを後にしました。

 

長年乗りたいと思っていたSL銀河。

宮沢賢治の世界に触れながら釜石線を行く4時間30分の旅は思い出に残るものとなりました。

(個人的にはまひそらが百合っぷるになれた記念すべき列車に乗れたという達成感もあり…)

 

SL銀河は運行を終了しますが、C58 239の処遇は決まっていません。

できれば今後も末永く活躍して、そしてまた釜石線にやってくる機会があることを願いたいですね。

 

続きます。

 

 

★乗車データ

8621レ 快速SL銀河 釜石行き 花巻(10:36)→釜石(15:10)

C58 239+キハ143-701+キサハ144-701+キサハ144-702+キハ142-701

※2023年4月1日乗車

 

 

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※この記事は暫定版です

 

 

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