山あいの大鰐駅到着・ひっそり佇む弘南鉄道のレトロ電車【廃線危機の弘南鉄道大鰐線②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(弘南鉄道  大鰐駅)


★過去記事↓




弘南鉄道(弘南線、大鰐線)は、経営難により、特に経営が厳しい大鰐線廃止の意向を表明した。弘南鉄道沿線5市町村は、弘南鉄道へ令和3年度から10年間の長期的支援を実施。
このうち大鰐線(中央弘前〜大鰐)については、令和5年度の状況を見ながら、令和7年で支援を打切る方針であり、大鰐線は今まさに廃線の危機で余談を許さない。




弘南鉄道大鰐線の終着駅・大鰐へ
青森県のローカル私鉄、弘南鉄道大鰐線 中央弘前発・大鰐行き電車に乗車中


宿川原(しゅくがわら)駅




平川の対岸にはJR奥羽本線の線路が通る。


平川沿いを走る。



間もなく終点の大鰐駅


JR奥羽本線と合流。弘南鉄道は直流電化、JR奥羽本線は交流電化路線。

側線には、弘南鉄道大鰐線車両(7000系電車)が留置





終点の大鰐(おおわに)駅、17時04分到着
隣は、JR奥羽本線の大鰐温泉駅
弘南鉄道大鰐駅の一日平均利用客は約390人、対するJR奥羽本線大鰐温泉駅は約150人。



ホームの先端に継電器室がある。


側線の7000系電車
 
前面部に帯が無いため、東京急行電鉄時代を思い起こす。


到着した電車は、折返し、大鰐17時30分発・中央弘前行きに。


弘南鉄道大鰐駅は、1952年(昭和27年)1月26日に弘前電気鉄道の大鰐駅として開業。1970年(昭和45年)10月1日、弘前電気鉄道が弘南鉄道に譲渡され弘南大鰐駅に改称。1986年(昭和61年)4月1日、再び大鰐駅に改称。



弘南鉄道大鰐線の大鰐駅は4番線・5番線となる。JR奥羽本線大鰐温泉駅の1〜3番線に続く連番が振られている。



弘南鉄道の全車両は、全国で数少なくなった非冷房



十和田観光電鉄(青森県)が廃止になった今、弘南鉄道は東北地方北部では唯一の直流電化路線

かつて高度成長期時代に首都圏で活躍した元・東急車両が、雪深い青森県で今も活躍する。





弘前方面を望む。JR奥羽本線は真っ直ぐ線路が延び、弘南鉄道は右へカーブする。


東京急行電鉄時代の銘板がそのまま残る。

昭和39年製の首都圏の電車が、雪深い地で余生を送る。





5番線の終端部には弘南鉄道大鰐駅の北口駅舎がある。


レトロな発車案内の文字ランプが灯る。

こけし灯ろう。大鰐駅の6体のこけし灯ろうは2023年(令和5年)8月末まで。

この先には跨線橋の階段があり、弘南鉄道大鰐駅の南口駅舎やJR奥羽本線の大鰐温泉駅とを繋いでいる。

北口駅舎。駅舎から駅前に出るには、線路を回り込む左側の細い通路を歩く。



弘南鉄道大鰐駅とJR奥羽本線大鰐温泉駅を繋ぐ古い跨線橋。跨線橋には「弘南鉄道」と書かれており、JRの列車からもよく見える。


かつて、上野駅や大阪駅等から寝台特急「あけぼの」「日本海」等の夜行列車に乗り、雪深い大鰐温泉駅に到着すると、雪に埋もれた大鰐駅にひっそり佇む弘南鉄道のレトロな元・東急車が出迎えてくれた。

弘南鉄道の古い跨線橋の向こうにはJR奥羽本線の大鰐温泉駅ホームと駅舎。JR大鰐温泉駅駅舎のすぐ隣には弘南鉄道大鰐駅の小さな南口駅舎(無人)もある。



弘南鉄道大鰐駅の北口駅舎。平日の一部時間帯のみ有人となるが、その他は無人。


弘南鉄道大鰐駅北口出札



向こうのJR大鰐温泉駅ホームに、弘前駅からやってきた、17時20分発の臨時特急「弘前さくらまつり4号」秋田行きが到着



弘南鉄道大鰐駅 発車時刻表

幻想的なこけし灯ろうが点る。


弘南鉄道大鰐駅の小さな北口駅舎

弘南鉄道大鰐線ホームには、駅前からこの小さな通路を回り、弘南鉄道の北口駅舎から入るか、JR大鰐温泉駅舎側に隣接する弘南鉄道の南口駅舎から跨線橋を通り入る方法の2通りある。

弘南鉄道の電車(手前)と、JR特急電車(奥)





跨線橋から、JR奥羽本線上り秋田方面を望む。

山間部の小さな駅に、ローカル私鉄がひっそり佇む。左はJR奥羽本線の大鰐温泉駅、右は弘南鉄道大鰐線の大鰐駅



JR奥羽本線に乗換え
JR奥羽本線の普通列車に乗換える。JRの大鰐温泉駅は、元は大鰐駅だったが、1991年(平成3年)に大鰐温泉駅に改称


JR奥羽本線 碇ヶ関発弘前行き普通列車(701系電車)に乗車。大鰐温泉(おおわにおんせん)駅17時19分発車。

後方車窓





 
川向うに弘南鉄道大鰐線の架線が見える。


弘南鉄道大鰐線名物・石川陸橋をくぐる。



終点・弘前(ひろさき)駅、17時32分到着
JR奥羽本線だと、大鰐温泉駅から所要13分。



向こうには、弘南鉄道・弘南線の弘前駅がある。


弘南鉄道・弘南線の黒石行き普通列車が発車待ち。
元・東京急行電鉄7000系電車の中間車を先頭化改造した7000系電車が停車中。弘南鉄道の電車は今も全車両が非冷房


弘前駅でJR奥羽本線下り普通列車・青森行き(701系電車)に乗換え、帰宅の途につく。


弘南鉄道大鰐線の経営状況は、第三セクター鉄道を除く民営鉄道路線ではワースト3位、保守費用のかかる電気鉄道では最下位。長らく弘南線の黒字で大鰐線の赤字を埋めてきたが、近年は稼ぎどころの弘南線も赤字になり、弘南鉄道全体が厳しい経営環境に置かれている。







★動画↓↓


(終わり)