KATOのキハ85系は、1991年に発売されて以来、現在では三世代に亘る製品が存在します。各世代のセット製品については、内訳(品番・構成車種・車番)を以前に整理していました。

 

 

キハ85の非貫通車である0番台は、従来から保有の第二世代/第三世代の車両に加え、オークションで第一世代の車両も入手することが出来ましたので、上記とは異なる観点から比較してみることにします。

キハ85-0番台の、左側から第一世代製品,第二世代製品,第三世代製品です。

 

世代別に外観上の違いがあるのかを確認します。

正面に関しては、世代間での差異はないようです。

 

次は側面です。

第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)には何も標記はありませんが、第三世代製品(手前)には何か標記がされています。

 

第三世代製品には、運転台扉の左側にATS区分,台車の上に②位の標記がされていました。

 

反対側の側面も同様に、第三世代製品(手前)だけに標記がされています。

 

第三世代製品には、台車の上に①位,運転台扉の右側にATS区分の標記がされていました。

 

連結面側も同様に、第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)には何も標記がありませんが、第三世代製品(手前)には標記があり、その下部には床下機器も付いています。

 

第三世代製品にだけ、海ナコの所属標記とJRマークがあり、床下にはトイレの循環式汚物処理タンクが付いています。

 

車体の連結面には差異がありませんが、床下ではカプラー周辺に相違が見られます。カプラーは何れも台車マウントのKATOカプラーN・Bタイプ(灰)ですが、第一世代製品(左側)はカプラー本体のみ,第二世代製品(中間)ではジャンパー付のNJPBとなり、第三世代製品(右側)では更にトイレタンクが両側面に渡って付いています。

 

第一世代(奥側)~第三世代(手前)と、屋根上には差異は見られません。

 

床下は、第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)は同じ物ですが、第三世代製品(手前)だけ前半の機器部分の内側形状が異なっており、連結面(右端)のカプラーの柄部分にはトイレタンクが装着されています。このトイレタンクはASSYパーツで「キハ85 車端部床下機器」(品番Z06-1374)(→こちら)として販売されており、ジャンパー付のKATOカプラーNJPB(灰色は品番Z01K1119)であれば装着可能ですので、第一世代製品もジャンパー付カプラーに交換することにより装着できます。台車自体はカプラー形状を除けば、世代を問わず共通です。

 

第三世代製品(手前)の床下機器の一部がヘッドライト/テールライトのON/OFFスイッチのカバーを兼ねた蓋となっており着脱可能です。製品にはスイッチ板(品番Z04-5547)が装着されていないので常にON状態です。本来は、中間封じ込めとしても連結可能なキハ85-1100番台(貫通形先頭車)のライトをON/OFFするための機能を共通設計としたようです。

 

 

ボディと下回りを分解して内部の差異を確認します。

奥側から順番に第一世代製品~第三世代製品になります。ボディ自体は共通ですが、前面ライト関係のパーツに相違が見られます。

 

第一世代製品(奥側),第二世代製品(中程)は米粒電球対応の同一品です。第三世代製品(手前)からLED化されたことでライトケースの構造/寸法が変更になっています。

 

奥側から順番に第一世代製品~第三世代製品になります。座席パーツの取付構造が異なっており、第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)は、同一品で床板にネジ止め(前から5番目と6番目の座席の間に見える皿ネジ)、第三世代製品(手前)は座席パーツの側面6ヶ所ではめ込み式に変更されています。後部台車の止ネジが座席パーツと共締めとなっているのは全世代で共通です。また、第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)では、電球式室内灯が標準装備となっています。第三世代製品(手前)には室内灯が装着されておらず、オプションとして「LED室内灯クリアー キハ85系用」(品番11-223)が販売されています。

 

前面ライト用の光源です。第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)は、米粒電球仕様で床下に光が洩れないように床面に金属板が挿入されており、電球の放熱を兼ねているのかも知れません。第三世代製品(手前)では座席パーツの下に白色のチップLED2個が上下に装着され、LED の光の直進性から床面の遮光板は設けてありません。従って、第一世代製品(奥側)と第二世代製品(中程)をLED化する目的で、第三世代製品(手前)の床下セットを購入しても、ボディ側のライトケースの構成・形状・寸法が異なるため、LED化は出来ません。

 

米粒電球とLEDの点灯状態をご覧下さい。

LEDがハレーションを起こさない程度の電圧を給電。ヘッドライト用の米粒電球は左側が点灯、LEDは上側が点灯。

 

同様にLEDがハレーションを起こさない程度の電圧を給電。テールライト用の米粒電球は右側が点灯、LEDは下側が点灯。

 

ボディを被せて運用状態で点灯します。

電球仕様が薄暗いので12V給電でヘッドライトを点灯。電球仕様の第一世代製品(左側)と第二世代製品(中間)はテールライトに光漏れを起こしており、ヘッドサイン(シールは未貼付)も電球色での点灯となります。第三世代製品(右側)は、ヘッドライトは電球色、ヘッドサインは蛍光灯色(白色)で点灯しており、光漏れはありません。

 

同様に12V給電でテールライトを点灯。電球仕様の第一世代製品(左側)と第二世代製品(中間)はヘッドライトに光漏れを起こしていますが、LED方式の第三世代製品(右側)は光漏れはありません。改良の痕跡が歴然です。第三世代製品(右側)にも室内灯が欲しくなります。

 

今回は、非貫通形キハ85の世代間の差異を確認してみました。第一世代製品(品番10-316)と第二世代製品(品番10-401/402)とはパーツの混用が可能ですが、第三世代製品(品番10-1404/1405)とは台車本体以外は混用できないことが明確になりました。実は、今回の確認をしたのには伏線があってのこと、そちらの目途がついたら改めて投稿します。

 

【追記】 2023.10.11

貫通形のキハ85-100(第一/第二世代製品)とキハ85-1100番台(第三世代製品)についても比較してみました。(→こちら

 

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