既に1週間前の話題となってしまいましたが、JR四国の保有する8000系電車に二度目のリニューアル工事が実施されることになりました

8000系電車の量産車がお目見えしたのは、いまからちょうど30年前の1993年のことでした

 

8600系という後輩が既に存在していることや、車齢を考えると、あと5~6年は8000系を継続使用して、全面的に置き換えるものかと思っていましたが、JR四国が下した判断は8000系の再リニューアルでした

以前からJR四国のプレスリリースを読んでいると、このことを”匂わせる”文脈が散見されたので、さほど驚きはしませんでした

 

以下、8000系の第二次リニューアルについて、気になったポイントを挙げていきます

 

①エクステリアデザインの刷新

 

▲8000系電車の松山方先頭車両は鮮烈な赤が印象的

 

現行の8000系に施された塗装は、座席種別をカラーリングによって表現するというこれまでの鉄道車両にありそうでなかった手法が用いられています

利用者にどれだけ浸透しているかどうかは別にして、グリーン車=赤、指定席=オレンジ、自由席=青となっているため、ホームや車両の号車表示を見ることなく、座席種別を確認することができます

 

今回の第二次リニューアルでは、同じ区間を走行する8600系と同様の塗装へ変更することで、予讃線を走る電車特急として統一感を打ち出し、同車のコンセプトである「瀬戸の疾風」をより進化させたものになります

愛媛県の特産品である柑橘類をイメージしたオレンジ色と、香川県のオリーブをイメージしたグリーンを配色したデザインとなるわけですが、流線形の先頭車両はどことなくレールスターっぽさが感じられますね

 

②インテリアの全面的リニューアル

グリーン車指定席と普通車指定席については、2700系気動車で採用されている座席に交換され、コンセントも全ての座席に設置されます

現在は、普通車指定席の車端部にしか設置されていない…グリーン車でさえ一切見当たらない…ことを考えると、大幅に増設されることになります

 

普通車自由席については、今回の第二次リニューアルで予算の都合があったのか、イメージ図を見る限り、座席の交換は見送られることになったようです

L編成の4・5号車は、現行の普通車指定席に設置されているS-Seatが流用され、S編成の6・7号車はモケットの交換のみ行われます

 

これが災いして、自由席車では全座席にコンセントを用意することができず、窓側席だけの設置となります

コンセントについては、指定席と自由席で格差が生じることになりますが、同僚である8600系は全座席に設置されているので、せっかくのリニューアルなのに、この点が残念に思えてなりません

 

照明については、全車LEDによる間接照明となり、網棚にも灯具が埋め込まれ、近鉄の22600・16600系に近い仕上がりになりそうです

なお、L編成とS編成に1ヶ所ずつ残っていた和式トイレが洋式化されます

 

▲まさかのまさか自由席へ移設されることになったS-Seat

 

▲古さが目立つ自由席車も内装が刷新されることになった

 

③工事完了予定は2027年度

2027年度までには、すべての車両で工事を終える予定となっています

第一次リニューアルの時は、2004年から始まって2006年11月には工事を終えていたので、それと比べるとずいぶん気の長い話のような気もします

 

8600系の登場で少しはマシになったとはいえ、8000系は予備車が少ないことで有名なので、全般検査施工時に順次第二次リニューアルを施行していくことになるのでしょうね

「いしづち」用のS編成は今年の12月、「しおかぜ」用のL編成は来年の8月に、私たちの眼前にその生まれ変わった姿を披露してくれる予定です

 

進化した”SETOUCHI STREAM EXPRESS”の登場が楽しみですね