こんにちは。
今回は模型ネタです。
先日、うちの鉄道にもKATOのクモハ52(2次車)が入線しました。今回のセットは、飯田線で見られた前後が広窓のクモハ52で、中間に70系のサハ75を2輌挟んだ4輌編成となっています。どちらの形式もパッと見た感じがそれぞれそっくりなのですが、よく見るとしっかりと作り分けがなされていて、前回同様にとても素晴らしい出来栄えだと思います。
なお、流電の大まかなことについてはこちらをご覧ください。
それでは、見ていくことにします。写真はすべて入線整備前のものです。
①車体側面
クモハ52005(M車) 2-4位側(左が2位) 向き:辰野⇔豊橋
辰野方先頭車の側面の様子。狭窓の1次車に対して広窓になっているのが2次車の特徴で、その窓回りはノーシル・ノーヘッダーです。屋根は3輌ある2次車のうち唯一の普通屋根になっています。本来、辰野向きは偶数車なのですが、この005は方向転換されているため奇数車でありながら辰野向き(偶数向き)となっています。このため写真の2-4位側は電気側となっており、床下には抵抗器や主制御器などが並んでいます。
サハ75103 1-3位側(右が1位) 向き:辰野⇔豊橋
この形式は70系の仲間で、当時の飯田線では数少ない戦後生まれの車輛です。元々は横須賀線用の2等車サロ46として製造され、後の形式整理によりサロ75となりますが、同線の113系化による地方転出に伴い、格下げされ13輌がサハ75となりました。このうち神領区と豊橋区に移った9輌は3扉化され100番台となっています。この103はサロ75010を種車としており、屋根肩まで青15号で塗られているため張り上げ屋根のように見える、ベンチレーターは押込角丸形を8個装備、両端の扉の窓がHゴム支持、側面のサボ受けは3位側扉の右上幕板部と中央扉左側のシル下の2ヵ所にある等が特徴です。トイレは3位(辰野方)にあり、曇りガラスになっています。
サハ75102 1-3位側(右が1位) 向き:辰野⇔豊橋
103と同じく70系のサロ格下げのサハ75を後に3扉化した車両です。この102はサロ75007を種車としており、屋根は普通屋根、ベンチレーターは押込角形(箱型)を9個装備、両端の扉の窓は鉄枠押さえタイプ、側面のサボ受けは3位側扉の右上幕板部のみにある等が特徴となっています。トイレは103と同様に3位(辰野方)にあり、曇りガラスになっています。
クモハ52003(T車) 1-3位側(右が1位) 向き:辰野⇔豊橋
豊橋方の先頭車です。この003も2次車ということで広窓、窓回りはノーシル・ノーヘッダーとなっています。屋根は005が普通屋根に改装されているのに対し、003は張り上げ屋根のままです。写真の1-3位側は空気側となっていて、床下にはコンプレッサーやエアータンクなどが並んでいます。
②前面
左:クモハ52005(M車)、右:クモハ52003(T車)
そっくりに見える2両ですが、次の部分が作り分けられているようです。張り上げ屋根と普通屋根の違いによるおでこの雨樋の位置、ヘッドライト下の台座の有無(005は台座有り、003は台座の痕跡を再現、画像では陰になっていて良く見えませんねスミマセン)、助手席側窓下の快速表示器の有無、中央サボ枠の形状、ジャンパ栓の有無(まだ取付けていないので穴が開いています)、ジャンパ栓脇のステップの有無、等々…。私が気が付いたのは以上ですが他にもあるかも知れません。
③妻面
左がクモハ52003、右がクモハ52005。避雷器の位置、配管等のモールド、手すりの位置、ジャンパ栓受けの有無、銘板の枚数などが作り分けられています。
左写真:トイレの無い側(前位)の様子。左がサハ75103、右がサハ75102。右下のジャンパ栓
受けの台座の有無が作り分けられています。
右写真:トイレのある側(後位)の様子。左がサハ75103、右がサハ75102。どちらも妻面右上
にベンチレーターがモールドされています。右下には銘板、左下には局部検査票差しが
表現されています。
④台車・パンタ周り・付属パーツ
左写真:クモハ52005の台車DT13(M車用)の様子。
右写真:クモハ52003の台車DT13(T車用)の様子。
左写真:サハ75103の台車TR48の様子。
右写真:サハ75102の台車TR36の様子。
左写真:クモハ52のパンタグラフ周辺の様子。手前が003、奥が005。パンタグラフはともに
PS11。パンタ周りの配線のモールドや避雷器の位置などが作り分けられています。
右写真:付属パーツ類です。ジャンパー栓受けとケーブルが別パーツになっています。ケーブル
は黒で実感的です。
⑤上から見た様子
クモハ52003(手前)とクモハ52005(奥)を斜め上から見た様子。こうやって2輌を見比べると、張り上げ屋根と普通屋根の違いで印象がかなり変わることがお分かりになるかと思います。
サハ75103(奥)とサハ75102(手前)の後位側を斜め上から見た様子。屋根肩の形状、ベンチレーターの形状や個数が作り分けられています。102の方は洗面所の屋根にもベンチレーターがあります。同じ形式でもバリエーションがあって楽しいですね。
⑥走りについて
このセットではクモハ52005がM車となっており、スロットレスモーターを搭載したFW付き動力ユニットで、滑らかにとても良く走ります。特に低速での安定した走りが素晴らしいですね。音も静かです。トラクションタイヤは装備していませんが、これは他の飯田線シリーズの車両と同様です。進行方向により、ヘッドライト・テールライトが切り替わり点灯します。
なお、うちの鉄道ではTOMIXの線路を使用しているため、ポイントの誤作動を起こすことがあります。うちで確認されたのは渡り線(電動ポイント)を渡る際に切換部が中途半端な位置に動いてしまい後続車が脱線する現象です。今のところ手動ポイント通過時にはこの現象は見受けられません。常に起こるという訳でも無さそうなので、暫く様子を見ようと思っています。今後頻繁に起こるようだったら、対策としてホビセンの機能補助部品①増磁シートを購入しようかと思っています。
終わりに…
飯田線シリーズはこれがファイナルとのこと、ファンとしては寂しい限りです…(涙)。 KATOさん、流電や42系あたりは「タイプ」でも良いので、湘南色や快速色など色違いでバリエーション展開というのは如何でしょうか。折角作った金型の有効活用にもなると思いますし…。ご検討頂ければ嬉しく思います。そして、ここまでたくさん製品化して頂いたことに深く感謝いたします。今回も素晴らしい製品をありがとうございました。
参考資料
今回の記事を書くにあたって「NEKO MOOK 3926 写真とイラストで綴る戦前型国電(下)」「NEKO MOOK 3055 写真で綴る飯田線の旧型国電」「RM MODELS 329 2023年2月号」「ジェーアールアール 旧形国電ガイド」の4冊を参考にさせて頂きました。
今回は以上です。本日もご覧いただきまして、ありがとうございました。