ここにふるさとがある・鉄道の原風景が残る津軽鉄道【津軽鉄道さくら臨①】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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「湘南軽便鉄道」です。

本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。



(津軽鉄道  津軽五所川原駅)



新青森から五所川原へ
JR東北新幹線の新青森駅(青森県青森市)


新青森駅でJR奥羽本線に乗換え
新青森(しんあおもり)駅9時58分発・弘前行き普通列車は、この辺りを走る普通列車としては長編成の701系電車5両編成で車掌乗務の運用

川部(かわべ)駅10時29分着


ここ川部駅でJR五能線に乗換え
弘前からやってきた五能線普通列車が停車中。川部駅で進行方向が変わる。



川部駅10時38分発深浦行き普通列車

電気式気動車GV-E400系の2両編成で車掌乗務




川部駅から所要約30分、岩木山(津軽富士)を望みながらリンゴの花咲くリンゴ畑の中を駆け抜け、11時05分、五所川原(ごしょがわら)駅に到着。
ここで下車。


深浦行き普通列車は発車

本数の少ない五能線。五所川原を発着する定期列車は一日下り(川部、弘前方面)10本、上り(鰺ヶ沢、深浦、東能代方面)9本しかない。(観光列車の快速「リゾートしらかみ」3往復を除く)

五能線の鰺ヶ沢〜深浦〜能代間はさらに本数が少なくなる。



列車本数が少ないため、一日3本運転される全席指定の観光列車・快速「リゾートしらかみ」は地元住民の足にもなっている。

五所川原駅は、本州最北の民営鉄道・津軽鉄道の乗換え駅


右奥に津軽鉄道の津軽五所川原駅が見える。通路や跨線橋はJR東日本と共用だが、駅舎や改札は異なり、駅名も異なる。ホーム番号は、JRが1.2番線、津軽鉄道は3番線となる。

津軽鉄道のホームには、JRの跨線橋を通りさらにその奥に繋がる津軽鉄道の古い跨線橋を通って向かうことになる。

3両編成の津軽鉄道の「津軽21形」軽快型気動車(愛称「走れメロス」)が停車中

2023年(令和5年)4月中下旬は津軽鉄道沿線にある青森県立芦野公園の桜が満開になり、乗客が増えるため、毎年、津軽鉄道ではさくらまつり臨時ダイヤを実施。

さくらまつり臨時ダイヤ期間中は、津軽鉄道の全車両がフル稼働し、普通気動車が3両編成で運転されたり、旧型客車列車も動員される一年で最も忙しい時期。

JR五能線構内の奥に、津軽鉄道の駅構内や機関区が見える。

JRの跨線橋の奥に津軽鉄道の跨線橋が続く。JRより古い跨線橋。

津軽鉄道に乗るにはJR五所川原駅構内を通り抜ける必要があるが、駅舎や改札はJRと津軽鉄道それぞれ別々にある。




津軽鉄道 津軽鉄道線へ
JR五能線の五所川原駅舎


駅向かいには、レトロな建物の弘南バス五所川原駅前案内所。路線バスや東京・横浜方面への高速バスが発着する。

弘南バスが発車待ち。発車の際には乗り場のベルが鳴る。


JR五所川原駅舎(右手前)の左奥に、JRより一回り小さな津軽鉄道の津軽五所川原駅舎が見える。一番左側の工事中の建物は津軽鉄道本社社屋

津軽鉄道 津軽五所川原駅舎


レトロな佇まい。

津軽鉄道の社紋が掲げられている。


「ここにふるさとがある」

「心に響く風景と出会い」

津軽五所川原駅舎の隣には、津軽鉄道本社社屋

津軽鉄道本社社屋内には地域交流施設「サン・じゃらっと」があり、コミュニティカフェ「でる・そ〜れ」では食事や喫茶などもできる。

土産品や弁当なども販売している。


津軽鉄道本社社屋もレトロな建物であるが、このときはちょうど工事中で鉄骨の足場が組まれていた。

津軽鉄道本社入口


津軽五所川原駅舎

JRは「五所川原」駅を名乗るのに対し、津軽鉄道では「津軽五所川原」駅を名乗る。

駅舎脇にも改札口がある。



駅舎内には乗車券売り場や売店がある。


切符売り場。窓口で硬券の切符を購入する。


津軽鉄道では、「ストーブ列車」「鈴虫列車」「風鈴列車」を走らせ、季節ごとに長閑なローカル線の旅を楽しめる。


レトロな窓口の切符売り場



ガラス窓にもかつての旅客運賃の記載が残っていた。


駅舎内にある津軽五所川原駅売店

津軽鉄道線沿線は、小説家・太宰治や、歌手・作曲家の吉幾三の出身地


待合所と改札口

冬は雪深く寒い地のため、待合所には石油ストーブか設置されている。




縦書き手書きの発車時刻表

一日12本。うち3本は毘沙門駅・川倉駅・深郷田駅を通過。最終列車は20時と早い。


津軽五所川原駅の改札口からホームへ。


経営が厳しい現状を啓発するポスター。「津軽鉄道はまだ大丈夫  そう思っていませんか?」。小さな赤字ローカル私鉄は今、どこも廃線の危機にある。



JR五所川原駅の駅舎に隣接する津軽鉄道・津軽五所川原駅の駅舎・改札口(ホーム側)


改札口を入ると、いったんJR五所川原駅構内の通路や跨線橋を通り、津軽鉄道線が発車する3番線「津軽五所川原駅」へ。

JRの跨線橋を渡り、その奥に続く津軽鉄道の跨線橋へ。


津軽21形気動車+旧型客車編成の列車が津軽五所川原駅に到着

気動車を外して1両の旧型客車だけが残る。この後、旧型客車とディーゼル機関車を連結し、ディーゼル機関車+客車2両の編成に組成する。

手書きの路線案内板

津軽鉄道線のホームへ。

列車が発着するのは3番線ホーム。隣の4番線ホームは使われていない。

ホームにはタブレットキャリア
津軽鉄道線の津軽五所川原〜金木間は、今もタブレット閉塞式、金木〜津軽中里間はスタフ閉塞式。日本で唯一、今も腕木式信号機を使う路線。

使われていない4番線には、ワム1形有蓋貨車5号が留置。1929年(昭和4年)日本車輌製。国鉄ワム1形に準ずる設計。



形式番号の下の二重線は、国鉄に直通する貨車を表していた。

現役や引退した古い車両がいろいろ揃う。




これから運用に入る、ディーゼル機関車に牽引された旧型客車が、3番線に転線のため、4番線を発車。


留置線にも旧型客車



キハ22形気動車
JR東日本から譲受した国鉄型気動車。現在は廃車になり津軽五所川原に留置。老朽化が著しい。

キハ22形は、国鉄キハ20形の極寒地仕様の気動車で、二重窓やデッキを備える。



推進運転で、客車+ディーゼル機関車編成が3番線に入線

オハフ33形旧型客車「オハフ33 1」
1948年(昭和23年)新潟鐵工所製。元・国鉄オハフ33 520→オハフ33  2520。1983年(昭和58年)国鉄から譲受。牽引するディーゼル機関車に暖房用蒸気供給設備がないため、客車にはダルマストーブが設置され、冬は「ストーブ列車」として人気を博す。



オハ46形旧型客車「オハ46 2」
1954年(昭和29年)製。元・国鉄オハ46 2612。1983年(昭和58年)国鉄から譲受。牽引するディーゼル機関車に暖房用蒸気供給設備がないため、客車にはダルマストーブが設置され、冬は「ストーブ列車」として使用。

オハ46 2は、この日は団体客専用



DD350形DD352号機
1959年(昭和34年)新潟鐵工所製のディーゼル機関車。珍しいロッド駆動式。



津軽五所川原駅に隣接する津軽五所川原機関区

3番線には、ディーゼル機関車+旧型客車2両で組成された、津軽五所川原発・津軽中里行き普通列車が発車を待つ。

側線には古典貨車が並ぶ。

タム500形タンク車501号
元国鉄タム2848で、1956年(昭和31年)製造。現在は稼働していない。

トム1形無蓋貨車1号
1929年(昭和4年)製。国鉄トム1形の同形車。




キ100形雪かき車101号機
1933年(昭和8年)に鉄道省大宮工場で製造された元国鉄キ120。1967年(昭和42年)津軽鉄道に譲渡。弘南鉄道(青森県)とともに戦前製の除雪車が今も生きる。

後ろ姿







ナハフ1200形客車
1928年(昭和3年)川崎造船所で製造された元西武鉄道151系電車。西武鉄道から津軽鉄道に譲渡後、運転台撤去し客車化改造。現在は引退し津軽五所川原駅に留置。

長年風雨に晒されていたため塗装の剥げなど劣化が著しい。






津軽鉄道さくら臨時ダイヤ
津軽鉄道では、青森県立芦野公園さくらまつり期間中、さくら臨時ダイヤが実施され、一部列車を機関車+旧型客車の組成で運行。
運転日:2023年(令和5年)4月22日(土)〜30日(日)
時刻:津軽五所川原12時20分発→津軽中里13時08分着
津軽中里13時37分発→津軽五所川原14時22分着
津軽五所川原14時40分発→津軽中里15時25分着
津軽中里15時54分発→津軽五所川原16時38分着
※この他、気動車+旧型客車1両で組成された列車も運転





★動画↓↓




※2023年(令和5年)4月下旬


(続く)