本日は「東京~名古屋間の列車所要時間を調べてみた」第3回目として1964年10月の東京駅にスポットを当ててみたいと思います。いよいよ東海道新幹線が開通し,高速大量輸送時代の幕開けとなりました。これに伴い,東海道本線では山陽・九州方面直通の昼行特急は廃止されました。

 それでは,午前中に東京駅を出発する名古屋方面直通の列車を各種別ごとに見ていきましょう。

 

・普通列車

列車番号:321M

05:20発 名古屋行き(川崎通過)

【主要駅発着時刻】

横浜   05:48着 05:49発

小田原 06:48着 06:49発

熱海   07:14着 07:21発

沼津   07:45着 07:55発

静岡   09:04着 09:10発

浜松   10:43着 10:48発

豊橋   11:31着 11:35発

名古屋 13:10着

所要時間:7時間50分(途中駅停車時間を含む)

 

・準急列車

列車番号:301M

07:20発 名古屋行き「東海1号」

停車駅:新橋・品川・横浜・大船・小田原・湯河原・熱海・三島・沼津・富士・清水・静岡・焼津・島田・袋井・浜松・豊橋・蒲郡・岡崎・安城・刈谷・熱田・名古屋

【主要駅発着時刻】

横浜   07:45着 07:46発

小田原  08:37着 08:38発

熱海   08:57着 08:59発

沼津   09:18着 09:21発

静岡   10:06着 10:08発

浜松   11:11着 11:13発

豊橋   11:44着 11:45発

名古屋  12:45着

所要時間:5時間25分(途中駅停車時間を含む)

 

・急行列車

列車番号:101M

08:30発 大阪行き「六甲」

停車駅:品川・横浜・大船・小田原・湯河原・熱海・三島・沼津・清水・静岡・島田・浜松・豊橋・蒲郡・刈谷・名古屋・尾張一宮・岐阜・大垣・彦根・大津・京都・大阪

【主要駅発着時刻】

横浜   08:54着 08:55発

小田原  09:40着 09:41発

熱海   10:01着 10:02発

沼津   10:21着 10:22発

静岡   11:01着 11:03発

浜松   11:58着 12:00発

豊橋   12:29着 12:30発

名古屋  13:27着

所要時間:名古屋まで4時間57分(途中駅停車時間を含む)

 

【新幹線】

列車番号:1A

06:00発 新大阪行き「ひかり1号」

停車駅:名古屋・京都・新大阪

【発着時刻】

名古屋  08:29発

京都    09:34着

新大阪  10:00着

所要時間:名古屋まで2時間29分

 

列車番号:101A

06:30発 新大阪行き「こだま101号」

停車駅:新横浜・小田原・熱海・静岡・浜松・豊橋・名古屋・岐阜羽島・米原・京都・新大阪

【発着時刻】

新横浜  06:49発

小田原  07:15発

熱海    07:28発

静岡    08:05発

浜松    08:47発

豊橋    09:09発

名古屋  09:45発

所要時間:名古屋まで3時間15分

 

 それでは,名古屋までの所要時間を前回記事(1964年9月のダイヤ)と比べてみたいと思います。

【普通列車】 

1964年9月:8時間14分(途中駅停車時間を含む)

1964年10月:7時間50分(途中駅停車時間を含む)

【準急列車】

「東海1号」

1964年9月:5時間34分(途中駅停車時間を含む)

1964年10月:5時間25分(途中駅停車時間を含む)

【急行列車】

「六甲」

1964年9月:4時間57分(途中駅停車時間を含む)

1964年10月:4時間57分(途中駅停車時間を含む)

【特急列車と新幹線】

1964年9月「第1こだま」:4時間13分(途中駅停車時間を含む)

1964年10月 新幹線「こだま101号」:3時間15分(途中駅停車時間を含む)

1964年10月 新幹線「ひかり1号」:2時間29分

 

 上記の如く比較してみると,新幹線開業によって昼行特急が廃止されたことで,普通列車や準急列車における特急列車との接続待ち合わせ,通過待ちが無くなり,その分,時間短縮が図られたと考えられます。急行列車については新幹線開業の前と後でも全体の所要時間は変わりませんでした。

 在来線特急列車から新幹線への時間短縮効果は絶大であることが読み取れます。4時間13分かかった名古屋までの所要時間が新幹線「こだま101号」で3時間15分,同「ひかり1号」で2時間29分というわけですから,新幹線の速達性は明白です。

 

時刻表データの出典:『時刻表完全復刻版 1964年10月号』(JTBパブリッシング・2019年)