さあ、複雑な思いを一緒に乗せて「あしかが大藤まつり号」は走り出した。
▶︎185系の旅。大船発車
久しぶりのMT54の唸り。
乗りながら聴くと、やはり格別なものがある。
懐かしいチャイムも鳴り、旅に出る気持ちが高揚してくる。
ただ、踊り子時代より走りは緩く、良く言えばマイペースである。
横須賀線に一度追い抜かれてみたり、結構な緩やか感。
…さて車内は、座席には特急である故にヘッドカバーが取り付けられている。
快速と特急の違いは、これくらいしかないw
これで+2,600円というのは、やはり現代の時代感覚ではなかなかに厳しいものがあるか。
鉄道趣味どっぷりな人ならさにあらず、一般利用の人はどう感じるのだろう?
まぁ、自分も鉄道趣味人ではあるが、それはこの旅の前からずっと感じることだった。
そして乗り続けば乗り続けるほど、その疑念は深みを増していくのである。
…さて、今回の特急「あしかが大藤まつり号」、以前の快速時代との相違を上げていけば…
横浜〜品川間は東海道線経由。
以前は武蔵小杉停車の関係もあって横浜駅手前から横須賀線に転線、品川手前まで走っていたが
今回は東海道線経由で、そのまま7番線に発着して北上していく。
さらに今回は、それだけではない。
東京都内は全通過扱い!!
横浜を出ると、次の停車駅はなんと浦和。
ダイヤ上は、川崎はともかく品川も、新橋も、赤羽も通過となるのだ。
しかも東京も、上野も客扱いをしない。
完全に東京都内をスルーするという、極めて異例な多客臨時列車になった。
厳密に言うと往路は東京、復路は上野で運転停車をするが…
少し前なら回送列車以外あり得なかったターミナル通過を、乗りながら体感できることとなる。
それにしても、快速時代に比べて通過駅が増えたため車内の往来は格段に少なくなった。
ただ、少なくなった分動きが目立つということに注意を払う必要がある。
特に先頭車はその目立ちが顕著なようで、後刻それがもたらしたある出来事に立腹することに。
そして、9:59。
東京駅7番線に到着。
ここでは乗務員交代があるために運転停車となったが、ドアが開かないのは初の経験に。
東京駅初利用以来うん十年、必ず乗るか降りるかが必須だったから不思議な感覚だ。
(山手線・京浜東北線や上野東京ラインは通るだけでも必ず停車はしたからね)
そして、上野東京ライン区間に突入。
今回も35‰の上り勾配を、加速をつけて順調に駆け上って…
と思ったが。
登り切るまでにスピードがガクリと落ち、徐行運転になってしまった。
どうやら、高崎線人身事故の影響をいよいよ受け始めたようであった。
普通列車はそれぞれ東京・上野で折り返し運転となっていたが…
ここからしばらく、速度が上がったり下がったり一進一退の動きを取ることになる。
そんな中、勾配を駆け下りて再びスピードが上がり始め…
並走する山手線とデットヒートしながら…
10:05、上野駅通過!
絶妙にスピードを保ちながら、堂々5番線を通過していった。
そして、場内を出るとまた減速…
ことに尾久付近でのノロノロ具合は凄く、ジリジリ遅延が積み重なっていったのだった。
…しかし、遅延も悪いことばかりではなく…
レインボーカラーのEF81 95が見えたなぁと思ったら…
E655系がDE10に押されて構内入換している?!
そんな不思議な風景を見られたのは、遅延していたからこそ。
定刻で走っていたら、見られなかったかも…な極めてレアな遭遇。
こんなことも往々にあるから、乗り鉄は面白いのである。