青森県の八戸線を走るレストラン列車「TOHOKU-EMOTION (東北エモーション)」に乗車。まるでレストランのようなおしゃれな列車で、東北の食材を使ったコースを頂きました!
*2022年12月の情報を基に作成しています
まるで走るレストラン
旅のスタートは青森県の「八戸駅」から。東京を7時32分発の「はやぶさ5号」に乗るのがベスト。
ホームに降りると、すでに「東北エモーション」が停車していました!
真っ白なボディにレストランをイメージさせるデザインがかわいい!
入口となる2号車の扉の前には赤い絨毯が!
扉の上にはレストランの入口のような装飾がされていました。細かなところまでこだわりが凄い!では、車内へ。
おぉー!すごい!まず乗車した2号車は「ライブキッチンスペース車両」と言って、1両全てがキッチンになっています。
客席があるのは1号車と3号車。往路は1号車のコンパートメント個室の席を取りました。
革張りのソファーに大きなテーブルを備え付けた、贅沢なプライベート空間。
個室にはクローゼットまで完備されています。冬の重装備にはありがたい。
「テーブルの下の引き出しにおみやげがございます」とアテンダントさん。引き出しを開けてみると…
中には「東北エモーション」のロゴが入ったトートバッグが!お弁当を入れるのにちょうどいいサイズ!
東京・池尻大橋「Lien」のシェフ監修のフルコース
さて今回往路でいただけるのは、青森県出身で青森の食材にこだわった料理を提供している、東京・池尻大橋の「Lien(リエン)」のシェフ上原浩一氏の監修。
まずはウェルカムドリンクの、ノンアルコールのりんごシードルで乾杯。
[前菜]秋野菜のマリネ、秋刀魚のエスカベッシュ、フロマージュドテッド、酒粕のシフォンケーキ、玉ねぎのムース
色鮮やかなカリフラワーなど、秋野菜のマリネ。
秋の味覚の秋刀魚は、揚げて酢漬けにしたエスカベッシュ。
フロマージュドテッドは豚肉の煮凝りのテリーヌで、フランスの伝統的なシャルクトリー。
酒粕のシフォンケーキ。酒粕の香りに葱の風味がアクセント。
玉ねぎの風味と甘みが詰まったムース。
[魚料理]真鯛のムニエル キノコのクリームスープ仕立て
ふっくらと柔らかくムニエルされた真鯛。スープは、椎茸、舞茸、黒トリュフといった香り高いキノコの旨みが詰まったクリームスープ。アクセントにカシューナッツが効いています。
食事がひと息ついた所で隣の2号車へ。ライブキッチンスペース車両では、メインディッシュの準備の真っ最中。
キッチンは、クッキングヒーターやコンベンションオーブンまで完備された本格的なもの。ライブキッチンの名の通り、目の前で調理の様子を見学することができます。
[メインディッシュ]鴨むね肉のロースト
肉厚な鴨肉はしっとり柔らかく、上品な旨みが広がります。ソースはポルト酒と赤ワインを使ったコクのあるソースで、肉の美味しさを引き立てます。添えられた野菜の中でも、甘くてホクホクなシルクスイートは美味。
[プティ・フール]ウォッシュチーズケーキ、ホワイトエッグのプリン、イチジクの赤ワイン煮ゼリー
まるで玉手箱のようなボックスを開けると、中にはかわいらしいスイーツが3種類。ドライフルーツがのった、濃厚なチーズケーキ。
米を主原料とした餌を与える事で黄身が白くなったホワイトエッグを使った、真っ白なプリン。
イチジクの甘みに、芳醇な赤ワインの風味が広がるゼリー。
三陸の海岸沿いを走る列車
美味しい食事をいただいていると、やがて車窓には海が見えてきました!
見えてきたのは、国の天然記念物に指定されている蕪島。毎年3月から8月頃までウミネコが飛来し子育てを行います。その数はなんと3万羽から4万羽と言われているそう!
「東北エモーション」が走る八戸線は、三陸の海岸沿いを行く風光明媚な路線。
海がきれいに見えるスポットではゆっくり走行したり、一旦停車までしてくれます。
列車に揺られて美味しい料理をいただきながら、車窓に広がる三陸の海を眺める。まさに非日常のひととき。
沿線では、こちらに向かって手を振ってくれる地元の皆さんの姿が!嬉しいですね!
久慈川を渡ると、まもなく終点です。
久慈は世界有数の琥珀の産地
八戸から約2時間。列車は終点「久慈駅」に到着。
ホームでは地元の皆さんが大漁旗を振ってお出迎え!
「久慈駅」は「東北エモーション」の運行に合わせて、2013年にリニューアルされました。
JRの久慈駅の隣には、三陸鉄道の久慈駅の駅舎が。ここから南へは三陸鉄道の線路が釜石・宮古を通り、大船渡市の盛まで伸びます。
復路の発車までは約1時間あります。駅から徒歩約5分のところにある「道の駅くじ」に足を伸ばしてみました。
ここ久慈は、世界有数の琥珀の産地。琥珀は太古の植物のヤニが化石化してできたもので、自然素材の宝石として親しまれています。道の駅にもたくさんの琥珀を使ってアクセサリーなどが並んでいました。
ホテルメトロポリタン盛岡のデザートブッフェ
再び「久慈駅」に戻ってきました。復路の「東北エモーション」は、久慈を14時18分に発車します。
ホームでは地元の皆さんが横断幕を持ってお見送り!
2号車のライブキッチンスペース車両では、すでにスイーツの準備の真っ最中。楽しみ!
復路の席は、3号車のオープンダイニング車両をチョイス。
まるで高級レストランのような落ち着いた空間。床は青森のこぎん刺し、照明は岩手の琥珀など、地元の伝統工芸をモチーフとしているそう。
この日は空いていたので、海側の4人掛け席を案内してくれました。心配りが嬉しいですね!
復路でいただけるのは、ホテルメトロポリタン盛岡の熊谷崇氏監修のデザートブッフェ。
ブッフェの前に、まずはデザートのアソートプレートが登場。
サクサクのシュー生地にマロンクリームが詰まったプチシュー。
東北エモーションのロゴがデザインされたホワイトチョコレートと、洋梨のババロア。
さっぱり爽やかなカシスシャーベット。
アソートプレートのあとは、いよいよデザートブッフェ。メニュー表の中から好きなものを座席でオーダーする、オーダーブッフェ形式になっています。
デザートは全部で6種類。まずは6種類全部オーダーしました。どれも美味しそう!
りんごのキャラメリゼがのったNYチーズケーキ、苺やブルーベリーなど赤い果実のタルト、苺のパンナコッタなど、どのデザートも美味しい!もちろんこの後は、好きなデザートをおかわり。ちなみに、ジュースやコーヒー、紅茶など、ドリンクも飲み放題です。
デザートの他に、オードブルも4種類用意されています。
飲み放題のドリンクにはアルコールも含まれているので、お酒を飲みながら旅を楽しむこともできるのです。
年4回メニューが変わる東北エモーション
ゆったりとした時間が流れる車内。
空はだんだんとオレンジ色に染まってきました。
昼間とはまた違った車窓が広がります。
ウミネコの繁殖地、蕪島を過ぎると列車は八戸市内へ。終点八戸はまもなくです。
16時1分。列車は終点「八戸駅」に到着。料理の美味しさはもちろん、車窓の美しさも印象的。海沿いの区間はゆっくり走ってくれるので、海を眺めながら優雅なひと時が過ごすことができました。「東北エモーション」でいただける料理は年2回担当シェフが変わり、メニュー内容は4回変わるそう。何度もリピートしたくなりますね!皆さんもぜひ「東北エモーション」に乗車してみては!
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