わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#3]東日本の新幹線網を駆使して関東突入!【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

▼前回の記事はこちら

watakawa.hatenablog.com

▼ルールはこちら

 

2023年5月1日(月)

残り 84時間40分

苫小牧から「シルバーフェリー」を利用し、一晩かけて本州へと上陸。2日目は、青森県八戸から旅がスタートします。

八戸港からシャトルバスを利用し、6時20分に八戸駅へと到着。この地域のターミナル駅で、東北新幹線青い森鉄道・JR八戸線が乗り入れます。

それまで開業から20年間に渡り盛岡止まりだった東北新幹線がこの地へ延伸されたのは、2002年のこと。その後2010年に新青森へと延伸されるまでの8年間、ここ八戸は東北新幹線の終着駅となっていました。

というわけで、私も有り難くその新幹線の恩恵にあずかりたいと思います。

乗車するのは、八戸6時42分の〔はやぶさ4号〕東京行青森県内から東京方面へと向かう上り〔はやぶさ〕の朝一番の列車となります。

12番線ホームで待っていると、列車が入線してきました。おなじみ10両編成のE5系です。カッコいい!

今企画のルールでは、新幹線や特急といった優等列車の利用に関する制限や制約は設けていません。一方で「100時間以内のゴール」という時間の制限がありますので、新幹線や特急列車の利用ができる区間では積極的に利用していこうと思います。

6時42分、定刻通りに八戸駅を発車。本日は祝日と祝日に挟まれた平日ということもあってか、車内は特に混雑している様子もなく、穏やかな朝を迎えています。

はやぶさ〕〔はやて〕は全ての列車が全車指定席となっており、自由席の設定はありません。東京~盛岡駅間では自由席を連結した〔やまびこ〕が運行されている一方、盛岡~新函館北斗駅間では〔はやぶさ〕〔はやて〕のみの運行のため、盛岡以北の新幹線には自由席が存在しません

これに対する救済措置として、同区間では正規の指定席料金よりも安い「特定特急券」というものが発売されており、列車および座席の指定が行えない代わりに正規の指定席特急料金よりも安い値段で指定席の空席を利用できるようになっています。もちろん、正規に座席の予約をしている乗客が来た際には他の席へ移動しなければいけません。

八戸~盛岡駅間の特定特急券1,870円ですが、同区間で正規の指定席特急券を購入した場合は+530円(通常期)のため本来2,400円かかります。しかもこの日は通常期ではなく最繁忙期にあたるため、さらに+400円の上乗せとなり2,800円。たかだか30分ほどの乗車で1,000円近く節約できるのですから、これを使わない手はありません。

今回乗車している〔はやぶさ4号〕については途中にある二戸といわて沼宮内を通過するため、八戸を発車した時点で空いている席は盛岡まで誰も利用しないことになりますので安心です。

朝ごはんに、八戸駅NewDaysで購入した青森名物「イギリストースト」をいただきます。「トースト」と言ってもパンが焼かれているわけではなく、シュガーマーガリンをたっぷり塗ってサンドした食パンです。

ほっと一息…つく間もなく、盛岡の街並みが見えてきました。在来線(青い森鉄道IGRいわて銀河鉄道)だと2時間近くかかる距離をたったの30分ほどで移動できてしまう新幹線は本当に偉大です。

7時10分、列車は盛岡駅へと到着。この列車は〔こまち〕との連結を行わず、〔はやぶさ〕単独で東京へと向かっていくようです。

岩手県の県庁所在地である盛岡市の人口は約28.6万人で、残念ながら50万人には遠くおよびません。しかし1982年の時点で新幹線も開業しており、岩手県内における経済や文化の中心都市であることもまた間違いありません。

次なる関門は「仙台市」と「新潟市」です。

仙台市は言わずと知れた東北地方最大都市で、その人口は驚異の約109.9万人を誇ります。先ほどまで〔はやぶさ4号〕に乗車していましたが、あの列車は盛岡を出ると次の停車駅が仙台でしたので、降り遅れるとすぐにゲームオーバーとなるところでした。

仙台市宮城県の中央部分で東西方向に広く、鉄道・高速バスいずれの場合であっても「宮城県を南北に縦断する」=「仙台市を通る」ということになります。すなわち仙台市を回避するためには、宮城県そのものを回避しなければいけません

また新潟市も人口約77.9万人を誇り、日本海側で最大の都市と言えるでしょう。日本海側を縦貫するメインルートとしては羽越本線があり、南下していくと新潟市に入る手前の新発田で二手に分かれます。新潟方面へと向かう「白新線」がすぐに新潟市内へ入ってしまうため即アウト、新津方面へ引き続き羽越本線を使う場合でも新津駅自体が新潟市内のため回避することができません(五泉駅方面への路線バスが存在するようですが、「100時間以内」のタイムリミットがあることを考えるとあまり得策とはいえません)。

ひとまず朝食がイギリストーストだけでは少ないので、盛岡駅の新幹線南改札近くにある「そば処はやて」で「わかめそば」をいただきます。三陸産わかめをたっぷり使用していてお値段たったの490円、これは大満足です。

期間限定で冷麺の提供もあったようですが、タイミングが悪かったのか私が訪問した際は取り扱いがありませんでした。

ちなみに盛岡は、ニューヨークタイムズ紙「2023年に行くべき52ヵ所」に選出されたことでも大きな話題となりました。今回はあいにく時間がありませんが、また機会があればじっくり観光してみたいところです。

とりあえず、このまま東北新幹線で南下するわけにもいかないので、いったん西へ進むことにします。

乗車するのは、盛岡7時58分発の〔こまち95号〕秋田行。終点の秋田まで乗ってしまうとそこから先は羽越本線を南下するくらいしかルートがなくなってしまうので、手前の大曲で降りてみようと思います。

〔こまち95号〕は〔はやぶさ95号〕と連結した状態で盛岡駅に入線します。切り離し作業が行われ、先に〔こまち95号〕が秋田へ向け発車、その後を追うように〔はやぶさ95号〕が北海道へ向け発車します。

秋田新幹線〔こまち〕に使用されるのはE6系(7両編成)。従来のE3系を置き換える目的で2013年に〔スーパーこまち〕としてデビューし、その1年後のダイヤ改正から秋田新幹線全列車がE6系〔こまち〕へと統一されました。鼻が長くE5系とも似ていますが、E6系に関してはもちろん在来線の規格にあわせて造られた「ミニ新幹線」です。

車輪の幅は新幹線と同じ標準軌(1,435mm)ですが車体は在来線規格のため、新幹線ホームから発車する際には渡り板が各乗車口の足元から出てきます。発車後すぐに収納される仕組みになっており、在来線区間では使用されません。

車体の大きさが在来線と同等のため、普通車の座席も2+2列の配置になっています。車内にいても空間が少し小さいことを感じ、E5系とは雰囲気が異なります。

いざ乗り込み、列車は定刻通りに盛岡駅を発車。すぐに新函館北斗方面の線路と分かれ、だんだん地上へと降りていきます。

地上を走る在来線の田沢湖線と合流し、ここからはずっと地上区間が続きます。新幹線(風)の車両に乗っているにもかかわらず地上の車窓が続くのは少し不思議な感覚ですが、右手にしばらく見える岩手山はそんな違和感をも吹き飛ばしてくれるほどの美しさです。

はやぶさ〕と同じく〔こまち〕も全車指定席ですが、盛岡~秋田駅間では同様に特定特急券の制度があります。これを利用すると盛岡から大曲までの特急料金はたったの1,130円で、乗車時間は八戸~盛岡よりも長いためお得に新幹線(風)車両を楽しむことができます。

在来線区間において〔こまち〕の所要時間増大の一因ともなっているのが、途中駅や途中信号場での列車の行き違いです。田沢湖線は単線のため列車の行き違いをしばしば行う必要があり、普通列車よりも〔こまち〕の方が圧倒的に本数が多いため〔こまち〕どうしの行き違いが多く発生します。

雫石駅は通過し、長いトンネルを抜けて列車は田沢湖駅に到着。既に秋田県内へと入っており、駅名の通りすぐ近くには田沢湖があります。

沿線では伐採した木材が加工され高く積み上げられた光景も見ることができ、新幹線の車窓から眺める風景にしてはなかなかにダイナミックです。

平坦な区間では山間部と比べ比較的スピードを出すこともありますが、それでも最高速度は130km/h。宇都宮~盛岡駅間の最高速度(320km/h)の半分以下です。

秋田内陸縦貫鉄道と合流する角館駅にも停車。その後新幹線は客扱い停車を行わないはずの羽後長野駅でも東京行〔こまち〕との行き違いのため運転停車がありました。

盛岡駅を出てからちょうど1時間後、8時58分に列車は大曲駅へと到着。次が終点の秋田となります。

ここでは列車の進行方向が変わるため、数分間の停車があります。新幹線と在来線のホームは区別されているものの、同一平面上にあり新幹線ホーム側にその雰囲気はあまり感じません。

大曲、大仙市といえば夏の花火で有名です。ホーム上から見える位置にもその看板があり、きっと毎年8月最終土曜日は街全体が1年で最も大きな賑わいを見せることでしょう。

そんな大曲の駅からは、今回の企画の救世主ともいうべき路線がのびています。

それが「奥羽本線」です。東北本線羽越本線とは別に東北地方を南北に縦断する路線で、仙台市新潟市のいずれも通ることなく関東方面を目指すことができます。

大曲9時12分発の奥羽本線 新庄行へと乗車し、秋田県から山形県方面を目指し南下していきます。今となってはこの区間での特急列車の運行がないので、普通列車で進めるところまで進んでいきます。

数駅進むと、列車は横手駅へ到着します。焼きそばで有名なこの街は最長片道切符のルートにも組み込まれており、私も2年前に限られた乗り換え時間の中で何とか横手焼きそばをいただきました。

乗車中の車両は「701系」と呼ばれ、北東北のJR各線で広く使われています。車内がオールロングシートで長時間の乗車に向くかと言われると首をかしげたくなるところですが、やむなしといったところでしょう。

しばらくすると車窓右手には大きな山が見えてきます。方角的には鳥海山かな…と思いましたが、奥羽本線の沿線からは数十キロは離れており、いくら晴れているとはいってもこんなにはっきりと日本海側の山が見えるものでしょうか。これほど立派な山ですから何らかの名前はついていると思いますが、地図と照らし合わせる限りではこれが何山なのかは判別がつきませんでした。もしわかる方がいらっしゃいましたらご教示ください。

その先ではさらに別の冠雪した山々も見えてきました。関東では日に日に暑さが増す今日この頃ですが、東北地方の山を見るとまだまだ暖かくなる季節はこれからなんだなと感じます。

1時間45分ほど乗車し、10時57分に終点の新庄駅へと到着。既に山形県内へと入っています。

新庄駅はこの地域における非常に重要な役割を果たすターミナル駅で、線路が4方向に分かれています。鳴子温泉・古川方面へとつながる陸羽東線や、代行バスでの運行となっている余目方面の陸羽西線もありますが、それぞれ仙台市新潟市へ急接近する危うい路線ですので今回は回避しなければなりません。

と、いうわけで…!

ここからは「山形新幹線」を利用してまいります!

乗車するのは、新庄11時17分発の〔つばさ140号〕東京行。おしどりカラーを纏ったE3系で運行されます。

従来のシルバーカラーと比較して賛否両論あることでもおなじみの塗装ですが、私はシルバーカラーのつばさが現役で運行されていた頃をあまり知らないので、むしろこちらの方が馴染みがあったりします。

山形新幹線秋田新幹線と同様に「ミニ新幹線」です。福島~新庄駅間が在来線区間となっており、この区間の途中停車駅では渡り板は使用されません。

こちらもE6系と同じく車内は2+2列の配置。在来線ホームに停車している様子を外から見ると車体がかなり大きく感じるものですが、実際に車内に入ってみるとまぁこんなもんかという感じです。

11時17分、列車は定刻通りに新庄駅を発車。しばらく進行方向左手にもう1本線路がン見えますが、こちらは陸羽東線の線路で奥羽本線とは異なり狭軌(1,067mm)です。南新庄を通過すると左手に分かれていきます。

〔つばさ〕は2022年のダイヤ改正から全車指定席での運行となり、先に示した〔はやぶさ〕〔こまち〕の例と同様に福島~新庄駅間では特定特急料金の設定があります。しかし今回はその先の新幹線区間へ通して乗車するので、指定席を押さえておきました。JR東日本株主優待を適用し、定価の4割引での乗車です。

まもなく列車は最初の途中停車駅、大石田に到着。大石田町ならびに隣接する尾花沢市の玄関口となる駅で、近年ではSNS等でも人気の「銀山温泉」へと向かうバスが接続しています。この日も大石田駅からは多数の外国人観光客の方が乗車されていました。

お昼ご飯は、新庄駅で購入した駅弁「牛肉どまん中」です。この先通る米沢駅の名物駅弁で、今や山形県を代表する有名な駅弁となっています。

「どまん中」というのは山形県産のブランド米のことで、このご飯の上に牛肉煮と牛そぼろがたっぷりとのっています。この味付けがご飯との相性抜群で、ボリュームがあるのにペロリと完食してしまいました!

山形新幹線」ではありますが、走っているのはあくまでも「奥羽本線」。秋田新幹線田沢湖線)と同様に、地上区間が続くため新幹線の車窓というよりは快適な在来線特急の車窓です。

基本的には全て奥羽本線と共通の線路ですので、途中駅も全て奥羽本線普通列車と乗り換えが可能な駅になっており「山形新幹線単独の駅」というものはありません。途中には「さくらんぼ東根」という個性的すぎる新幹線停車駅もあり、こちらは東根市の中心駅となっています。

漆山駅では運転停車。何と往年のシルバーカラーへ復刻塗装したE3系が目の前を通過していきました!

12時06分、列車は山形駅に到着。県庁所在地である山形市の人口は約24.4万人で、ここからの乗客はかなり多そうです。

山形新幹線は1992年にこの山形駅まで開業し、その後1999年に新庄駅まで延伸開業をして今日に至ります。大曲~新庄を延々普通列車で揺られて移動してきた身としてはやはり同区間でもミニ新幹線の運行があると嬉しいのですが、現在のところ実現には至っていません。

かみのやま温泉駅を通過した先には、東北地方最高層のマンション「スカイタワー41」も見えてきます。周辺の建物との高さの差もあり、目を引く存在です。

米沢駅を発車し、列車は奥羽本線の難所「板谷峠」へ差し掛かります。山形県福島県の県境付近に位置し、かつてはその険しさから普通列車スイッチバックで運行されていました。この板谷峠を含む関根~庭坂駅間は街という街もなく、普通列車の本数も極めて少なくなっています。

福島駅の手前で、東北新幹線と合流。盛岡で分かれて以来、約5時間ぶりの合流です。

盛岡~福島駅間は〔はやぶさ〕と〔やまびこ〕を仙台で乗り継げば1時間ちょっとで移動できる距離であることを考えると、仙台市を避けるためにかなりの時間を費やしたことになります。

13時14分に福島駅へと到着。ここで先に到着していた〔やまびこ140号〕と連結し、17両編成で東京へと向かいます。

福島市の人口は約27.8万人で、同じ県内の郡山市いわき市よりも人口が少ないことで知られています。福島駅の構造は独特で、〔つばさ〕およびそれと増解結を行う〔やまびこ〕は上下列車を問わず14番線を使用するかたちとなっています。

福島駅を出て東北新幹線区間へ入ると、列車は一気にスピードアップ。その速さの違いは体感や音でもはっきりと分かり、流れる景色のスピードも明らかに異なります。奥羽本線内を走行している時は「在来線特急」の装いでしたが、ここまで来ると間違いなく「新幹線」であることを実感します。

13時58分、列車は宇都宮駅に到着!

旭川駅を出てから22時間58分、いよいよ関東地方へ突入です。

この列車、次の停車駅は大宮駅。すなわち今回立ち入ることのできない「さいたま市」へと向かっていきます。何としてもここで降りる必要があったのです…。

そして今回の旅では、ルールにもある通り「人口50万人以上の政令指定都市」に必ず降り立つ必要があります。宇都宮市はその一つで、人口は約51.5万人。その日その時刻に降り立った証拠として、入場券を購入し駅前で掲げ記念撮影を行うことにします。

宇都宮駅東口では現在、「芳賀・宇都宮LRT」(ライトライン)の開業に向け最終準備が進められています。開業予定は2023年8月とされており、見てみるともう宇都宮駅東口には軌道やホームが出来上がっている様子が確認できます。

今後は宇都宮駅西口側での建設計画もあり、なかなか前例のない取り組みですが是非とも成功してほしいところです。

 

この後は難易度の高い首都圏の移動となりますが、その様子は次回お届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。