上野市駅【三重県】(伊賀鉄道伊賀線。2018年訪問)   | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
三重県西部、伊賀地方北部の都市で、伊賀忍者の里である伊賀市の中心市街地に位置する伊賀鉄道伊賀線の主要駅で、車両基地が併設されていて運転上の主要駅でもあり、駅名は旧市名のままで現在の市名である伊賀市と一致しないことが珍しく、さらに近年は「忍者市駅」の愛称が付いて話題になった、
上野市駅 (うえのしえき。UENOSHI Station) です。

尚、写真は「忍者市駅」の愛称が付与される前年の2018年撮影で、現在は駅名看板などが変化しています。ご了承下さい。
 
 
駅名  
上野市駅 【愛称:忍者市駅】(駅番号なし)         
  
所在地  
三重県伊賀市 (旧・上野市)          
  
乗車可能路線  
伊賀鉄道:伊賀線 (旧・近鉄伊賀線)  
  
隣の駅  
伊賀上野方……西大手駅  
伊賀神戸方……広小路駅  
 
訪問・撮影時  
2018年5月      
 
 

上野市駅は地平駅で、南側の伊賀神戸方(東寄り)に駅舎があります。
駅舎は木造3階建てで、三角屋根が特徴です。開業1年後の1917年に完成したものを修繕しながら使用し続けています。
出入口からホームまで段差なく移動可能で、バリアフリーに対応しています。
駅舎の右側には駅北側(上野公園方面)とを結ぶ丸之内地下道の出入口があります(後述)。
また、写真は2018年撮影ですが、翌2019年に「忍者市駅」の愛称が付与されたため、駅名看板も「忍者市駅」メインに変更され、正式名称の「上野市駅」は右下へと追いやられました。
写真は北西を望む。
 
 

上野市駅には複雑な形状のロータリーを有する駅前広場が整備されており、タクシー乗り場が設けられています。ロータリー内はタクシープールや一般車有料駐車場として利用されています。
バスターミナルは駅前広場南寄り、上野産業会館を取り壊して建築した再開発複合ビル「ハイトピア伊賀」(写真右端)前に設けられており、バス乗車券の自動券売機も設置されています。
写真は南東を望む。後方に駅舎があります。
 
 

こちらは駅北側にある丸之内地下道出入口です。南を望む。
上野市駅は駅北側に駅舎・出入口がないため、北側からですとこの丸之内地下道または約100m東にある踏切を通って南側へ回る必要があります(地下道は階段しかないため、車いすの場合は必然的に踏切へ迂回することになります)。
尚、駅北側に駅前広場はありません。
 
 

駅前です。駅前広場南東端にある交差点より南を望む。右後方に上野市駅があります。
前後方向(南北方向)の幹線道路は県道56号線(銀座通り)で、伊賀市の中心市街地を南北に延びる目抜き通りです。景観に配慮して電線が地中化されています。
駅南側は商業地区で、銀座通り沿いや線路の南約200mを東西方向に延びる旧大和街道(本町通り)沿いには商店街が形成されていますが、ご多分に漏れず他の地方都市と同様に商業の中心地が郊外へシフトして、中心部は商業の空洞化が進行しています。一方、古い町並みが残っているため、これを利用して町おこしを行い、観光客向けに力を入れている感じです。
 
また、駅北側は伊賀上野城に近いことから商店より公共施設や学校(三重県立上野高等学校など)が多く立地しています。
 
 

上野市駅の北約500mには上野公園があり、公園内には伊賀上野城(模擬天守)をはじめ伊賀流忍者博物館や伊賀上野出身の俳人・松尾芭蕉に関する記念館である芭蕉扇記念館などがあります。
駅から近いので、途中下車して観光するのもいいのではないでしょうか。
 
 

駅舎内に入りました。西を望む。
正面には自動券売機がありますが食券券売機タイプの機種です。
自動券売機の左手には駅長室があり、右手には出札窓口があります。出札窓口では定期券・回数券の他、当駅でも伊賀神戸駅からの近鉄特急券を購入できます。伊賀神戸駅での接続時間が短い場合もあるため、近鉄特急に乗り換える際は当駅で特急券を購入するのが得策と言えます。
そして窓口の右側には改札口があります(後述)。
 
 

改札口です。北を望む。右側に出入口があり、左側に出札窓口と自動券売機があります。
自動改札機は導入されておらず、改札ラッチが設置されています。3通路ありますが、幅はいずれも一緒で、車いすは通れません(駅舎外(東側)に車いす用通路があります。駅員にお問い合わせ下さい)。中央の通路には点字ブロックが設置されています。
普段の改札は窓口に面した右端の通路のみを使用します(左端に改札窓口はありません)。
ちなみに伊賀鉄道線では『PiTaPa』『ICOCA』などの交通系ICカードを利用できませんのでご注意下さい。
改札口の右手前には飲料自動販売機が設置されています。駅構内に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは駅前広場南側にある
そして改札を通り、構内踏切を渡って左のスロープを登るとホームに到達します。
トイレは改札を通って構内踏切手前を左へ進んだ先にあり、少し離れています。多機能トイレは未設置と思われますが、詳細は不明です。
 
 

1番線側の吊下式駅名標です。非電照式です。
近鉄の旧タイプをアレンジしたデザインになっています。
下部のラインには伊賀鉄道のコーポレートカラーと思われる紫が使用されています。
尚、伊賀鉄道線において駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

 

駅構造……地平駅(概ね東西方向)。
配線………島式ホーム2面2線
(両側に側線あり。南側は上野市車庫への出入庫線で、ホームの途中から伊賀上野方(奥)へ分岐しています)。
 
駅舎と反対側の右(北)が1番線で上り伊賀上野方面、駅舎側の左(南)が2番線で下り伊賀神戸方面で、右側通行です。尚、1番線に発着する伊賀神戸方面列車も一部設定されています。ちなみに上野市車庫への出入庫は2番線からしかできず、しかもホーム中ほどから出入庫線が分岐しているため、一旦伊賀神戸方(手前側)へ進んでからスイッチバックして入庫する形となります(出庫時は逆の手順になります)。
 
ホーム有効長……2両分(かつては3両分ありましたが、伊賀上野方の1両分は廃止されていて痕跡が見られます)。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………ローカル線の駅にしては標準と思いますが、主要駅クラスではやや狭いかも。
上屋(屋根)………伊賀神戸方の約1.5両分、伊賀上野方の約0.5両分は雨ざらしになります。 
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、時計、伊賀神戸方面列車の発車番線を表示する幕式の発車標。

伊賀神戸方の端にはスロープがあり、構内踏切により東側にある駅舎・改札口と結ばれています。
 
上写真は構内踏切より、下写真はホーム東端より、いずれも伊賀上野方を望む。
 
 

 

上写真は1番線より、下写真は2番線より、いずれも伊賀上野方を望む。
ホーム端の先には以前存在したホーム跡が一部崩壊した状態で残っています。
左前方には上野市車庫がありますが、規模は小さいです。
また、右側(1番線側)の電留線は後方の伊賀神戸方で行き止まりになっています。この電留線に入るには前方(伊賀上野方)へ進んでからスイッチバックする必要があります(出る際は逆の手順)。
この先、左手に上野市車庫を見ながら西へ走り、車庫が途切れた後は市街地の狭い中を進みます。そして右へカーブすると西大手駅へと至ります。
 
 

ホーム東端より伊賀神戸方を望む。
ホーム端にスロープがあり、右へ曲がって構内踏切を渡ると駅舎・改札口です。
スロープも屋根が付いていますが、踏切部分のみ雨ざらしになります。
 
 

1番線より伊賀神戸方を望む。
右側に駅舎・改札口があり、左側には電留線の車止めがあります。
この先、市街地の中を東へ走り、県道56号線(銀座通り)と踏切で交差すると大きく右へカーブを切ります。そして進路を南寄りに変えると広小路駅へと至ります。駅前には古い町並みが残っています。
  
  
あとがき  
私が上野市駅で下車(乗車)したのは2009年、2018年の計2度です。2009年は伊賀線の車窓風景撮影時、時間があったため下車しました。そして2018年は伊賀上野城を観光した際、上野市駅から伊賀上野駅まで伊賀線に乗車した際に利用しました。中間駅ながら地方都市の中心駅としてふさわしい雰囲気の駅で、ホームは1面2線ながら西側に車庫があるため、構内は広いです。駅前は旧上野市、そして今では伊賀市の中心市街地で、駅周辺には古い町並みが随所に残っています。伊賀上野城は駅北西側にあり、徒歩圏内です。電車を1本ずらせば観光可能です。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅下車、関西本線に乗り換えて亀山駅まで行きます。さらにキハ120形気動車で運用される加茂行き列車に乗り継いで伊賀上野駅で下車します。そして伊賀鉄道伊賀線に乗り換えて当駅下車です。あるいは名古屋駅に隣接する近鉄名古屋駅から名伊乙特急に乗り、伊勢中川駅で阪伊乙特急に乗り換えて伊賀神戸駅下車(別途特急料金が必要)。さらに伊賀鉄道伊賀線に乗り継いで当駅下車です。ネットで検索すると後者の近鉄経由が最も多く出てきて、全体的にこちらの方が速いですが、JR線利用でもさほど遅くありません。JR線利用は名古屋下車より京都下車で奈良線~関西本線のルートの方が上位に出てくる事もあります、乗換回数が多くなりますが、じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪難波駅、大阪上本町駅、鶴橋駅から近鉄大阪線の阪伊乙特急および急行・快速急行系に乗車して伊賀神戸駅まで行き、伊賀鉄道伊賀線に乗り換えて当駅下車です。あるいは大阪環状線主要駅から大和路線(大和路快速)などに乗って伊賀上野駅まで行き、伊賀鉄道伊賀線に乗り換えて当駅下車です。こちらも近鉄経由の方が全体的に速いですがJR線との差は小さいです。余裕で日帰り訪問可能です。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、駅南側の再開発ビル「ハイトピア伊賀」内にヤマザキショップ(セミコンビニ)があり、館内や駅前には飲食店も見られますが、気軽に入れるチェーン店はありません。しかしお手頃価格の店舗も多いようなので、事前に調べてから地元の店舗を利用するのもいいかもしれません。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
東京からの到達難易度はやや高いですが、
伊賀鉄道伊賀線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は上野市駅【忍者市駅】でも途中下車してみて下さい!
そして忍者の里である伊賀上野を観光の際はぜひ伊賀鉄道伊賀線をご利用になり、上野市駅【忍者市駅】も観察してみて下さい!
 
(参考:伊賀鉄道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)