御堂筋線さらに北へ! 北大阪急行電鉄箕面萱野延伸に伴うダイヤ改正予測(2024年3月予定)

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御堂筋線さらに北へ! 北大阪急行電鉄箕面萱野延伸に伴うダイヤ改正予測(2024年3月予定)

箕面市は2022年8月25日、プレスリリースにて北大阪急行電鉄の箕面萱野延伸を2023年度末に行うと公表した( 北大阪急行電鉄南北線延伸線(千里中央駅~箕面萱野駅)を『2023 年度末(令和 5 年度末)に開業』します )。また、北大阪急行電鉄は2023年6月2日、プレスリリースにて箕面萱野延伸時の運賃について公表した( 北大阪急行電鉄南北線延伸線の運賃認可申請について )。今回はこれらについて見ていく。

1. 北大阪急行、延伸へ!

今回の2024年3月予定の北大阪急行電鉄ダイヤ改正では、箕面萱野まで延伸する。

今回開業するのは南北線延伸線の千里中央~箕面萱野間の2.5kmで、途中箕面船場阪大前駅を設置する。既存の南北線とは一応別路線扱いらしいが、運行形態的に一体となる。神戸市営地下鉄山手・西神線における西神延伸線と同様だろう。

北大阪急行は全列車がOsaka Metro 御堂筋線と直通運転を行っていることから、天王寺・なんば・梅田・新大阪を通ってきた地下鉄御堂筋線の列車が千里中央を超えて今回延伸する箕面萱野まで乗り入れることになる。つまり事実上地下鉄御堂筋線が北に延伸するといっても過言ではない。

なお千里中央~箕面船場阪大前間は鉄道として、箕面船場阪大前~箕面萱野間は軌道として整備する。

なお箕面市によればこの北大阪急行の延伸に合わせ千里中央~箕面萱野間で60円の加算運賃を設定するとしている。もっともこの加算運賃はこのご時世により引き上げる可能性があるが(東急新横浜線・相鉄新横浜線では実際に当初の予定より引き上げている)、そもそも北大阪急行電鉄は初乗り1駅100円、江坂~千里中央間5.9kmが140円と破格の安さなので加算運賃を設定してやっと関西大手私鉄レベルに揃うと言っても過言ではないだろう。




2. 北大阪急行の延伸でどのような需要が想定されるのか

今回の北大阪急行箕面萱野延伸ではどのような需要が見込まれるのだろうか。

箕面萱野駅の開業により阪急箕面線各駅の駅勢圏をおびやかす。

というのも、先述したように北大阪急行は地下鉄御堂筋線と直通運転をしているため、梅田のみならず新大阪、なんば、天王寺までも直通で行けてしまう。しかも昼間以降はよほどのことがなければ席が埋まらないためほぼ着席保証となっており、座っていくことができる。

対して阪急箕面線は前回の2022年12月17日ダイヤ改正で箕面線と宝塚線の直通運転を完全に取りやめたため大阪梅田に行くにも石橋阪大前での乗り換えが必ず発生するし、宝塚線の急行は着席の保証がない。しかもなんばや天王寺に行くのであれば大阪梅田で地下鉄御堂筋線に乗り換えなければならない。

そう考えると阪急箕面線沿線から阪急バスや自転車で箕面萱野や箕面船場阪大前に向かい北大阪急行線直通地下鉄御堂筋線利用に流れる需要はかなり多いだろう。




3. 北大阪急行の延伸区間の運賃はどうなるのか

(2023.6.11 追記)では今回の2024年3月予定の北大阪急行箕面萱野延伸では運賃はどうなるのだろうか。

もっとも北大阪急行の運営となるため既存の江坂~千里中央間と通しで通算するのだが、いかんせん北大阪急行南北線は1970年の大阪万博に合わせて作った際に東海道新幹線・東海道本線新大阪駅から乗り換えなしで万博会場に行けたため利用が大きく伸び、万博輸送で建設費を償還してしまったので運賃を値上げする必要性が薄かったことから、2023年現在でも北大阪急行電鉄は初乗り100円、江坂~千里中央間の全線で140円という破格の安値を誇っている

このため2025年に大阪万博があるもののメイン会場の夢洲には向かわないため万博特需も見込めない今回開業する北大阪急行南北線延伸線では初乗り100円では建設費を償却するのは困難なため、当然加算運賃を設定することとなった。

今回千里中央~箕面萱野間で設定する加算運賃は60円となっている。もっともこれは2018年時点から箕面市が公表していた額と同額だが、阪神なんば線では90円と比べると安いし、当初20円~30円だった東急新横浜線・相鉄新横浜線の加算運賃が70円に値上がりしたことを踏まえれば極めて良心的だろう。

また先述したように北大阪急行の初乗りは100円である。加算運賃60円を合わせても初乗り160円にしかならず、関西大手私鉄5社の初乗り運賃160円~180円とやっと同レベルになる。千里中央~箕面萱野間は2区130円と加算運賃60円を合わせた190円となるが、従来の阪急バス220円より安いし新線としては破格の安値である




また対キロ区間制の基本運賃も6kmまでしかなかったところ10kmまで設定することなった。これにより1駅2kmまで初乗り100円、2駅4kmまで130円、3駅6kmまで140円のほか、4駅8kmまで160円、5駅10kmまで180円を設定した。

これにより加算運賃60円を合わせても大阪市内から箕面船場阪大前は千里中央の80円増、箕面茅野ヘは千里中央の100円増で利用できる。これまで千里中央で阪急バスに乗り継いだ場合阪急バス分220円がかかっていたが、今回の延伸で乗り換えがなくなり所要時間を短縮するほか120円~140円の値下げとなる

また北大阪急行はOsaka Metro 御堂筋線と直通運転を行っていることから直通利用も多い。今回の延伸で箕面萱野~新大阪間は430円、箕面萱野~梅田間は480円、箕面萱野~なんば間は530円、箕面萱野~天王寺間は580円となる。

もっとも阪急電車箕面線・宝塚線を利用したら箕面~大阪梅田間は280円しかかからないため、引き続き阪急電車を利用する人は多いだろう。ただなんばや天王寺に行くにはOsaka Metro の運賃がさらに必要で乗り換えに手間がかかることを考えるとかなりの旅客が北大阪急行に流れるとみていいだろう。




4. 地下鉄御堂筋線と北大阪急行電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか

では今回の2024年3月予定の北大阪急行箕面萱野延伸にて北大阪急行線や直通運転を行うOsaka Metro 御堂筋線でどのようなダイヤ改正を行うのだろうか。

箕面市によれば、箕面萱野延伸に合わせ当初は千里中央折り返しを継続設定することも視野に入れていたが、途中駅折り返しでは遅延のリスクがあることなどから取りやめ、千里中央発着の列車全便を箕面萱野発着に延長する。このため箕面萱野には平日朝は4分30秒間隔、昼間は平日・土休日ともに8分間隔(毎時7.5本)、平日夕方は5分間隔(毎時12本)で運転することになる。まあ北大阪急行は地下鉄御堂筋線と直通運転を行う関係で全列車10両編成と輸送力が過剰ともいえること、よって昼間は新大阪まで空席ばかりであることを考えれば北大阪急行線内での増発の必要はないだろう。

ただ直通先の地下鉄御堂筋線は大阪随一の混雑路線として知られている。2020年から平日朝夕は多少は空くようにはなったとはいえ箕面船場阪大前や箕面萱野の需要増加分は乗せきれるだろうか。

地下鉄御堂筋線は、昼間は千里中央~なかもず間全線運転と新大阪~天王寺間の区間運転を交互に運転している。が、平日朝夕は千里中央~なかもず間全線運転を4本中2本、新大阪~天王寺間の区間運転を4本中1本、中津~天王寺間の区間運転を4本中1本運転している。しかも平日朝は最短2分15秒間隔で運転しているが、これは2015年3月1日大阪市交通局御堂筋線ダイヤ改正でホームドア設置準備に伴い運用数を増やすことなく停車時間確保のために行ったものなのでこれ以上の増発はできない。

そこで北大阪急行からの混雑分散のために、4本に1本運転している中津始発の天王寺行きを新大阪始発に延長して新大阪・西中島南方からの利用者を分散させ混雑緩和を図る可能性があるのではないだろうか。

あと考えられるのは、平日朝夕に限り箕面萱野~天王寺間運転と新大阪・中津~なかもず間運転とし、全線運転をなくすこと。利用の9割はこれで困らないし、新大阪より南では阿倍野より先に行く人は箕面萱野始発の天王寺行きにのるのを敬遠するので混雑が分散しやすくなる。また東三国・江坂・北大阪急行各駅から阿倍野以南への利用は新大阪や天王寺で後続の電車を3分街で乗り換えればよい。そうなると、平日朝夕の北大阪急行直通電車のなかもず発着から天王寺発着への短縮はあるだろう。

今回の2024年3月北大阪急行箕面萱野延伸に伴い阪急箕面線の乗客が減るわけだが、阪急箕面線の減便はあるのだろうか。平日夕方は10分間隔(毎時6本)、昼間は平日・土休日は10分間隔(毎時6本)と同じ本数で空席が目立っていることから阪急嵐山線のように昼間を毎時4本に減便することは可能ではあるが。


4. 結び

今回の2024年3月予定の北大阪急行電鉄ダイヤ改正では、箕面萱野延伸を行うことで地下鉄御堂筋線の直通運転区間が伸びることとなった。

今後Osaka Metro 御堂筋線や北大阪急行電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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