今日の1台・1098

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所有事業者:茨城交通(茨城)

仕様・用途:高速路線仕様(高速「ひたち」号に充当)

登録番号:水戸200 か 2150

配置:神峰営業所

初年度登録:2020年

シャシー製造:三菱ふそうトラック・バス

搭載機関:三菱6S10(T2)型

車体架装:三菱ふそうバス製造

車両型式:2TG-MS06GP

車名:三菱ふそうエアロエース

撮影日:2023年5月4日(木曜日)

撮影場所:東京駅JR高速バスターミナル

 

ようやく撮れた「みちのりホールディングスカラーの令和顔エアロエース」です。

MS06でも前期型のみちのりカラーは撮ったことがあるんですけど、いわゆる “令和顔” はなかなか姿を見せず、いたとしても撮影に向いた場所でなかったり、すぐに動いてしまったりなど、なかなかこっちの都合には合わせてくれませんでした。まぁ、それはやむを得ません。

 

2000年代以降、バス事業者は彼方此方で経営的に悲鳴を上げていて、苦肉の策として他社に統合されたり、分社化していたのを元の鞘に収めたりと、様々な形で生き延びる選択肢を採っていました。その中、経営コンサルタントが主導して受け皿となる事業を立ち上げて、その事業体の子会社として生き延びる例もあります。その代表格がみちのりホールディングスで、産業再生機構のCEOだった人が2007年に経営共創基盤を設立、みちのりホールディングスはその連結子会社として2009年に設立しました。

 

みちのりホールディングスは主に経営難に陥った公共交通事業者を中心に受け皿となって傘下に収め、経営再建を行う一方で、「公共交通ネットワークの最適化」「地域の観光産業への参画と貢献」「環境適応型の新しい交通システムの確立」をビジョンとして掲げ、単なる経営再建だけでなく、そこからどうやって需要を掘り起こすかを第一に考える経営を展開しています。

 

みちのりホールディングス傘下のバス事業者は、茨城交通の他に福島交通、会津乗合自動車(共に福島)、関東自動車(栃木)、岩手県北自動車、東日本交通(共に岩手)などがあり、元々は茨城交通だったひたちなか海浜鉄道や、神奈川の湘南モノレールもみちのりホールディングスです。なお、青森の南部バスは後に岩手県北自動車に、日立電鉄交通サービスは茨城交通にそれぞれ吸収されています。湘南モノレールが経営難だとは思わなかったですね。

 

茨城交通は2008年に民事再生法の適用を申請し、以降は経営共創基盤がスポンサーとなって事業そのものは継続していますが、現在の茨城交通は経営陣が全く異なる別会社として扱われています

茨交というと、元大関雅山の二子山親方がここの一族として常に取り上げられていましたが、前述のように現在の経営基盤は血筋が違うため、 “御曹司” ではなくなっています。

 

茨交は2018年頃からみちのりホールディングス共通のボディカラー、通称「MEXカラー」を纏った車を高速路線仕様車を中心に導入するようになりましたが、組織率的にはまだシルバー地に黄色、オレンジ、青のストライプを入れた旧茨交カラーが圧倒的。一般路線車に至っては旧茨交カラーのままです。それは茨交に限らず、福島交通も岩手県北バスも関東バスも同じ事が言えます。

そんな状況ですから、今後も全部が全部、「MEXカラー」に統一されることはないのでは? と思います。まぁ、旧型車との置き換えで新車を導入する際にどのカラーを選択するかですけどね。

 

 

【参考文献・引用】

年鑑バスラマ2020→2021 (ぽると出版社 刊)

ウィキペディア(茨城交通、経営共創基盤など)