JR西日本下関総合車両所新山口支所を拠点に入換などを担うディーゼル機関車DE10形1514号機。山口線の観光列車SLやまぐち号の「裏方」として働いている印象が強いのですが、最近はDLやまぐち号で「主役」の活躍を見せています。

 

 

DLやまぐち号をけん引するDE10 1514(手前)。おなじみのヘッドマークを掲げて堂々防長路を駆け抜けます

 

 

 

DE10 1514は1970(昭和45)年に製造されました。新製配置は盛岡機関区でしたが、翌年以降は小郡(現新山口支所)、厚狭機関区と一貫して山口県を拠点にしているようです。私がよく写真を撮っていた1980年代後半〜90年前半には既に、同僚だったDD51形844号機と一緒に小郡のヌシのような存在でした。

 

 

35年前の88年3月、小郡(現新山口)駅でSLやまぐち号の12系客車の入換を行うDE10 1514

 

 

 

SLやまぐち号の客車の入換は、DE10 1514の主要な仕事の一つです。多くの人が「主役」の蒸気機関車C57形1号機の登場を待っているホームに客車を据え付け、ササッと引き揚げていきます。その姿はまさに「裏方」で 鉄道ファンとしては興味深いのですが、SL目当てのお客さんには、これまであまり振り向かれていなかったように思います。

 

 

小郡運転区(当時)で休むDE10 1514=1992年(許可を得て撮影)

 

 

 

個人的には「小郡の入換機」のイメージのままだったDE10 1514ですが、近年はC57形やD51形の不具合などで「SL」として運転できなくなったやまぐち号の、ディーゼル機関車(DL)による代替運行時のけん引機としても活躍しています。2023年の大型連休でも1531号機とペアを組んで走りました。

 

 

23年の大型連休では新山口行きDLやまぐち号の先頭となり、ボンネットが短い2エンド側が前となる姿を披露しました

 

 

 

デビューから半世紀以上が過ぎたDE10 1514。国鉄形車両が珍しい存在になり観光列車で「主役」となった現在の姿は、子どものころには想像できませんでした。SL復活までの代役ですが、スポットライトを浴びた同機に心からエールを送りたい思いです。