NO.2835 福北ゆたか線でも活躍しています、熊本所属821系、短絡線経由直方→黒崎間乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 当ブログでは、NO.2831でもご紹介しておりましたように、熊本地区(鹿児島線・銀水~大牟田~熊本~八代間、豊肥線・熊本~肥後大津間)では815系電車とともに主力車両として位置付けております821系電車の熊本地区での運行シーンを中心に皆様にご紹介しておりました。

 

 この821系電車は、415系電車の後継電車として平成30年に登場しました近郊型電車でありまして、昨年9月改正より全車南福岡車両区から熊本車両センターに転属しておりまして、編成記号も「UM」から「UT」に変わりまして、現在10編成30両が導入されておりまして、熊本地区や福岡都市圏でも「福北ゆたか線」を中心とした運用が見られております。

 

 また、813系電車・817系電車(3000番台)に次ぐ3両固定編成の電車でもありますし、長崎地区で運行されておりますYC1系気動車とともに、やさしくて力持ちの鉄道車両として最新技術を駆使した近郊型タイプ車両として導入されたものでありまして、JR九州の近郊型電車らしく、「CT」のステッカーも見る事ができております。

 

 この821系電車では、消費電力量を415系電車よりも約70%も低減させておりますし、主変換装置や、SIVこと補助電源装置の冗長性(信頼性)によります安全・安定輸送の確保、台車個別制御ブレーキシステムの採用や、車両・地上設備の状態を把握する状態監視システムの搭載、そして空調装置やブレーキ装置等の機器の共通化によるコストの低減をも図っているそうでありまして、新たな省エネ車両としての姿も見られる電車でもあります。

 

 また、装備はフロントや車内などではYC1系気動車と似たような姿も見られておりまして、以前は縁の部分も先頭時、最後部時に点灯する姿も見られておりましたが、現在は後述のように見られなくなっております。

 

 (車内)

 

 

 さて、ここまで前回もご紹介しました821系電車に関します事を改めましてご紹介しましたが、今回は、「福北ゆたか線」での運行シーンを実際に短絡線を経由します直方~黒崎間で乗車しまして収める事ができておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 821系電車は、昨年9月23日改正時点で9運用存在しておりまして、6運用で熊本地区の運用が、そして3運用で「福北ゆたか線」を中心としました福岡都市圏の運用に入っております。

 

 この運用も、1運用が篠栗線の博多~篠栗間を中心とした運用、2運用が門司港・小倉~直方間を中心とした運用となっておりまして、「福北ゆたか線」全体で活躍する場が見られております。

 

 

 さて、ここからは直方駅より黒崎駅間で乗車した模様をご紹介してまいります。今回は、門司港行き638Hに乗車しまして、その模様を前方からご紹介させていただきます。

 

 今回乗車しましたのは、UT002編成でありましたが、638Hと言う事で「福北ゆたか線」の最終日の運用でありました(詳しくは後述)。そんな中ではありますが、やはり表記の「熊クマ」がそれを物語っている事が伺えるのではないかと思います。

 

 

 門司港行きの行先であります。普通列車となりますと以下のような表示となっている事がお分かりいただけます。ちなみに韓国語ではその下の画像でありますが、折尾・小倉・門司港各駅でそのように表示されている事が伺えるのではないかとも思います。

 

 

 列車は、直方駅を発ちまして、15分ほどで中間駅へやってまいります。実はこの中間駅から鞍手駅までの間は遠賀川橋梁下り線の補修工事を行っている関係で単線として暫定運行されておりまして、そのため1番ホームを使用停止としまして、2番ホームを直方方面、3番ホームを折尾・黒崎・若松方面の乗場にそれぞれ変更されております。残念ながら、直方駅からの列車の場合中間駅から見ますと鞍手駅は手前になりまして、単線の姿も収めておりませんでしたが、途中駅の筑前垣生駅を加えまして、今後単線の姿も撮影の上で改めてご紹介したいと思います。

 

 

 中間駅を発ちまして、再び複線区間に戻りまして、さらに折尾方面へと進んでまいります。

 

 上の画像のカーブを曲がりますと、東水巻駅へとやってまいります。そんな東水巻駅は、よく見ますと1番ホーム・2番ホームとでホームの配置が違う事がお分かりいただけます。

 

 (折尾方面、2番ホーム)

 

 (奥・直方方面、1番ホーム)

 

 この東水巻駅は、JR化後の翌年であります昭和63年に開業しておりまして、この駅の西側には団地も見られておりまして、多くの方々が利用されている駅でもあります。そんなこの駅も、駅の東側にはかつて炭鉱も見られておりまして、以前から新駅開業の働きもあったそうですが、結局は閉山後・JR化後に開業するに至っております。

 

 

 東水巻駅を発ちまして、さらに折尾方面へと進みますが、実は現在の複線に加えまして、さらに2本の線路が存在しました複々線となっておりまして、計4本の線路がこの間に見られておりました。実際、以下画像の部分も1本しか見られておりませんが、以前は画像の付近で筑豊線と鹿児島線の短絡線と分かれる部分も見られておりました。

 

 この短絡線は、明治26年に開業していたようですが、当初はいずれも単線も、のちに複々線となりまして至っていたようであります。こちらの画像は、架線の姿が見えておりますように、奥に筑豊線の線路が存在しますが、かつてはその下にも線路が存在しておりまして、現存する部分がかつては鹿児島線の短絡線(下り)、そしてかつての線路跡部分に筑豊線の下り線路が存在しておりました。

 

 

 かつての鹿児島線の短絡線であった部分を通過しますが、上の部分にありましたのが、先述の筑豊線の下り線路跡の部分になります。かつてはこのように立体交差にもなっておりましたが、その台座跡が当時の姿を偲ぶ部分でもあります。

 

 

 それからが、かつての4線区間として折尾駅手前まで存在する事にもなります。実際左側が旧筑豊線の線路跡の部分にもなりますが、この4線区間は昭和50年代後半に廃止されておりまして、その面影もかすかに見られている程度でありまして、残念ながら自然化するなど変化が見られております。実際このような複々線が見られていたのも、当時筑豊炭田で採掘されていました石炭輸送を円滑に行う事を前提にしていた事をも伺える所でもありましょうか。

 

 

 そして、折尾駅手前でカーブに入りまして、折尾トンネルへと入る事になります。そしてその奥が高架化前にもなります旧折尾駅方向へと進む事になりますが、昨年まではその奥で鹿児島線の短絡線・筑豊線と分かれておりました。

 

 (高架化前の旧線路跡)

 

 カーブを左に進みますと、折尾トンネルに入りまして、このトンネル内で現在の鹿児島線短絡線・筑豊線と分かれる事にもなります。本当に、これまでも述べておりますように鹿児島線の短絡線も様々な形で関わっていた事がわかりますが、明治~昭和で現在の東水巻駅より先、昭和~令和で上の画像の折尾駅手前、そして現在はトンネル内ですので、ちょうど130年もの間に変化が見られていた事も伺えるのではないかとも思います。

 

 

 折尾トンネルを出まして、短絡線を折尾駅へと進んでまいります。この短絡線は複線である事がわかりますが、その下の画像にもありますように821系電車の637H直方行きがすれ違っておりました。ちなみにこの運用はこのあと2667Hとして博多駅へと向かいまして、それから博多~篠栗間の運用を行うようにもなります。

 

 (637H直方行き)

 

 

 こうして、短絡線ホームでもあります折尾駅2番ホームに入線しました。よく見ますと多くの利用者の姿が見られている事がわかりますが、このように「福北ゆたか線」の直通列車が見られるようになっているからこそ見られる姿でもありましょうか。

 

 

 この後、さらに黒崎駅へと向かいます。ここから先は4線区間となりまして、左に鹿児島線の線路、右に引き続き短絡線の線路として陣原駅まで続く事にもなります。

 

 この短絡線の線路も、しばらくは片側(画像は右側)の線路が使用されていなかった事から一時単線であった区間でもあります。理由としましては折尾駅の高架化などの理由があったためですが、そういった事もありまして、線路は草が生い茂っていた跡がそれを物語っていたようにも思います。

 

 

 そして、陣原駅に近くなりますと、鹿児島線側から線路が入ってまいります。これは貨物列車がこの駅より先で通る事になるためでありますが、この陣原駅自体も元々は東折尾信号場であった場所でもありまして、ここから鹿児島線との接続ができるようにもなっている場所でもあります。

 

 (奥に陣原駅)

 

 

 陣原駅を過ぎまして、引き続き黒崎駅へと進みます。線路も引き続き4線区間となりますが、こちら側の2線は旅客列車に加えまして貨物列車も通る線路として続いて行く事にもなります。

 

 

 黒崎駅に近くなっていきますと、旅客線・短絡線とをクロスしまして、旅客線が南側・貨物線(短絡線)が北側と向きが変わる事にもなります。

 

 

 クロスしまして黒崎駅に入りますが、ちょうどED76 1018号機の単機とがすれ違いました。こうしたすれ違いが見られますのも貨物専用の線路ならではな部分が見られるからこそでもありましょうか。

 

 

 こうして、黒崎駅4番ホームに到着、638Hはこの後門司港駅へと進みまして、これで「福北ゆたか線」の運用は終了となります。さらに門司港駅からは813系電車と連結しまして、4135Mとして鹿児島線の運用に入りまして、この日は鳥栖駅で滞泊へと至る事にもなります。

 

 

 今回は、821系電車の「福北ゆたか線」の運用に関しまして、実際に直方駅→黒崎駅間に乗車しましてご紹介しましたが、これまでの817系電車・813系電車が入線しておりましたこの短絡線を含んだ区間に新たな電車が加わった訳ですので、子の存在は大きいかと思います。しかも、直方・南福岡の所属ではなく熊本車両センターと言うのが驚きではありますが、それほど充てになる部分ではないかとも思う所ではありましょうか。それにしても、鹿児島線・筑豊線の短絡線に130年の長い歴史があったというのには驚きではないかとも思いますが、それほど石炭輸送で支えていた証かなとも思ってならない所でもありましょうか。