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テーマ:鉄道(22051)
カテゴリ:松浦鉄道
相浦駅(あいのうらえき)は長崎県佐世保市相浦町にある松浦鉄道・西九州線の駅です。
1920年(大正9年)3月、佐世保軽便鉄道(後の佐世保鉄道)によって開業しています。 1936年(昭和11年)10月、国有化により鉄道省・松浦線の駅となります。 国有化になった1936年(昭和11年)といえば、日本(大日本帝国)がさらなる領土拡張をめざし戦争に突入していく時代とかさなり石炭などを運んでいる路線が全国で軒並み国有化されている時期でした、この地域にも北松炭田(佐世保炭田)があったために国有化され佐世保鉄道の路線から松浦線となったのでしょうね。 1978年(昭和53年)6月、貨物営業が廃止されています。 石炭輸送が盛況の頃は貨物駅を併設していたそうです。 貨物線は上相浦側で分岐し、相浦港へ直進していました。 貨物線と旅客線にはさまれた三角地帯がヤードでしたが、現在、貨物駅跡は住宅用に造成されており貨物駅だった面影はありません。 1988年(昭和63年)4月、第三セクター松浦鉄道への転換により、松浦鉄道・西九州線の駅となると同時に無人駅化されました。 駅の構造は島式1面2線ホームを持つ無人駅で盛土の上にあり、留置線を有しています。 駅ホームから見ると多くの線路は剥がされていましたが、かつては貨物駅も別にあったとのことでそれなりに駅構内も広かったものだと思われます。 松浦鉄道に転換される前までは木造駅舎を有する有人駅でしたが、松浦鉄道転換後は無人化され、その後、駅舎も撤去されホーム上に待合所があるのみとなりました。 相浦駅は駅を降りてすぐ、目の前の歩いて5分もかからない場所に相浦港があります。 しかし、この駅からその相浦港を利用する人はそんなにいないのでしょう、相浦駅の2019年度(令和元年)の1日平均乗降人員は193人となっています。 相浦港は九十九島にある高島・黒島へ向けてのフェリーが1日3往復あります。 相浦駅は2015年(平成27年)に愛称として「黒島天主堂とあたごさんの駅」という名称が付けられたのですが、黒島にある”黒島天主堂”へは相浦港からフェリーに乗って約1時間です。 黒島天主堂は、正式名称を黒島教会と言ってキリスト教・カトリック聖堂となっています。 2018年(平成30年)には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産登録されました。 江戸幕府の禁教政策によりキリスト教を信仰することは禁止されましたが、この黒島には弾圧から逃れた大村藩のキリシタン達が移住するようになりました。 1865年(慶応元年)、江戸時代の最晩年に長崎浦上の隠れキリシタンが大浦天主堂で信仰を明らかにした「信徒発見」から数ヵ月後には、早くも黒島の信徒代表者が大浦天主堂を訪ね、その後、明治時代にカトリックに復帰、1902年(明治35年)には現在の黒島天主堂が建てられました。 2022年(令和4年)10月の統計によると黒島の島民は349人で、そのうち約80%はカトリック信者であるとのことです。 黒島に住む人々は江戸幕府の目から逃れ先祖代々400年近くキリスト教を信仰していることになりますが、離島という条件が信仰を邪魔されずに長い間続けられたということでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.03 16:15:40
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