KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

Article

記事

2023.05.01

京成3600形3688編成、リバイバルカラーの3回目の春。

D38935.jpg

京成3600形 3688編成
2022.2.16/京成高砂

▲2020年7月よりファイヤーオレンジのリバイバルカラーとなっている京成3600形3688編成。リバイバルカラーとして思わぬ形で3回目の春を迎えることとなった

京成電鉄では、2018年度より列車無線のデジタル化(IR無線からデジタルSR無線への更新)を推進してきたところだが、このほど4月24日に北総鉄道、新京成電鉄と合わせてデジタル方式の列車無線への完全移行を発表した1)。完全移行の実施日は22日。他社局所属の車両を含めた全ての列車で、デジタルSR無線を使用しているとのことである。これに伴い、1969年から実に半世紀以上にわたって列車の安全運行に寄与してきた旧来のアナログ方式のIR無線は、終わりを告げることとなった。

デジタルSR無線の整備に伴って起きていたイレギュラーな車両の動きも終息しつつある中で、思わぬ動きを見せているのが3600形3688編成である。同編成は2020年7月にファイヤーオレンジのリバイバルカラーとなって注目を集める一方、その役回りはデジタルSR無線の対応工事の実施に伴う予備車であった。したがって、デジタル無線への移行完了とともにそのお役目も終了、廃車になるものと思われた。しかし、ここにきて一転、2022年度末になってデジタルSR無線に対応。リバイバルカラーとして3回目の春が訪れている。

D41189.jpg

京成3600形 SRアンテナ
2023.4.25/**

▲3688編成にも取り付けられたデジタルSR無線用のアンテナ。取り付け位置は3668編成と同じで車体の中央付近

こうした3688編成の動きについては、3700形3748編成の代替であることは論を待たないところであろう。2021年12月に6両編成として北総から京成に復帰した3748編成は、2022年11月に不調をきたして運用離脱。その後、編成中の2両が京成高砂で脱線事故を起こした3788編成の復旧のため差し出され、編成が消滅したのは既報のとおりである。これにより6両編成が1本不足することとなったため、急遽3688編成を延命させて補充したという流れで間違いあるまい。

実際に、予備として車庫で休んでいることの方が多かった3688編成だが、3748編成が運用離脱するとその生活は一変。毎日のように本線上に姿を見せるようになった。3688編成としては予備車として余生をのんびりと過ごしていたところ、急に呼び戻されて現役バリバリに復帰させられたような格好である。いやはや、人生、何が起こるか分からない・・・。

いずれにせよ、3688編成の活躍はもう少しだけ見られそうだ。はたしていつまで走ってくれるだろうか。

スポンサーリンク

関連記事

京成3700形 新3788編成が登場

京成3700形3788編成が新しくなって復活。3月2日、2022年11月17日に京成高砂駅構内で発生した脱線事故の当該となり長期の運用離脱を余儀なくされていた3700形3788編成が運用に復帰...

京成3700形 新3788編成が登場
京成3500形・3600形 ワンマン運転用の方向幕が登場

京成3500形と3600形でワンマン運転用の方向幕が登場。京成線で2022年11月ダイヤ改正から実施が始まった閑散区間でのワンマン運転。ワンマン運転を行う列車においては車両前面の貫通扉にワンマン...

京成3500形・3600形 ワンマン運転用の方向幕が登場
京成3600形3668編成 デジタルSR無線とワンマン運転に対応

京成3600形に新たな動き。2017年度より列車無線の更新が絶賛進行中の京成電鉄。2021年4月には新しい無線となるデジタルSR無線の運用が始まったところである。今年度末までの新無線への完全移行...

京成3600形3668編成 デジタルSR無線とワンマン運転に対応
京成3600形3688編成 リバイバルカラーの1年

京成3600形3688編成がリバイバルカラーとなってからまもなく1年が経とうとしている。リバイバルカラーの1周年を記念して、3688編成のこの1年の動きを振り返ってみよう。3688編成が...

京成3600形3688編成 リバイバルカラーの1年
京成3600形3688編成 リバイバルカラーに

京成3600形3688編成がリバイバルカラーに! 7月31日、重要部検査のため入場していた3600形3688編成が出場し、宗吾参道〜八千代台にて試運転を行った。同編成は今回の重要部検査にあたり...

京成3600形3688編成 リバイバルカラーに

最新記事

2025.04.15

京成グループ 車両の動き(2024年度)

京成グループにおける2024年度の車両の動きをまとめてみよう。2024年度の車両の動きの目玉は、やはり3100形以来6年ぶりの新型車両となる3200形が登場したことであろう。今年度は日本車両製の...

  • 京成
  • タグはありません
京成グループ 車両の動き(2024年度)

2025.04.10

京成電鉄 松戸線が開業

Hello! Matsudo Line 4月1日、京成電鉄は新京成電鉄の吸収合併を実施した。これに伴い、新京成線は同日より京成松戸線として運行を開始。1947年12月に新津田沼〜薬園台で産声を...

京成電鉄 松戸線が開業

2025.04.06

京成3000形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2025年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月中旬より3000形において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行った。同社と佐倉市が毎年この時期に実施している観光キャンペーン「桜に染まる...

京成3000形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2025年)

2025.03.31

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

歴史の証人。まもなく終わりを迎える新京成線。そんな同線の歴史を開業から見守り続けてきたものがある。新津田沼駅に設置されている、0キロポストだ。新京成線の距離上の起点が、ここ新津田沼にあることを...

新京成線 新津田沼駅の0キロポスト

2025.03.28

京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。新型車両3200形の導入に伴い、3500形に廃車が発生している。廃車となったのは、3556〜3553と3552、3551で、導入された3200形と同数となる6両...

  • 京成
  • タグはありません
京成3500形 3556編成など6両が営業運転終了

スポンサーリンク