登場から長きに渡る増備・改造で様々な形態が存在する813系。その中でも特異な存在である区分番台のひとつが1100番台…だったのですが、今回は+2000された3100番台のご紹介です。

行き先表示・種別表示を大型化するために設計変更された前面が特徴です。鹿児島本線のほか、日豊本線でも運用されます。

外観は特に変化はありませんが、車番の千の位のみ変更されています。

側面を見ても、行き先表示を大型化したため側窓のひとつが小さくなっています。

で、1100番台は日豊本線でワンマン運転を実施しているため、車端部には運転を補助するための機器が追加されています。一時期、ワンマン非運転対応編成は2100番台という区分になってましたっけ。

車内です。ええ、鉄道ファンのみならず一般利用民からも苦情が大殺到、全席クロスシート車のため乗降に時間がかかってしまう→しかしロングシート化は時間と費用がかかってしまう→よし座席を撤去してしまおう、という脳筋甚だしい場当たり的なダメダメ改造の成れの果てがコレでございます。

最前面です。左側には非常用梯子が置かれています。ワンマン運転時にも扱いやすいようにここに置かれたのでしょう。

天井です。優先座席付近の吊革が濃黄色のものになっており、座席を撤去した区画はこれ見よがしにテープが貼られています。えぇ、立ち席スペース化で頭をぶつけないよう気を付けなはれと言いたいのは分かりますが…。ドア付近のサークル状吊革とか、吊革を支持する金属の円形処理など、見た目面白い処理はされてるのになぁ…！

窓です。日除けは省略、着色ガラスで済まされています。これがまた、直射日光だと厳しいんですよね。奥の窓の上には行き先表示があります。

はい、もうどう見ても問題作となった座席です。ドア付近の固定座席が全て撤去され、元転換クロスシート3列だけが残されています。で、その座席は、両側の転換クロスシートは転換機構をロックされて固定化されています。都合転換可能なのは中央のみ、進行方向後列しか転換クロスシートのメリットを享受出来る席はありません。

かと言って最後列がいいかと言えば、よりによって大昔からネックの窓割り最悪席なんですよね。固定クロスシートの撤去でここまでダメな区画しか残らない、というより着席定員が純減で済ませてしまったのは大問題じゃないっすかねぇ？

優先座席はヘッドレストにカバーが掛けられています。固定クロスシート区画はボックス配置を前提にシートピッチを拡大していたのですが、転換クロスシート区画はそれを前提としていなかった訳で、どうしても足元狭くなっちゃいますよね。

お次は問題の固定クロスシート撤去エリアです。床面に生生しく残された撤去跡、そして壁側にある謎の出っ張り、過去これまでにお粗末で無様な座席撤去があったでしょうか。この出っ張り、立ち席目線で立てば腰を掛けることは出来ますので、どうせ立つのならば使えないわけではありません。

しかし、緊急停止時はどうでしょうか、角がある余計な出っ張りにぶつけて怪我で済めばいいですが、最悪な事態が起きればJR九州はどう説明をするつもりなのでしょうか。電車内である限りリスクは無くならないですが、減らす努力はすべきです。またラッシュ時はともかくデータイムでも座れない人が増える訳で、JR西日本のようにロック付き補助椅子を付けるなり、JR北海道のようにロングシートを設置するなり、本来もう少し賢いやり方があるはずなのです。貧すれば鈍する、完全民営化した結果コスト削減に追われるとこんな末路になる訳ですね。

車端部のボックスシートです。ここは特に変わらず、景色も楽しみたく、どうせボックス区画になるならこちらを選択する方がいいでしょう。座り心地にしても、転換しない分座面の作り込みはいいかと思います。

JR九州はどれだけ車内作りが変わっても、車内美化という観点では古く811系から変わりません。くずもの入れは変わらず継続して設置されています。あ、それでもなぜか蓋が無くなっちゃってます。蓋って臭気対策のはずなんですけどね…。

トイレです。こちらもくずもの入れの蓋が無くなった以外は大きく変わりません。ドアは手動式、開口面積を広げるために持ち手部分を切り欠いた設計にしています。

向かい側の車椅子スペースです。妻面にはSOSボタンが…二ヶ所もありますね。そしてその下には介助者用のジャンプシートがあります。

開いてみました。背ズリも申し訳程度ですが備えられています。介助者用であれば、この程度の気配りはありがたいですね、結果的に一般席はあんなことになっちゃいましたが…。