NO.2826 新製から50年経過する車も現れました、JR九州のDE10形ディーゼル機関車全8両 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)


 
 JR九州には、DE10形ディーゼル機関車が、今回ご紹介しますように8両が所有しておりまして、九州内各地で活躍を行っております。
 
 このDE10形ディーゼル機関車は、車両自体は多く製造されておりましたが、国鉄時代末期に客車列車・貨物列車が大幅に削減された事からその頃の時点で多くが廃車・売却された車両さえもあったほどでした。
 
 それでも、JR九州に所有します車両8両はいわゆる生き残りの車両でもありまして、最も古いもので今年で半世紀の50年にもなります昭和48年製の車両も存在しておりまして、様々な用途におきまして使用される姿が見られております。
 
 
 その様々な用途と言いますと、最も多く見られます姿が、画像1にもありますマヤ34形検測車を牽引します「マヤ検」、唐津車両センター所属の103系1500番台電車で見られますように、検査のため小倉総合車両センターへ入場・出場回送する時や廃車回送時に見られます時、レール輸送やバラスト輸送に使用する時に運行します「工臨」などで見られておりまして、近年では機回しができない駅も見られている事から、画像1・以下画像のようなプッシュプル運転での姿が見られております。
 
 (令和5年3月検測時、1756号機&1638号機)
 
 
 また、以下画像のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」のプッシュプル牽引の際に使用されます牽引機としても使用される場合もありまして、「ななつ星」運行時には博多運転区などの車両基地に入線する際に専用機DF200-7000号機の機回しの必要がない姿を見せております。尚、以前は「ミニクルーズ」として運行された場合にDE10形ディーゼル機関車の姿がありまして、大分地区・長崎地区でプッシュプル運転も行われておりましたが、現在は見られなくなっております。
 
 (「ななつ星 in 九州」、由布院~庄内間運行)~平成25年撮影
 
 
 さらに、熊本~鳥栖間を運行します「SL人吉」でも、蒸気機関車の8620形58654号機の補機として使用されておりまして、画像のように熊本→鳥栖間では最後部、鳥栖→熊本間では最前部としての姿が見られておりまして、当初はヘッドマークの掲出はありませんでしたが、現在は掲出も行われております。
 
 (最後部・1638号機)
 
 (DE10形デイーゼル機関車先頭時)~令和2年「SL鬼滅の刃」時(牽引・1756号機)
 
 (「SL人吉」熊本行き運行時、先頭・1638号機)
 
 
 そして、画像2にもありますように団体臨時列車でも使用される事もありまして、以前は画像2・以下画像のように「SL人吉」用の50系客車を牽引しまして運行されておりましたし、平成27年には24系25形客車の「トワイライトエクスプレス」編成で運行されておりました「(特別な)トワイライトエクスプレス」の牽引に使用されていた事もありまして、JR九州には電気機関車を所有していない事もありまして、牽引機として重連による姿も見せておりました。
 
 (令和元年撮影、「SL人吉」を使用した団体臨時列車)~画像2もです
 
 (平成27年運行、「(特別な)トワイライトエクスプレス」運行時)
 
 
 では、今回は50年になります車両も存在しながらも活躍する姿が見られますDE10形ディーゼル機関車全8両の現在までの履歴に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
 
 
 このDE10形ディーゼル機関車は、以前は以下画像にありますように赤地の「国鉄塗装」の車両でありましたが、平成22年より後述の黒地の塗装に塗り替えられまして、現在は全8両がその塗装となっております。
 
 (「マヤ検」、DE10 1206)
 
 (同、DE10 1209)
 
 (「SL人吉」回送、DE10 1753)
 
 
 その変わりました黒地の塗装も、当初は手すりは赤色でありましたが、のちに金色の手すりに変更されております。また、一部車両は金ナンバーに変わった車両も存在しておりまして、上の画像の「国鉄塗装」時代とは大きく様変わりしております。
 
 (DE10 1753)~平成22年撮影
 
 
 では、ここからはDE10形ディーゼル機関車全8両をご紹介してまいります。
 
 
 まずは、熊本車両センターに所属しております1195号機であります。この機関車は昭和48年に旧熊本機関区に新製配置、以来熊本→大分→鹿児島→熊本と所属を変えながらも九州各地の路線で運行される姿を見る事ができております。この黒地の塗装化は平成24年の全般検査時に塗り替えられておりまして、やはり見た目が変わっている事が伺わせております。
 
 
 次は、同じく熊本車両センターに所属しております1206号機・1207号機・1209号機であります。これら3両は、いずれも昭和48年に旧早岐機関区に新製配置、1206号機は早岐→大分→鹿児島→熊本と転属履歴が、1207号機は早岐→大分→熊本と転属履歴が、1209号機は早岐→香椎→門司→大分→熊本と転属履歴が見られておりまして、九州内各地を所属先を通じて渡り歩いていた事が伺わせております。
 
 (DE10 1206)
 
 (同)~クモヤ443系検測車(現廃車)牽引時(令和3年撮影)
 
 (DE10 1207)
 
 (DE10 1209)
 
 これら3両の黒塗装化は、1206号機・1209号機が平成26年、1207号機が平成27年に塗り替えられておりまして、1207号機・1209号機が金ナンバーになっております。尚、1209号機はJR化後の昭和62年に「お召列車」の牽引機としても松浦線(現・松浦鉄道)・筑肥線(西線)・唐津線・長崎線で使用されていた事もありまして、輝かしい経歴を持つ車でもあります。
 
 
 次は、同じく熊本車両センターに所属します1638号機であります。この機関車は昭和49年に旧熊本機関区に新製配置されまして、以来45年間所属先も変える事もなく運行されております。そんな1638号機の黒塗装化は、平成24年に塗り替えられておりまして、以下画像のように変わっておりましたが、さらに平成30年の全般検査時に金手すりに変わっておりまして、平成27年撮影時のような赤手すりの姿は見られなくなっております
 
 (平成27年撮影)
 
 (令和4年団臨時)~金手すりです
 
 
 そして、1753号機・1755号機・1756号機であります。これらはいずれも昭和52年に製造されたものでありまして、1753号機は東北の旧盛岡機関区に新製配置、翌昭和53年に北海道の旧名寄機関区に転属しましたが、昭和54年より熊本機関区に転属しまして以来、約40年間移ることなく現在に至っておりますし、1756号機は旧亀山機関区に新製配置するも、翌昭和53年に熊本機関区に転属しまして以来、こちらも約40年間移ることなく現在に至っております。
 
 (1753号機)
 
 (1756号機)
 
 また、1755号機に関しましては東北の旧長町機関区に新製配置、翌昭和53年に山形機関区に転属するも、翌昭和54年に熊本機関区に転属しましてこちらも移らず長らく所属しておりましたが、平成15年に鹿児島総合車両所に転属しまして以来、唯一の鹿児島所属車として現在に至っております。
 
 (赤塗装時代)~平成20年撮影
 
 このうち1753号機に関しましては、平成22年に「BSデジタル号」牽引をきっかけにJR九州のDE10形ディーゼル機関車の中では最初に黒塗装化されたものでありまして、上の画像15・以下画像のように赤手すりの車両でありました。のちに、検査時に現在の金ナンバー・金手すりに変更されておりまして、現在に至っております。
 
 (上の画像15とともに平成22年撮影、「唐津くんちホテルトレイン」時)
 
 また、1755号機・1756号機に関しましては、昭和63年より豊肥線熊本~水前寺間の「有明」の牽引車として使用されておりまして、1755号機が485系電車を牽引するために「国鉄特急塗装」に、1756号機に関しましては、783系電車を牽引するためシルバーの塗装に塗り替えられて運行されておりましたが、平成6年の水前寺「有明」の一度廃止に伴い(その後電化後復活)、元の塗装「赤塗装」に変更されまして運行されておりました。
 
 
 こちらの画像は平成31年3月に筑肥線・唐津線「マヤ検」時に牽引機となっておりました1755号機であります。ご紹介しておりますように、この機関車自体は鹿児島車両センター所属車ではありますが、珍しく筑肥線に入線しました貴重な画像でもありました。私も、事前にこの1755号機が入線している事を存じておりましたが、実際に収める事ができた事は正直良かったと思っております。やはり、メインは南九州の車両でもある訳ですので。ちなみに、この1755号機も金ナンバー・金手すりである事がお分かりいただけます。
 
 
 ここまでご紹介しましたDE10形ディーゼル機関車でありますが、新たなディーゼル機関車としてDD200形700番台が導入されておりまして、既に運行されている姿が見られております。現時点では増備車の動きは見られておりませんし、DE10形ディーゼル機関車8両にも動きはありませんが、今後増備車が見られる事になりますと本格的に置き換えとしての動きも見られてくるのではないかと思われます。したがって、JR九州に全8両存在しますDE10形ディーゼル機関車にも動きがあるのではないかと思われますが、50年になる車も見られている事を思えばあり得てしまう所でもありましょうか。
 
 
 今回は、50年になる車も現れました、JR九州のDE10形ディーゼル機関車全8両に関しましてご紹介しましたが、現時点ではいずれの車も様々な形におきまして使用する機会があるという事で使い勝手がいいという事が伺わせております。ただ、やはり50年前後になりますディーゼル機関車達でもありますので、最近では故障もあちこちで見られる機会も多くなりつつあるのが現状でもありまして、そう思いますと近いうちにDD200形700番台ディーゼル機関車の増備車導入もやむなしかなとも思う所ではあります。とにかく、現在使用頻度はある方ではありますので、今後も大切に使用していただきたいと思う所ではあります。