ドリドリっちの鉄道ブログ

おもに駅訪問や券売機など、鉄道関連の話題を記述していくブログ。

4月からのICOCA導入に備え、下関駅の改札口に変化が

JR西日本は2023年4月1日の始発より、山陽本線の(徳山・)新南陽下関駅間と山口線山口駅湯田温泉駅の計22駅にて、ICOCAのサービスを開始することを発表しています。
これにより、ICOCAを含むSuicaSUGOCAなどの相互利用可能なICカード10種が同日から利用可能となる予定です。
この記事では、4月1日から新たにSUGOCAICOCAの境界駅となる下関駅の改札口の動向について記述していきます。

もくじ

改札機交換前・2月21日撮影

まずは、自動改札機が交換される前の2023年2月21日に撮影した下関駅の改札口の画像です。

出場側


出場側から撮影した画像。
JR九州仕様の改札機が4台設置されています。
出場側から見て、左側の2台は出場専用機です。
ICカードは九州方面・SUGOCAエリアからの出場のみに対応。
下関駅JR西日本の駅ではありますが、JR九州仕様の自動改札機(日本信号製)が2003年12月ごろに導入されました。
改札機の機種は当初GX-7でしたが、2020年ごろに現行機のGX-8に交換されています。
JR西日本の駅でありながら、JR九州仕様の自動改札機が導入されているのは境界駅ならではといえる光景です。

入場側


続いて、入場側から撮影した画像です。
入場側から見て、いちばん左の改札機は入場専用です。
ICカードは九州方面・SUGOCAエリアへの入場のみ対応しています。幡生・新山口・徳山方面への利用はできません。
この当時は改札機交換などの目立った動きはなく、設置されている自動改札機がICOCA導入前後にどうなるのか、なかなか予想ができませんでした。
ただ、後日、この画像を見たTwitterのフォロワーさんから、有人改札付近にシートが敷かれているとの指摘があり、近く改札機の交換など、何かしらの変化はあるだろうと見ていました。

2月21日のツイート

改札機交換後・3月16日撮影

続いて、設置されている自動改札機に変化があった後の3月16日に撮影した画像です。

出場側


出場側から見て、右側2台がJR西日本仕様の自動改札機(JR西日本テクシア製AG70)に交換されました。
加えて、ICOCAエリア(徳山・新山口・幡生方面)からの出場に対応することを示すため、青色のカラーリングが施されています。
SNSなどの情報や下関駅の掲示物などによりますと、一部の自動改札機の交換が行われたのは、私が訪問する前の前日、3月15日だったとのことです。
このときには、出場側から見ていちばん右(左から4番目)の改札機のみJR西日本仕様のものに交換されていましたが、右から2番目(左から3番目)の改札機は、まだJR九州仕様でした。
私が訪問した3月16日には、自動改札機がさらにもう1台JR西日本仕様のものに交換され、改札機の交換が完了した形です。
左側の2台は改札機交換前と同じくJR九州仕様の自動改札機ですが、SUGOCAエリア(博多・小倉など九州方面)からの出場に対応することを示すため、新たに赤色のカラーリングが施されました。
今回行われた自動改札機の一部交換により、SUGOCAエリアからICカードの残額で乗車した場合、下関駅で出場するときは、赤色の改札機のみで対応するように変更されました。
このような場合、青色の自動改札機にタッチしてしまいますとエラーになりますが、赤色の改札機にタッチしなおすことで、残高が引き去られ、改札機を通過することができます。
記事内に動作検証時の動画を添付したツイートを掲載しておりますので、参考になさってください。
なお、きっぷや下関駅を含む磁気・IC定期券などはどちらの色の改札機を利用してもかまいません。
さらに、4月1日からは、ICOCAエリア、徳山・新山口・幡生方面からの出場時は青色の改札機のみ対応することになります。
ICOCAエリアからICカードの残額で乗車した場合、下関駅では青色の改札機のみで対応することになるものと思われます。
こちらは、4月のICOCA導入以降改めて確認したいと考えています。

入場側


入場側にも変化がありました。
入場側から見て、左側2台がJR西日本仕様の自動改札機に交換。さらに、入場専用だったいちばん左の改札機が入出場兼用となりました。
入場時は、きっぷ・ICカードを問わず、すべてJR西日本仕様の自動改札機を通過する形に変更されています。
なお、出場側に施されている改札機のカラーリングは、入場側には施されていません。
この記事をご覧になっていらっしゃる方のなかには、「下関駅から小倉駅といったように、下関駅からICカードSUGOCAエリアへ乗車する場合は、JR西日本仕様の改札機にタッチして大丈夫なの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
私も一瞬そう思いましたので、その疑問を解消するために下関駅門司駅の乗車にSUGOCAを使って検証してみました。
改札機交換後は、新たに下関駅に設置されたJR西日本仕様の改札機にICカードをタッチして通過するだけでSUGOCAエリア利用時と同じく入場処理が完了目的地のSUGOCAエリアの改札機にタッチして改札機を通過・出場できることを執筆者が3月16日に確認しています。
記事内に実際に検証した際の動画を添付したツイートを掲載しておりますので、ご確認いただければ幸いです。
4月1日からICカードのエリア境界駅となる予定の下関駅で入場時と出場時の改札機の通り方が変わったことについて、先例となっている熱海駅米原駅、神津駅、亀山駅の例で考えてみます。
入場時は下関駅の駅コードをICカードに書き込むのみであるため、下関駅で入場し、目的地の駅がICOCAエリア・SUGOCAエリアどちらの駅の場合であっても、JR西日本仕様の改札機で対応できるものと考えられます。
しかし、下関駅での出場時に、改札機がエリアごとに別々となったのは、改札機にICカードの運賃計算データベースが内蔵されており、1台の改札機でICOCAエリア、SUGOCAエリア両方に対応することになると、あまりにもデータ量が膨大になってしまうため、入場したICカードのエリアごとに自動改札機を分けることになったものと考えられそうです。

3月16日のツイート

下関駅掲示物(3月16日撮影)

3月16日に下関駅を訪れた際に撮影した、ICカード関連の掲示です。
掲示物のほかにも、九州方面からの列車が到着した際には、複数の駅員さんが、九州方面からICカードの残額で乗車された場合は赤色の改札機を利用するよう呼びかけていました。
以下に掲載する画像は、1枚目が改札口付近に、2~5枚目がホーム上にそれぞれ掲示されていたものです。





感想など

3月16日午前に下関駅でしばらく改札口付近の様子を見ていたのですが、まだまだ新しい改札口の通り方に慣れていないためか、SUGOCAエリアから乗車された方が誤って青色の改札機にタッチしてしまう、といった光景がときおり見られました。
4月1日からはICOCAエリアが拡大し、徳山・新山口・幡生方面からICカードの利用が可能となりますが、下関駅では新山口方面⇔九州方面の列車のほとんどがホーム上で対面乗り換えが可能となっている、かつ相互の列車の乗り換え時間が短い列車があることなどもあり、誤って下関駅のエリア境界をまたいでしまう、といったことも考えられます。
SNS上では、Suicaエリア⇔TOICAエリアなどといった形でエリア境界駅を過ぎてICカードのエリアまたぎをうっかりしてしまい、ICカードの処理が必要となるために有人改札や自動精算機に長い列ができる様子がたびたび投稿されています。
4月1日のICOCAエリア拡大以降、小倉駅新下関駅などでエリアまたぎへの対応が増えるのではないか、と心配する声もSNS上で見かけており、事業者側としては、エリアまたぎをしないよう周知徹底を図る、場合によってはエリアまたぎ時の精算ができるよう、自動精算機を改修するなどの対応も今後必要となってくるかもしれません。

下関駅ICOCA導入に向けた自動改札機以外の動向はこちら

(2023年3月31日公開)

ホームページへのリンク

ICOCAエリア拡大について、詳細はJR西日本のホームページをご覧ください。
JR西日本 2022年12月21日発表 「在来線(山口エリア)および山陽新幹線でのICカードサービス拡大 ~2023年4月1日(土)スタート!~ 」
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221221_00_press_icocakakudai.pdf
JRおでかけネット ICOCA

ICOCA導入 詳細パンフレット
https://www.jr-odekake.net/icoca/assets/pdf/icoca_20230327.pdf
レスポンス 「JR西日本ICOCAエリア拡大…山陽本線全線に対応、山口線の一部も 2023年4月1日」2022年12月22日公開

(記事作成および暫定公開 2023年3月28日 本公開 2023年3月29日 最終更新日 2023年4月19日 一部文章表記を変更)