奇跡の復活!185系
2021年3月ダイヤ改正で特急「踊り子」の定期運用から撤退した「最後の国鉄特急電車」185系。
その後は2021年7月3・4日運行の快速「谷川岳山開き号」を最後に一般臨時列車からも撤退、現在では鉄道ファン向けの団体臨時列車としてのみ使用されています。
廃車も進行し、近いうちに全廃のときがやってくる……
…と思いきや。
「草津」「あかぎ」「スワローあかぎ」に運用されていた651系の2023年3月ダイヤ改正での引退、そしてそれに伴い本来「波動用(臨時列車用)」だったE257系5500番台の「草津・四万」「あかぎ」投入によって波動用車両が不足したことにより…
めでたく、185系の一般臨時列車への復帰が決まりました!
一般臨時列車としての復帰第一号は2023年4月22日・23日・5月3~6日運行の特急「あしかが大藤まつり号」の予定でしたが、さらに追加で3月に別の一般臨時列車に充当されることが発表されました。
それは特急「とちぎ1号」。
3月25日に大宮→宇都宮間を片道のみ運行する臨時特急です。
これはJR東日本が行っていた「2023 冬のとちぎ観光キャンペーン」のフィナーレを飾る列車で、「栃木いちご」と「とちぎ1号」、「185系(いちはちご)」を掛けたネーミングのようです。
185系を使用するというのも注目ですが、それ以上に注目すべきポイントは、「C1編成」を使用するというもの!
前年の上越新幹線開業40周年記念で当時上野~大宮間で運行された「新幹線リレー号」のリバイバル運行を行うにあたりC1編成には「新幹線リレー号塗色(新特急色)」が再現されています。
今回はC1編成が新幹線リレー号塗色になってから初の一般臨時列車運用となるのです。
そのような事情もあって指定席はあっという間に売り切れ。
私はもともとこの列車に乗る予定はありませんでしたが、関東方面に行くことになったため空きが出ないかときどきチェックしていたら、2日前に見事獲得できたので乗車できることになりました。
大混雑の大宮駅
ということで、始発地の大宮駅にやってきました。
側線には3月18日ダイヤ改正で引退したばかりの651系が分割されて留置されています。
185系を高崎線から追いやった651系が185系より先に引退するとは…
なかなかに皮肉な話です。
よく見るともう何両か留置されていました。
「とちぎ1号」が入線する7番線に向かいます。
降り立ってみてびっくり!
ホームにはまるでラストランかのように人が集結しています。
数年前までは185系が来るといってもこんなに集結することはなかっただけに隔世の感ですね~
人の多さに圧倒されつつ待つことしばらく。
9:20頃、東大宮操車場からC1編成が入線してきました!
白い車両に緑色のライン、そしてJNRマーク。
新幹線リレー号塗色です!
なお実際の新幹線リレー号は200番台で運用されたため、0番台であるC1編成が新幹線リレー号に使われることはありませんでしたが、そこはまあ、イメージということで…
幕が「回送」から回され、「ホームライナー 鴻巣」とか、
「ホームライナー 古河」とかの今は無い列車の幕が現れた後…
臨時特急で止まりました。
ホームでは大宮駅の駅員さんが横断幕を持ってお見送りしていました。
先頭付近は大混雑!
なんとか写真を撮ります。
こちらは今回のために用意されたヘッドマーク。
いちごをあしらったデザインがかわいいですね。
号数が入ったマークというのもかなり珍しいかも。
車内に入ってみました。
この感じ…!
踊り子号で乗ったときのことを思い出します。
やはりJR型とはぜんぜん違う雰囲気ですよね~
鉄道ファンが大勢乗り込んできました。
9:30、多くのファンに見送られて、今日だけの特急「とちぎ1号」は大宮を発車しました!
宇都宮線をひた走る
発車するとさっそく鉄道唱歌のオルゴールチャイムが流れ、車内放送が始まりました。
「この列車は185系C1編成を使用し~」とか言ってて面白かったです。
実態はどうあれ一応マニア向けではない列車のはずですが(笑)
列車は雨模様の宇都宮線(東北本線)を一路宇都宮へ向け走っていきます。
先行を行く列車に抑えられているようで速度は控えめ。
3月下旬ということで、車窓からもあちこちに咲いている桜を楽しむことができます。
大宮から2駅先の東大宮を過ぎると有名な撮影地を通過します。
東大宮と蓮田という駅の間にあることから「ヒガハス」と通称されるこの撮影地には…
あいにくの雨模様にも関わらずたくさんの撮り鉄の方々が集まっていました!
185系効果がすごい…
ここで、乗車記念証の引換券を配るという放送が流れました。
しばらくすると係員さんがやってきて、引換券と栃木のパンフレットが入った手提げビニール袋が配布されました。
この券を宇都宮駅の専用ブースに持っていくと引き換えられるようです。
栃木県へ
引換券をもらったところで車内を見て回ります。
といっても大混雑なので少しだけ…
このいかにもなデザインの洗面台も国鉄っぽいですよね~
国鉄らしさは随所に。
列車は栗橋駅を通過。
東武日光線との接続駅で、直通特急が走る連絡線が東武側へと分かれていきました。
これより先の宇都宮線は定期特急が走らない区間です。
栗橋の先で利根川を渡ります。
利根川を渡りきると高架区間へ。
ちょうど高架に沿って桜が咲いていてきれいでした。
古河を通過。折り返し列車もある拠点駅で、宇都宮線では栗橋(埼玉県) - 古河(茨城県) - 野木(栃木県)とこの駅だけが茨城県に属します。
まるで肥薩線真幸駅のよう。
これより先は列車の名前の由来となった栃木県に入っていきます。
とちぎ1号の旅もあと少し。
列車は小山駅を通過。新幹線の停車駅ですが、この列車は華麗に通過します。
小山の先、小金井を過ぎると右手には小山車両センターが見えてきます。
E231系・E233系・E131系に交じってすでに引退した205系「いろは」もいました!
乗りたかったなあ…
宇都宮に到着
再び鉄道唱歌のチャイムが流れ、宇都宮到着放送が流れ出しました。
なぜか2023年8月開業予定の宇都宮ライトレールの乗り換え案内が流れ、「8月までお待ちください」と。
そんなに長い時間待たせる乗り換え案内って初めて聞きました(笑)
10:45、1時間15分の旅を終え、列車は終点の宇都宮に到着しました。
地元の方と駅社員、そしてゆるキャラが横断幕で歓迎してくれました!
そんな中、185系は幕回し。
なぜか一回「特急ホームタウンとちぎ 黒磯」で幕が止まりました。
ホームタウンとちぎは2010年まで運行されていたホームライナー的性格の列車。
この「とちぎ1号」の前身に当たります(?)
改めて185系C1編成を撮影。
JNRマークまでしっかり再現されているのがいいですよね。
対岸ホームからも。
大宮ほどではありませんが、宇都宮駅もまた多くの人が集まって写真を撮っていました。
乗車記念証をもらいに
改札の外に出て、乗車記念証をもらいに行きましょう。
引換券を渡して…
特設ブースで受け取り。
一緒にいちごジュースもいただきました!
ということでこちらがとちぎ1号の乗車記念証です!
いちごをあしらったかわいいデザインの乗車記念証。
硬券タイプでした。
ということで栃木いちごにちなんで運行された「とちぎ1号」の旅が終わりました。
いちごのかわいいヘッドマークや乗車記念証といい、宇都宮線ノンストップの運行といい、楽しむことができました!
まだまだ活躍しそうな185系。
今後はどんな列車として走るのか、楽しみですね。
続きます。
★乗車データ
9033M 特急とちぎ1号 宇都宮行き 大宮(9:30)⑦→宇都宮(10:45)⑤ 185系C1編成
※2023年3月25日乗車