神戸市営地下鉄の板宿駅リニューアル「デザイン投票」3案を公表



神戸市交通局は神戸市営地下鉄西神・山手線の板宿駅で実施する大規模リニューアルについて、同駅のデザイン案を公表した。A~C案の三つのなかから選ぶ「市民投票」を3月17日から始めた。

A案のコンセプトは「『まちの継承』~アーケードをモチーフに過去・現在・未来と続くまちを表現~」。板宿本通商店街のアーケードをモチーフに商店街から連なる駅空間とし、木調の素材感で「まちの温もりや優しさ」を表現。天井面に反射した間接照明で柔らかい空間を創出するという。

A案のホーム。【画像:神戸市交通局】
A案のコンコース。【画像:神戸市交通局】
A案の地上出入口。【画像:神戸市交通局】

B案は「『まちの拡がり』~縦横に拡がる商店街の街割りを基調にした格子状デザイン~」がコンセプト。複数の商店街で形成される街の区割りをモチーフにした。木調と金属パネルの素材感で「洗練されたデザイン」にしたという。

B案のホーム。【画像:神戸市交通局】
B案のコンコース。【画像:神戸市交通局】
B案の地上出入口。【画像:神戸市交通局】

C案のコンセプトは「『まちの活気』~まちの賑わいと温もりを落ち着いた調子で表現~」。改札口や券売機などのエリアは円形の飾り天井でデザインし、木調の素材感で「まちの温もり」を表現した。須磨区の花に指定されているコスモスや同区の木であるマツをイメージし、ピンク色や緑色によるアクセントを各所に配置する。

C案のホーム。【画像:神戸市交通局】
C案のコンコース。【画像:神戸市交通局】
C案の地上出入口。【画像:神戸市交通局】

「市民投票」と題しているが、神戸市民でなくても投票は可能。交通局のウェブサイトで4月16日23時59分まで投票を受け付ける。結果発表は4月下旬の予定。

西神・山手線は新神戸~西神中央の22.7kmを結ぶ神戸市の地下鉄。最初に新長田~名谷が1977年に開業し、同時に板宿駅が開業した。

交通局によると、板宿駅は開業から46年が経過。施設の老朽化が顕著なため、コンコース階(改札階)やプラットホーム階の内装と地上の南東出入口2カ所、南西出入口1カ所をリニューアルすることにした。同時に天井裏の配線・配管や照明などの設備更新を実施。安全性と快適性を向上させるとともに施設の長寿命化や省エネルギー化を実現し、トータルコストやランニングコストの低減も図るという。

交通局はリニューアルデザインについて「デザイン性を重視し、明るく快適で高質な駅空間をご乗客のみなさまに感じられるよう、現在のイメージテーマ『板』のデザインも一部継承しつつリニューアルします」としている。工事は2024年度に着手し、2026年春頃の完成を予定している。

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