三井芦別鉄道キハ100形(→関東鉄道キハ710形→鹿島鉄道)の笛覆いと雨どい

 1958年、北海道の芦別にあった三井鉱山に、初のディーゼル動車キハ100形3両が登場しました。1960年には鉄道部門が独立して三井芦別鉄道となりましたが、1972年に旅客営業が廃止されてしまったため、キハ100形は不要となりました。
(貨物営業はその後も継続し、1989年に鉄道が廃止されました。)

写真1 キハ711

写真2 キハ711

 1972年、キハ100形は3両とも関東鉄道に引取られてキハ710形となり、鉾田線で走り始めました。関東鉄道鉾田線は1979年に鹿島鉄道に分離されましたが、キハ710形は大きな改造もされず、1991~1992年に廃車となるまで活躍しました。

写真3 キハ711

写真4 キハ712

写真5 キハ712笛覆い拡大

 ところでこの車両、前照灯の右隣りに笛(警笛:圧縮空気で吹鳴する)がありますが、笛覆いの形状がちょっと変わっていました。写真3と写真4を見るとわかる通り、笛覆いの上半分はひさしのように突出しているのです。さらにキハ712には写真5のように突出部に網が取付けられています。三井芦別時代からのものです。これは雪により笛覆いがふさがれてしまう(空気が通りにくくなる)ことを防止するためのものと考えられます。雪国北海道ならではの装備ですね。

写真6 雨どい拡大

 キハ710形にはもうひとつ特徴的な部位がありました。雨どい管がなく、写真6のように雨どい端部が開放されているのです。雨が降るとここから雨水が垂れてきます。北海道は梅雨がないぐらいですから、あまり気にならなかったのかもしれません。

 では関東鉄道あるいは鹿島鉄道でキハ710形に雨どい管が取付けられたかというと、三井芦別時代と変わらないままでした。

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さかてつでした…