ストーブ列車

日本全国の観光列車の中で、最も歴史があるのは、津軽鉄道が1930(昭和5)年から運行しているストーブ列車ではないでしょうか。

当時は暖をとるためのストーブ列車でしたが、現在では車内にだるまストーブを設置している珍しい列車として、もっぱら観光用になっています。


その名のとおり、12月~3月の期間に毎日運行され、乗車券に加えてストーブ列車券(500円)を買えば、誰でも気軽に乗車することができます😉

⚠️予約制ではありません。

⚠️津軽五所川原11:50発の便は混雑しますので、避けたほうが無難です(特に大人の休日俱楽部パス期間)。

⚠️津軽フリーパスでは、ストーブ列車に乗車することはできません。

 

津軽五所川原駅

ストーブ列車が運行しているのは、津軽鉄道の津軽五所川原~津軽中里間。

今回は「JR東日本パスファイナル」の期間でしたので、混雑を避けて月曜日の14:48発の列車を選びました。

まずはJRの五所川原駅に隣接する、津軽鉄道津軽五所川原駅に向かいます。

 

 

何ともレトロな駅舎ですが、もちろん現役です。

駅舎内に入ると、さらにレトロ感が増していました。

 

改札口上の時刻表は、昭和初期のものなのを思わせますが、リアルに使い続けられているのでしょう🤔

 

 

まずは、窓口で往復の乗車券とストーブ列車券を購入します。

(帰りのストーブ券は、折り返しの津軽中里駅で買うようにとのことでした。)

 

硬券自体も珍しいですが、往復タイプの硬券はかなり珍しいのです🙌

ダッチングマシンに2回通すことで、両側に日付を標記する仕組みなのですね。

 

ストーブ列車券は、記念に持ち帰ることができます。

 
 

きっぷの購入が終わり、折り返しの列車が到着すると改札が始まります。

 

だるまストーブがある客車

ホームに向かうと、まだ入換作業中。

 

先頭には、ストーブ列車券なしで乗れる一般の気動車が2両連結、後ろ2両が旧型客車のストーブ列車という編成です。

旧型客車2両のうち1両は、団体客専用になっていました。

個人客と団体客を完全に分離するのは、個人客からしたらありがたいです😌

 

 

客車をよく見ると「日本国有鉄道」「大船工場」などの銘板が見て取れます。

かつて、どこの路線で活躍した車両なのでしょうか🙄

 

 

ストーブ列車は自由席なのですが、特等席は何と言ってもストーブの目の前です👍️

 

 

だるまストーブ自体、なかなか目にすることがないですし、列車の中にあるだるまストーブとなれば、それ自体が観光資源になります✨

 

 

天井を見上げれば、年季の入った網棚や照明が雰囲気を盛り上げ、ストーブの煙突が天井を突き抜けています。

 

 

このストーブの管理をするのは車掌さんの仕事のようで、石炭を入れたり、燃えカスを取り除いたりしてくれます。

 

 

しかし、ストーブ列車の魅力は珍しいだるまストーブだけではありません。
 

スルメと日本酒

列車が出発する前から、車内では車内販売が始まります。

一番のウリは、車内のストーブで焼くことができるスルメ(700円)です。 

そういえば、車内に乗り込んだ瞬間に、スルメの匂いが充満していました😁

 
 
缶ビール(350円)もありますが、ここはやはりストーブ酒(350円) でしょう。
ストーブ酒は八戸の「八鶴」という銘柄です🍶
 
スルメとストーブ酒を購入して、準備万端です😋
 
 
スルメの袋を開けて待っていると、アテンダントさんが順番に回ってきて、車内のだるまストーブで焼いてくれます。
この様子を目の前で見学できるので、ストーブの目の前が特等席というわけです😎
 
 
焼き上がったスルメは、アテンダントさんが食べやすい大きさにちぎってくれますので、乗客はお酒を飲みながら待っていれば良いというわけ。

焼きたてのスルメはアツアツで柔らかく、ついついお酒が進んでしまいます😅
 
 
ストーブ列車というより、スルメ列車という感じもしますが、この列車を楽しむにはスルメ抜きでは語れません。
 

沿線のみどころ

3月ということもあり雪は少なめでしたが、車窓に広がる津軽平野を眺めながら、スルメをしゃぶりつつ、日本酒を頂きます。
 
 
後方もなかなかスリリングです💦
 
 
スルメが一段落すると、アテンダントさんが津軽弁で車窓のガイドをしてくれます。
 
まず案内してくれたのが、嘉瀬(かせ)にある「夢のキャンバス号」という落書き列車。
これはテレビ番組の企画で、香取慎吾さんが地元の子供たちと一緒に、車体に絵を描いたもの🎨
 
 
嘉瀬駅を出ると車窓左手には、岩木山の稜線がきれいに見えてきます。
また、田んぼの中には白鳥の姿も見られました。
 
 
案内の合間にアテンダントさんにポーズをとってもらいました。
「津鉄」の半纏が、決まっています😏
 
 
列車は金木(かなぎ)へ。

ここは沿線観光の中心駅で、太宰治の生家である斜陽館(徒歩7分)がありますし、隣の芦野公園(あしのこうえん)までも歩くことができます。
 
 
続いては隣の芦野公園駅
実はこの駅は太宰治の小説「津軽」に出てくるのです。
「ぼんやり窓外の津軽平野を眺め、やがて金木を過ぎ、芦野公園といふ踏切番の小屋くらゐの小さい駅について、金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、そんな駅は無いと言われ憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言ひ、駅員に三十分も調べさせ、たうとう芦野公園の切符をせしめたといふ昔の逸事を思い出し…こんなのどかな駅は、全国にもあまり類例が無いに違ひない。」
 
また桜がきれいに咲く駅としても有名ですね🌸
 
 
帰りに小説「津軽」を買わなくてはと思いつつ、五所川原から45分、終点の津軽中里(つがるなかさと)に到着します。
 
「日本最北の私鉄」という看板を目に、はるばる遠くにやってきたという感じがします😌
 
 
ここからは、折り返して五所川原駅に戻るルートのほか、事前予約制の乗合タクシーで北海道新幹線奥津軽いまべつ駅に抜けることもできます。

 五所川原のみどころ

乗車した津軽五所川原駅の構内にもみどころがあります。

それは構内で見られる車両たち。



除雪で活躍するレトロなラッセル車や、元西武鉄道で活躍していた客車たち。
痛みが激しいのが残念ですが、貴重な車両です。

 


そして観光目線でおすすめしたいのが、五所川原駅から徒歩5分の場所にある立佞武多(たちねぷた)の館

入館料650円を支払って館内に入ると、豪華絢爛な立佞武多を3台見ることができます。

 


この施設のスゴいところは、立佞武多が展示用ではなくホンモノだということ。

8月のお祭りの日には、建物の側面が開いて、この立佞武多が外に繰り出すということでした😀


リゾートしらかみ号のチケットを持っていると入館料が割引になるサービスもありますので、ぜひ足をお運びください。


 ↓天然温泉がある五所川原駅徒歩4分のホテル。

 

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