湖西線や草津線「緑の113系」まもなく引退 京都鉄道博物館で特別展示



JR西日本の吹田総合車両所京都支所に配置されている113系電車が3月末に引退することが決まった。これに伴い、京都鉄道博物館で京都支所の113系が特別展示される。

草津線を走る113系。【撮影:草町義和】

展示期間は4月13~18日。JR西日本の営業用の線路とつながっている京都鉄道博物館の引込線(本館1階「車両のしくみ/車両工場」エリア)で、京都支所の113系4両を展示する。

期間中の4月14~16日は、中間車(モハ113-5716・モハ112-5716)の車内を10~16時に見学できる。また、拡張現実(AR)技術を活用した湘南色・更新色塗装の113系を撮影できるイベントも11~12時(受付終了11時30分)と13~14時(受付終了13時30分)、15~16時(受付終了15時30分)に実施する。参加にはスマートフォンがタブレット端末が必要だ。

入館券と113系の記念グッズをセットにしたチケット(一般2100円)を予約サイト「アソビュー!」で4月11日16時30分~5月30日16時30分(引換期間は4月13日10時~5月30日16時30分)に販売。ほかにも4月13日の10~17時に京都鉄道博物館のミュージアムショップで特別展示を記念したアクリルキーホルダーなどのグッズが販売される。

113系は国鉄時代の1964年にデビューした直流近郊型電車。先にデビューした111系電車のモーター出力を強化したタイプだ。両開きドアを片側3カ所に設けて車内はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートを採用。これが国鉄普通列車の標準的なスタイルとなり、111系とあわせ3000両近くが製造された。

京都支所に配置されている113系は深緑一色で塗られている。【画像:京都鉄道博物館】

1987年の国鉄分割民営化に伴いJR旅客会社が引き継いだが老朽化のため順次引退し、現在も113系を運用しているのはJR西日本の1社だけになった。京都支所の113系は「京都地域色」と呼ばれる深緑一色で塗装されており、東海道本線(琵琶湖線)や湖西線、草津線など、おもに滋賀県を中心としたJR線で運用されてきた。

京都支所に配置されている国鉄電車は113系のほか117系もあるが、こちらも長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」編成を除き3月末に引退の見込みだ。

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