2023年3月18日、いよいよ相鉄新横浜線・東急新横浜線が開業し、相鉄と東急の相互直通運転がスタートしました。明日からはいよいよ平日ダイヤも稼働し始めます。

 そこで今回は、相鉄線・東急東横線・東急目黒線の朝ラッシュダイヤについて、改正前後のダイヤを比較しながら徹底解説します!!なお、日中ダイヤについての解説記事は、以下のリンクからご覧くださいね音譜

 

 

 では、早速みていきましょう爆  笑

 

(1)相鉄線・新横浜線

【改正前】

【改正後】

 改正前は、JR線直通列車は概ね20分間隔、全て特急で運行されており、JR線直通特急以外の列車は全て横浜行きで運行されていました。

 改正後は東急線直通列車が最大12本/h設定され、JR線直通列車と合わせると約5分間隔で東京方面への列車が走ることとなります。改正前は東京直通列車が20分間隔だっただけに、劇的に増えることになりますね爆  笑

 渋谷・新宿方面へは、東横線直通列車・JR線直通列車のどちらを利用してもアクセスできますが、所要時間はJRのほうが短くなっています。JR線は遠回りながら駅が少なく、線形が良いというのが理由でしょう。

 新横浜や都心アクセスの利便性は飛躍的に向上する一方、相鉄沿線から横浜へ向かう列車が減り、二俣川や西谷で乗り換えとなる場面が増えることになりました。、横浜方面へ向かう乗客にとってはやや不便となるダイヤ改正といえそうです。

 また、列車の行き先のバリエーションが増えるので、鉄道好き以外の人にとっては分かりづらい点が懸念されます。

 

(2)東急東横線

【改正前】

【改正後】

 

 

 プレスリリースにあったとおり、菊名始発の各駅停車4本/hが、新横浜線からの急行列車に変わります。通勤特急は毎時4本のまま、急行は毎時4本→8本に増加、普通列車は毎時12本→8本に減少します。

 もう1つの大きな変更点は、普通列車が新たに祐天寺で通勤特急や急行の通過待ちを行うようになることです(時刻表中で黄色に塗られている部分)。

 改正前は祐天寺で通過待ちを行う普通列車は限定的で、朝ラッシュのピーク時は祐天寺での通過待ちを行わず、自由が丘から渋谷まで先着していました。改正後は朝ラッシュのピーク時全列車が祐天寺で通勤特急や急行に追い抜かされることになります。

 今回の改正で普通列車4本が急行列車に変わり、急行列車のキャパシティが増大するため、祐天寺で普通を追い抜かすダイヤとして、普通列車の利用者の一部を通勤特急や急行に誘導させる狙いがあるとみられます。

 

(3)東急目黒線

【改正前】

【改正後】

 

 原則として普通列車は日吉始発、急行列車は新横浜線からの直通列車となります。もう1つのポイントは、急行が普通列車を追い抜かす場所が変更となっていることです。

 改正前のダイヤでは、急行は武蔵小山で普通列車を追い抜いていましたが、改正後は4駅手前の奥沢で追い抜くようになっています。(時刻表中の黄色部分) これにより、朝ラッシュピーク時の急行の日吉→目黒間の所要時間が22分から20分に短縮されます。

 また、奥沢と武蔵小山の両方で普通列車を追い抜かす急行(時刻表中の赤線で囲われているもの)も朝ラッシュピーク時前後に設定され、1本から5本に増えています。これらの急行は日吉→目黒を16~18分で結んでおり、日中ダイヤと変わらぬ速達性を発揮しています。

 待避駅が奥沢駅となり、武蔵小山での待避がなくなることで、大岡山~不動前間の各駅から目黒方面へ向かう乗客がいくらか急行列車から普通列車に流れるため、急行に集中しがちだった利用が、少しは普通列車へ分散されるとみられます。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。東急線との直通運転開始により、相鉄から東京都心が一気に近くなるようなダイヤに変貌します。利便性は増大するものの、乗り入れ先が多い分、ダイヤ乱れの影響が大きくなることや、乗客がわかりづらい思いをすることが増えることが予想されるため、ダイヤ策定や案内の部分で今後も工夫が求められそうです。

 東急線内をみてみると、東横線・目黒線ともに普通列車の待避駅が変更となっています。祐天寺駅は2017年3月、奥沢駅は2022年3月に追い越し設備(通過線)が供用されるなど、比較的最近になって列車の追い抜かしができるようになりました。

 今までは両駅で追い抜かしを行う列車はごく少数でしたが、今回のダイヤ改正からはいよいよ本格稼働することになりました。これにより急行列車のスピードアップや遅延の防止に役立つと考えられるので、より早く、遅延に負けない路線になることを期待したいです!!