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【大阪駅を通過】うめきたホーム特急から観察 地下化で生まれた梅田峠!?

2023年3月14日

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関西で随一のターミナル駅、大阪駅。

大きな屋根が特徴的で、周りは駅ビルで固められた構造。この大阪駅が2023年春、更に大きくなります。

 

大阪駅周辺には旅客列車を邪魔しないよう、大阪駅を通らない貨物線が2本敷設されています。

 

今回大きく変わったのが、そのうちの一本である梅田貨物線です。

特急はるか、特急くろしおは梅田貨物線を走るのですが、大阪駅を避けていた故に大阪駅での乗降ができませんでした。

そこで、この貨物線を地下化して大阪駅近くに通し、地下ホームから乗れるようにしたのです。

 

線路切替工事が行われ、2月13日から供用開始された梅田貨物線地下線。大阪駅の地下ホーム「うめきた地下ホーム」を通るようになった訳ですが、まだ列車はここに停まりません。

ダイヤ改正までの1ヶ月だけ、大阪駅を通過する光景を見られるのです。駅が開業したらもうできないであろう「大阪駅通過」、今だけの貴重な体験をしてみることにします。



うめきた地下ホームへの導線

まだ使用開始前のうめきた地下ホーム、至る所で案内の看板にはシールを貼って隠されています。

 

南側のホーム端が延長されており、そこから階段が降ろされて、うめきた地下ホームへの通路へ導いてくれます。

 

地下通路への階段は各ホームから繋がっていますが、一番端の11番線ホームからは直接行けず、一度自由通路を通る必要があります。

 

この先はまだ入れないエリアなので、看板には既に「うめきた地下出口」「21〜24」の表記が見られました。



地下化で生まれた急勾配23.5‰

大阪駅北口を出まして、梅田貨物線の旧線沿いを歩きます。まだ線路は残っていますが、梅田貨物駅跡地では大規模な開発工事が進んでいるところ。

これほどの大都市にぽっかり土地が空いているのは、かなり珍しいと思います。

 

かなり北上してようやく、梅田貨物線が地下へ潜る入口までやってきました。

大阪駅の地下では既に阪神や地下鉄が走っており、梅田貨物線はさらなる地下深くにホームを設置する必要があります。列車が走れる勾配を考慮すると、ここから地下にしないといけなかったようです。

 

それでもかなりの急勾配でして、ここには23.5‰の勾配標が立っています。

 

旅客列車なら十分登れる勾配なのですが、重い荷物を連ねた貨物列車にとってはネックになってしまいました。そこで先頭の機関車に加え、後ろにも補助機関車をつけて押し上げることで、安全に登りきれるようにしています。



生まれ変わった踏切

幹線道路を横断していた、梅田貨物線の西梅田一番踏切は廃止されました。

 

一方で、大阪環状線福島駅の前にある浄正橋踏切は残されています。

 

ただし、この踏切も線路切替工事で手を施されており、線路に向かって地盤が沈んでいるのが分かります。

これは線路の勾配を少しでも緩やかにするためで、周辺の道路も寄り添うようにしたのです。

 

北側の勾配には及びませんが、ここの勾配も21‰で十分急です。

 

列車が通過すると、傾いているのが明らかになります。



くろしおパノラマで大阪駅通過

それでは地下化された梅田貨物線に乗って、大阪駅を通過してみましょう。

乗車するのは紀伊半島を南下する、特急くろしおです。283系電車は特急オーシャンアローとして活躍し、現在でも愛称として親しまれています。

梅田貨物線で唯一前面展望を楽しめる、グリーン車に乗車します。

 

1+2の3列シートですが、途中でその組み合わせが入れ替わっています。振り子車両で左右のバランスをとるためと言われたりも。

 

一番前は同じことを考える鉄道ファンの方で抑えられていますが、それ以降なら前日でも空いていたくらいでした。



15:15 新大阪駅 発

左4本の複々線が東海道本線、一緒に淀川を渡ります。

 

渡りきったところで、大阪へ向かう東海道本線から右手へ別れました。

 

新御堂筋の道路を潜ったくらいから、新線に切り替えられた区間に入ります。

 

左手には旧線の線路が見えておりまして、それを横目にだんだんと下ります。この辺りが急勾配23.5‰だったところです。

 

そして都市トンネルらしい四角い口へ、吸い込まれていきました。

 

地下に入ってもかなり長い間、トンネルが続くばかりです。大阪駅周辺には既に阪神電車や地下鉄があるため、地下深くへ潜るために長いトンネル区間が必要になります。



そして、パッと明るい光が見えてきました。

こちらが地下15mに作られた、大阪駅うめきたホームです。

 

21番線ホームは上から下までホームドアでピッチリ。

世界初のフルスクリーンホームドアを採用しており、あらゆる乗車位置に対応したホームドアになっています。

 

現在通過しているのは21番線ホームには、下りの特急くしお、特急はるかが停まります。

分かりづらいですが2面4線構造、後ほどホームドアが無い上り線から、大阪駅を観察してみましょう。

 

駅を通過すると割とすぐ、地上の光に包まれました。

 

道路下を通るためか少し暗くなり、完全なる地上へ。ここは体の感覚的にも登っているのを体感できます。

 

福島駅横の浄正橋踏切を通りまして、高架の大阪環状線と同じ高さまで更に登ります。

 

大阪環状線野田駅の横に引かれた、単線の貨物線を走ります。ここにはホームが設置されていません。

 

その先で貨物線から大阪環状線へ転線。

 

平面交差のため大阪環状線上り線に干渉しつつ、一番左側の下り線に入ります。

 

これで無事に西九条駅を通過できました。

 

西九条駅からは桜島線が分岐しており、一番右の貨物線が離れていきました。桜島線上に貨物駅を併設した安治川口駅があって、梅田貨物線を通った貨物列車はそこを目指すのです。

 

現在は数便だけ特急くろしおが停まる西九条駅。

2023年春のダイヤ改正で、全ての特急が通過になります。

 

西九条駅からはユニバーサルシティ駅がある、桜島線が分岐しました。梅田貨物線を走った貨物列車は、ここから桜島線に入り、安治川口駅の貨物駅を目指します。

 

最初の停車駅となる、天王寺駅に到着。

新大阪〜天王寺だけ乗られた、まさに大阪通過の撮影だけを目的にする方も多かったです。

 

30分に1本走る特急はるかと頻繁にすれ違いつつ、日根野駅まで行きました。



大阪駅地下ホームをじっくり観察

今度は天王寺駅から特急はるかに乗車し、大阪駅地下ホームを正面から見てみます。

 

左手からは桜島線が近づいてきました。この先には貨物駅の隣接する安治川口駅があって、梅田貨物線を走った貨物列車が向かいます。

 

福島駅辺りから、大阪環状線の高架より下っていきます。

 

浄正橋踏切を渡りまして、地下へ潜っていきました。

 

こちら側からだと、大阪駅が見えるのは割とすぐです。

1本の単線から2面4線の駅へ向けて、線路が分かれていきます。

 

一番奥の21番線ホームにはフルスクリーンホームドアが見えて、先程特急くろしおで走ってきました。

真ん中の22,23番線ホームからは、おおさか東線が発着する予定でちょうど停まっていました。

今通過している線路が24番線で、特急くろしお、はるか(新大阪方面)が発着します。


特に床がピカピカで、サンライズが発車する大阪駅11番線ホームみたいな高級感があります。

 

23.5‰の急勾配を登りまして、地上の世界へ戻ってきました。



東海道本線と一緒になりまして、淀川を渡ります。

離れた地下ホームとはいえ、大阪駅から特急はるか、特急くろしお、おおさか東線に乗れるのは、大きな利便性向上です。

 

それだけでなく、うめきた地下ホームから先は梅田貨物駅跡地で、開発が進められている真っ最中のところ。鉄道による旅客輸送だけでなく、それに付帯する経済効果は非常に大きいはずです。

 

大阪駅が変革するその境目を体感することができて、良かったです。ダイヤ改正後新しくなる大阪駅へ、ぜひいらっしゃってください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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