NO.2812 現在稼働車は3台のみです、西鉄バス西工02MCC-I架装日産Dスペースアロー紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西鉄バスでは、平成18年から平成21年にかけまして、西日本車体(西工)02MC架装の日産ディーゼルスペースアロー(いずれもPKG-RA274RBN)を21台導入しておりまして、導入以降福岡から九州各地の路線におきまして活躍している姿が見られておりまして、いずれの車も大きな固定窓・後部トイレ付と言う事で快適さが見られておりました。

 

 これまでは、西工92MC架装車、さらにさかのぼりますと58MC架装車のスーパーハイデッカー高速用車両が運行されておりました西鉄グループの中長距離高速バス路線におきまして、新たなタイプが登場しましたのがその平成18年でありまして、これまでは同じ02MC架装車のSD-II・SD-Iの夜行・昼行用の架装車が日産ディーゼル・三菱ふそうの車として導入されておりましたが、それらのハイデッカー版として平成17年に導入されました三菱車(4013・4014(→日田バス482号))に次いで導入されておりました。

 

 以来、先述のように平成21年までに21台が導入されておりまして、主に南九州(宮崎「フェニックス号」・鹿児島「桜島号」)方面の路線の専用車として運行されるに至っておりまして、それとともに西工92MCのスーパーハイデッカー(SD-I架装)の高速車を一掃させるにも至っておりました。

 

 これら車の特徴は、日産ディーゼル車であると言う事で尿素SCR・トルコンAT車となっているのが特徴でもあります。そのため、ギアチェンの心配がないのが特徴ではありますが、それでも変速ショック等が起きる事があると言うのがこれら車の特性であると言ってもいいかとも思います。

 

 

 以来、現在まで各地の路線で運行されておりましたが、平成30年に「桜島号」が全車4列化されまして3列シート車が全廃となりましたし、さらに日田バスに移籍しておりました車も廃車になりましたし、そして「フェニックス号」も多く運用離脱車も発生してもいまして、そう言った事から現在はわずか3台しか西鉄バスには在籍しておらず、全廃になる時も近くなっているようでもあります。ちなみに、グループ会社であります九州急行バスの02MCC-I架装の日産ディーゼルスペースアローも令和2年に全廃となりましたので、同じような流れは西鉄本体へと至っているようであります。

 

 

 さて、ここまで簡単にここまでの現状をご紹介しましたが、今回はここまで私が収めました、西鉄バス(画像の中には旧西鉄高速バス所有時代の車・移籍した車もあります、そのためタイトルでは「西鉄グループ」と記載しています)西工C-I架装の日産ディーゼルスペースアロー全21台を皆様に詳しくご紹介してまいります。

 

 (9910)

 

 

 西鉄バスの西工02MCC-I架装車の最初の導入は、平成18年・平成19年に導入されました車は4列シート車での導入でありました。理由は「桜島号」一部便の1度目の4列化に伴うものでありましたが、その後再び全便3列化されますと、「フェニックス号」の格安版でありました「皆割フェニックス号」でも使用されておりましたし、島原線「島原号」でも使用されておりまして、その「島原号」に関しましては現在まで運行されておりまして、西鉄バスではこのタイプでの唯一の4列シート車運行路線ともなっております(臨時運行を除きます)。

 

 

 そして、平成20年から導入されました18台が、偏心3列シート車での導入となっておりまして、いずれも南九州の路線に運行されるに至っておりました。画像は前部から後部を収めたものでありますが、後方公式側にはトイレが設置されておりますし、モニターも上の画像の4列車のように前部・中央に設けられておりました。

 

 尚、平成20年に導入されました9台に関しましては簡易仮眠スペースも備えられておりまして、そう言った事から引き出し式のベッドも備えられておりました。そう言った事もありまして、一部の車両では後述の画像にありますように、現在は廃止となっております大阪線(当時)「ムーンライト号」の続行にも使用されておりまして、このベッドも引き出して使用する事があったようであります。

 

 (「ムーンライト号」続行時の9911)

 

 

 けれども、平成23年の「フェニックス号」ダイヤ改正に伴いまして、12台が前方3列・後方4列のセレクトシート改造を施しておりまして、画像のような姿に変貌しております。本当に、当時はジェイアール九州バス(当時)が「フェニックス号」から撤退しまして「たいよう号」を運行する事に至っておりましたので、その対抗策としてこのようなシートが生まれるに至っておりましたが、そこまでやる西鉄グループの意気込みには驚かされたこのシートでもあったようにも思います。

 

 (4列シート座席)~女性専用席

 

 

 これら車は、いずれの車も画像のようにコンセントが後付けされておりますし、現存車両に関しましてはWi-Fiも導入されておりまして、DVD視聴が廃止された事でトイレしかなかった頃からしますと退屈させない事が伺わせております。特に、Wi-Fiは乗車している車内でインターネット・動画も楽しむ事ができますので、そう言った楽しみができる事もありがたい事ではないかとも思う所でしょうか。

 

 

 ここまで、西工02MCC-I架装のシート区分に関しましてご紹介しましたが、ここからは全車を導入順にご紹介してまいります。まず導入されましたのが、平成18年導入の9494であります。

 

 この車こそ、この形式となりましてからは初めて導入されました02MCC-I架装車でもありまして、リアの姿が変わったタイプではこの車が初めてでもあります。尚、9494の続番がE-III架装車の西鉄1号車でもありました9495でありまして、この2台は「1号車」同士で導入されておりました。
 
 この車は、先述のように当初は「桜島号」に最初に設定されておりました4列便に使用されておりましたが、その後運用を開始しました「学割(→皆割)フェニックス号」として使用されておりました。しかし、平成23年にその「皆割フェニックス号」も廃止された事から、「桜島号」・「フェニックス号」の高速続行用として使用されるとともにオフシーズンには福岡~熊本線「ひのくに号」にも使用されておりましたし、「島原号」や以下画像のように福岡~下関線「ふくふく天神号」でも使用されておりまして、4列シートの特性を見せておりました。

 

 さらに、インバウンド客の利用者増で増便されておりました福岡~湯布院線「ゆふいん号」、さらに再び4列化されました「桜島号」でも入るようになりまして、4列シート車であった事が功を奏する事にもなりましたが、その後のインバウンド客減少によります「ゆふいん号」の減便や「新型コロナウイルス」などもありまして定期運用を離脱・廃車となっておりまして、その結果02MCC-I架装4列シート車の1号車は姿を消しております。
 
 
 次は、平成19年に導入されました2台であります。この年は、同じく4列シート車の9718・9719の2台が導入されておりました。
 
 (9718)
 
 (9719)
 
 これら車も、先述の9494と同様、「桜島号」一部4列化に伴いまして導入されておりましたが、いずれの車とも「皆割フェニックス号」・「島原号」に使用されておりまして、9718も上の画像にもありますように「島原号」で活躍する姿が見られておりました。しかし、平成22年に9718は同じく4列シート車の4014とともに日田バスに移籍されまして、483号を名乗っておりまして、当初はフロントに金色で日田バスと表示されていたほどでありました。
 
 (移籍当初)
 
 (その後は行先表示上部に表示)
 
 その後は、日田バスの担当路線で活躍する姿が見られておりましたが、近年では床下の痛みが見られておりまして、残念ながら令和元年の夏に定期運用を離脱・廃車となっております。
イメージ 1
 
 一方、9719に関しましては以下画像のように「皆割フェニックス号」の担当を経まして、引き続き「島原号」の担当を続けておりました。その間には、福岡高速営業所から博多営業所に担当が変わっておりましたが、引き続き定期運用ではこのタイプでの唯一の4列シート車運行路線ともなっておりますので、予備的ではありますが活躍の場は見られておりました。
 
 (「皆割フェニックス号」時)
 
 (「島原号」運行時)
 
 しかし、車の痛みも見られていた事もありまして、こちらも令和2年に運用離脱・廃車となっておりまして、これで02MCC-I架装生え抜きの4列シート車は全廃へと至る事になりました。画像は令和3年4月、那の津4丁目の車庫で撮影していた画像でありますが、画像のように非常に残念な姿が見られておりました(敷地外より撮影)。

 

 

 次は、平成20年に導入されました車であります。この年から翌平成21年にかけましては、南九州路線向けの92MCSD-I架装車の置き換えとしての導入が始まっておりまして、9台が偏心3列シートで導入されておりました。
 
 (9904)
イメージ 2
 
 (9905)
 
 (9906)
 
 (9907)
 
 (9908)
 
 (9909)
 
 (9910)
 
 (9911)
 
 (9912)
 
 これら車は、先述のように偏心3列シートでの導入となっておりまして、いずれも「桜島号」・「フェニックス号」で導入されておりまして、かつ簡易仮眠スペース付の導入となっている車でもありました。そのため、夜行続行でも使用される姿もあったなど、当初は本州でもこの車を見る事さえもあったほどでもありました。
 
 (9907、セレクトシート改造前、「桜島号」時)
 
 しかし、平成23年に9904を除きました車がセレクトシート改造を施されておりまして、9904以外が「フェニックス号」に固定されるようになりまして、宮崎へしか行かなくなっております。そのため、セレクトシート改造前に見られておりました上の画像の9907のように鹿児島へと行く事もなくなっております。
 
 (のちに行先表示機も換装されております)~9910乗車時
 
 そして、この改造車の中には、福岡~三重線「お伊勢さんエクスプレス福岡号」の予備車として三重交通に貸し出されておりました9912も含まれておりました。この9912に関しましても三重交通に貸し出される前はこのように「ムーンライト号」の続行でも使用される姿さえも見られていたほどでしたが、先述のように簡易仮眠スペースが存在していた事もありまして、この車も貸し出されるに至っていたようでありました。
 
 その後、9912は三重交通から返却されますと、セレクトシート改造を施しまして、旧西鉄高速バス所有として「フェニックス号」専用車に転用されております。この車に関しましては福岡200か22-48と、他の車よりも高いナンバーで登録されておりましたので、こう言った所でも貸出歴がある事を伺わせておりました。
 
 
 これら9台は、先述のように9904以外がセレクトシート改造を施しておりましたが、9904に関しましては4列化に伴いまして定期運用を離脱しまして、しばらくは研修センター(教習所)で教習用、あるいは続行用で使用されておりましたが廃車となりましたし、令和2年から現在にかけまして、「フェニックス号」が一部4列化された事もありまして、全車運用離脱・廃車へとなっております。
 
 (9904、「ごかせ号」続行)~雑餉隈営業所表記
 
 
 そして、平成21年に導入されました9台であります。これらに関しましてもいずれも偏心3列シートによる導入となっておりました。尚、この導入車には簡易仮眠スペースは設けられておらず、そう言った事からもっぱら南九州路線運用中心となっておりました。
 
 (5983)~偏心3列シート時代
 
 (6014)
 
 (6015)
 
 (6016)

 

 (6017)

 

 (6018)

 

 (6019) 

 

 (6020)

 

 (6021) 

 

 これら車は、5983・6014~6021で導入されておりましたが、このうち、5983に関しましてはその後4列シートに変わっておりまして、改造後は高速続行用あるいは「ふくふく天神号」などにも使用される姿が見られておりましたし、インバウンド客増もありまして増発されておりました湯布院線「ゆふいん号」としても使用されておりました。

 

 (「桜島号」高速続行時)~平成25年撮影

 

 (5983、4列化後「ゆふいん号」時)~平成30年撮影

 

 そして、令和元年の「ラグビーワールドカップ」時には亀の井バスの車両が選手専用車として使用する事によります車両不足を補うために亀の井バスにリースされた事もありましたが、現在は博多営業所所属(福岡200か42-93)で「島原号」・福岡~下関線「ふくふく天神号」に入る姿も見られておりまして、西鉄バスの02MCC-I架装車で唯一の4列シート車としての姿を引き続き見せております。

 

 (「島原号」運行時)

 

 (「ふくふく天神号」運行時)

 

 

 それ以外の車に関しましては、6014~6017でセレクトシート改造が施されまして、「フェニックス号」限定の運用となりました。そのため、セレクトシート改造前に見られておりました6018~6021の「フェニックス号」の運用は平成23年以降は姿を消しておりまして、以降は「桜島号」として鹿児島にしか足を運ぶようになっておりました。

 

 (6018)~「フェニックス号」時

 

 

 しかし、先述の9904にありましたように、平成30年に3列シート車で残っておりました6018~6021は定期運用を離脱しまして、以来旧福岡高速営業所(那の津4丁目)に留置されておりましたが、残念ながら廃車となっております。以下画像の6021に関しましても、定期運用離脱までわずか9年、さらにナンバーを取られましてからでもわずか10年ですので、マイカー並みの活躍しかなかったのが本当に残念でならない所ではなかったかと思います。

 

 また、それ以外のセレクトシート車に関しましても、現在は6016・6017以外の車は姿を消しておりまして、その結果いつの間にか所有車両もわずか3台のみとなっております。本当に、「フェニックス号」の減便、さらに4列シート化もありまして、ここまで減ってしまっていたのかと思う所でもありましょうか・・・。

 

 

 今回は、西鉄バスの西工02MCC-I架装車全21台に関しまして、これまで撮影した画像からご紹介しましたが、これら車も元々4列シート車の3台以外は平成31年3月末に解散しました旧西鉄高速バス所有を経験しておりまして、「Group」表記がそれを物語っておりましたし、「桜島号」に使用されておりました偏心3列シート車に関しましては全車姿を消しておりますので、4列化が痛い所でもあります。本当に、各社西工02MC自体が姿を消しつつありますが、本家の西鉄バスに関しましてもご紹介しましたように3台まで減少しておりますが、とにかくこれら車も元気に走っていただきたい所ではあります。