今日は予報では滞在中最も天気が良い日。朝練から始まるハードな一日になりそうだ。4時過ぎに起床し、5時前にホテルを出て厚岸に向かった。日の出前に現地に到着。厚岸湖に上る美しい日の出を見ることができた。まずは湖岸を走る花咲線の下り列車を撮影。すぐに糸魚沢方面に移動し、別寒辺牛湿原を見下ろす丘にやってきたが、すごい霧で線路がほとんど見えない。丘に登っても無駄足になるかもしれないと躊躇していると、先着の同業者が太陽が昇るにつれて見えるようになるはずと言う。運を天に任せて丘の上で待っていると、列車が来る直前にようやくうっすらと線路が見え始めた。単行のキハ54が雲の上を走っているかのような情景の中を通り過ぎていった。これにて朝練終了、釧路に引き返す。

↓厚岸湖に日が昇る。

↓遠くに霧が広がっているのがわかる。(花咲線厚岸ー茶内)

↑列車を待っているとキタキツネが斜面を下っていった。エゾシカはよく見るが、キタキツネを見るのは久しぶり。

↓まるで雲上の鉄路を走るようにしてキハ54がやってきた。(花咲線茶内ー厚岸)

↓上の写真を撮った後に振り返った反対側は既に霧が晴れている。(花咲線茶内ー厚岸)

釧路川の撮影ポイントには8時過ぎに到着。この時間既に多くの車がスタンバイしている。まったり過ごすこと2時間半。蓮氷はなかったが、良好な光線状態の中をC11が通過していった。

早速追いかける。第一候補は雌阿寒岳や雄阿寒岳とからめて撮れるポイントを考えている。しかし、晴れているというのに山の方角は薄ぼんやりしていて見えない。仕方なく標茶の町まで来てしまったので、歩道橋から撮った。遠くに見え始めた時点では力行していたが、街なかにさしかかる頃には絶気運転に変わってしまうのは毎度のことである。

↓快晴の空の下SL冬の湿原号が釧路川を渡る。(根室本線釧路ー東釧路)

↓いつものことだが、標茶の街なかに差し掛かる頃には煙がポヨポヨになってしまう。(釧網本線茅沼ー標茶)

さて、これから落石へ大移動する。今日は夕陽が期待できそうだからだ。落石岬のカーブで落陽を画面に取り込んで、車両側面が光るという構図の写真を構想して、いつかチャンスがあればと狙っていた。今日まさに実行しようというわけだ。折角なので今まで通ったことのないルートで行こうと、ちょっと遠回りだが標茶〜中茶安別〜別海町〜厚床という経路を選択した。別海町は初めて通ったが、中心市街地は活気に溢れていて意外だった。僕らの世代は昔の社会科で習ったパイロットファームのイメージが強く、人間より牛の方が多いような酪農・過疎の町と思い込んでいた。とんでもなかった。別海町、若い世代も多そうで、侮れないと思った。そういえば数年前に釧路神社俯瞰で出会った若い女性カメラマンも別海町に住んでいると言っていた。そのときは思わず「酪農ですか?」と聞いたが、そうではないと言う。現地を実見して今更ながら納得した。

厚床から落石まで前をトロトロ走る3台の工事用車におとなしくついていったので、現着は15時前になってしまった。駐車スペースはほぼ満車状態。さっそく身づくろいをして撮影ポイントまで歩いた。まずは定番ポイントで下り列車を撮影。訝し気なお隣さんに「線路近くに移動して撮る」と言い残してその場を離れ、先に記した構想を実現すべく万難を排して上り列車を撮った。ほぼ思い通りの写真が撮れ、柄にもなく雄叫びをあげてしまった。これだけの会心のショットは長い鉄チャン人生の中でもあまりというかほとんどない。大満足で店仕舞いし、釧路まで一気に戻ってきた。それにしてもよく走った1日だった。

↓定番の撮影ポイント。駐車スペースからアップダウンを繰り返して辿り着いた。(花咲線別当賀ー落石)

↑↓三脚の砲列を離れ、一人線路近くに移動して三脚を立てた。このポジションは1981年3月以来だから、42年ぶりということになる。あのときはDD51のひくミキスト(混合列車)だった。