TOMIX製の旧国72・73形製品のクモハ73形やモハ72形の床下を見ていて、実車の投入時期による床下機器の差異がキチンと表現されていることに、今更ながら気付きました。

 

 

T車仕様のクモハ73-0番台(上)とクモハ73-600番台(下)ですが、床下機器の右半分の形状が異なっています。

 

旧国72系に良く乗車していたのは、昭和30年代の後半に山手線、昭和40年代の前半に京阪神緩行線で、最後の乗車は昭和50年頃の御殿場線でした。車体形状、車内設備と台車には目が行きましたが、床下機器については機器に詳しくないこともあって殆ど意識していませんでした。

 

ウイキぺディアの「国鉄72系電車」で確認すると、概ね次の違いがあることが判りました。

主制御器が、モハ63を改造したクモハ73・モハ72では戦前以来の電空カム軸式(空気圧作動式)のCS5でしたが、72系として新造されたモハ72-500番台以降が電動カム軸式のCS10に変更されたとのことです。ネット上で見たBONA FIDE製のパーツ略図から下記と判明しました。

 

扉下の機器が制御器CS5、その右がペアとなる接触器CB8。

 

扉下の機器が制御器CS10、その右がペアとなる遮断器CB7。(MG等、他にも異なる機器がありますが省略)

 

旧式の制御器CS5・接触器CB8の床板には、2934・2936が刻印されています。2934は単品のモハ72(T)、2936は単品のクモハ73(T)の品番です。

 

新造車用の制御器CS10・遮断器CB7の床板では、刻印が8955に変わっています。8955は全金車のモハ72920(T)の個別品番を示しているようですが実態は不明です。

 

モハ63の流れを汲み車体更新されたクモハ73近代化改造車では、床下機器は更新されずに旧式の制御器CS5・接触器CB8のままでしたので、製品でも2934・2936の刻印の物が流用されています。

 

 

次に、モーターカバーに床下機器が表現された動力車ではどうでしょうか。

M車仕様のモハ72-0番台(上)とモハ72-500番台(下)でも、同様に作り分けがされていました。

 

旧式の制御器CS5・接触器CB8のモ-ターカバーには、2935が刻印されています。2935は単品のモハ72(M)の品番です。

 

新造車用の制御器CS10・遮断器CB7のモーターカバーでは、刻印が2934P12Mに変わっています。2934P12Mに至っては解明不能です。

 

以上から、実車で新造されたモハ72-500番台以降(500番台、全金属車920番台)、及び同番台からの改造車(クモハ73-600番台)では、模型でも制御器CS10・遮断器CB7を表現した床板・モーターカバーが採用されていることが判明しました。

 

対象の製品名(品番)で表現すると以下の通りです。

【旧式の制御器CS5・接触器CB8】

ぶどう色2号で塗装されたセット製品と単品

① クモハ73の三段窓車(92067/92068,98377/98378,98465)とクモハ73近代化改造車(2963,92448)と先頭車化改造のクモハ73-500番台(98490)

② モハ72-0番台の三段窓車(92067/92068,2935/2936,98377/98378)

・運用線区色で塗装されたセット製品

片町線(92076)横須賀色(92218)富山港線(92232,98957)可部線(92911)仙石線(92953)御殿場線(92484)の、クモハ73(近代化改造車を含む)とモハ72-0番台

 

【新造車用の制御器CS10・遮断器CB7】

ぶどう色2号で塗装されたセット製品のみ

④先頭車化改造のクモハ73-600番台(98489)

⑤新造車のモハ72-500番台(98489)と全金属車のモハ72920番台(92448/98490,98464)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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