栄枯盛衰の室蘭本線 / 岩見沢から苫小牧ローカル鉄道旅【夏の北海道㉜】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(室蘭本線 遠浅駅とキハ150)



★過去記事↓↓↓



















北海道・岩見沢駅の室蘭本線
JR函館本線と室蘭本線が交わる岩見沢駅



岩見沢駅発車時刻表。函館本線の下り滝川・旭川方面は普通列車の本数は少なく特急列車の方が多い。
室蘭本線の発車時刻(追分方面)は一番右端。一日僅か7本のみ。


1番線ホームに停車中の室蘭本線普通列車。キハ150形気動車の単行。

札幌方面からやってくる快速や普通列車の大半は岩見沢止まり。

室蘭本線・岩見沢15時05発 苫小牧行き普通列車

キハ150形のうち、側窓の上段が開くタイプは非冷房車

キハ150形非冷房車は、100番台となっている。



室蘭本線の苫小牧〜岩見沢間の列車は、今までキハ40形のみが活躍していたが、他線区へのH100形気動車導入に伴い、玉突きでキハ150形も走るようになった。淘汰が進むキハ40形は室蘭本線でも風前の灯



室蘭本線普通列車 苫小牧行きに乗車

非冷房のキハ150形100番台車は、冷房車より側窓の寸法が小さく、上部が内側に開く構造

座席はセミクロスシート。クロスシート部分は、4人掛けと2人掛け。






向こうのホームには、14時50分、苫小牧発の室蘭本線普通列車が岩見沢駅に到着

向こうの室蘭本線普通列車は、風前の灯のキハ40形1700番台気動車。非冷房車。





非冷房車の内側に開く窓は、欠点が多い。
①窓の上段が僅かしか開かないため、送風機は設置されているものの猛暑時は暑い。
②窓を開くと、日除けロールカーテンを下ろせず使用できない。
③高速走行中にトンネルに入ると、客室後ろ側の開け放れた窓は、前方の側窓から車内に入り込む風圧で、勝手にバタンと一斉に閉まってしまう。




岩見沢駅に到着した向こうの室蘭本線キハ40形は回送に。




室蘭本線で岩見沢から苫小牧へ
室蘭本線 普通列車 苫小牧行き、15時05分岩見沢(いわみざわ)駅を発車


少しの間、函館本線と並走

向こうの函館本線は交流電化、こちら室蘭本線は岩見沢から沼ノ端まで非電化


函館本線と分かれる。


室蘭本線の室蘭~岩見沢間は、もともと、幌内(現在の三笠市)や夕張等の炭鉱で産出される石炭輸送のため、1892年(明治25年)に、北海道炭礦鉄道室蘭線として開業。

その後、石炭輸送の衰退・廃止、沿線住民減少、車社会化等により、特に特急列車が通らない沼ノ端(苫小牧)〜岩見沢間は極端に衰退。「本線」とは名ばかりの閑散ローカル線になり今に至る。



志文(しぶん)駅

かつては志文駅から万字炭鉱駅まで国鉄万字線が分岐していたが、1985年(昭和60年)4月1日に全線廃止された。今の平均利用客は一日10数人程度。

かつては北海道の産業を支える大動脈だった室蘭本線であるが、沼ノ端〜岩見沢間は普通列車が一日数本走るだけの閑散ローカル線となり、JR北海道は同区間を「自社単独で維持することが困難な路線」とし、将来的に廃線が危惧されている。

車窓には石狩平野の畑作地帯



栗沢(くりさわ)駅
かつては広い構内を有していたと思われるが、多くの炭鉱が閉山となった今は雑草が生い茂る。状況客は意外と多いが、地元利用客の殆どは学生。



栗丘(くりおか)駅

反対側にはかつての相対ホームの跡。平均利用客は一日10人未満。

トンネルに入ると、内側に開いていた客室後ろ寄りの側窓が、風圧でバタンと勝手に閉まる。

窓上部の開閉レバー

非冷房のため夏季は窓を開ける必要があるが、窓を開けた状態では日除けロールカーテンを下ろせなくなる。



栗山(くりやま)駅
栗山町の中心にある簡易委託駅で利用客も比較的多い。かつてはこの駅で夕張鉄道と交わっていたが、同鉄道は1975年(昭和50年)4月1日に廃止された。


栗山駅で、JR石勝線・千歳〜追分〜新夕張用気動車の回送列車とすれ違い。石勝線の新夕張〜夕張間の廃止によって、追分〜新夕張間を走る普通列車は一日2往復のみとなってしまった。

キハ40形が活躍していた石勝線の千歳〜追分〜新夕張間にもキハ150形が導入された。






栗山駅を過ぎると、次の由仁駅まで複線区間

かつて石炭輸送が活況だった当時は、貨物列車が頻繁に行き来していたと思われる。



由仁(ゆに)駅








古山(ふるさん)駅
一日の平均利用客は10人未満




三川(みかわ)駅



三川駅から先、この列車の終点の苫小牧まで複線区間が続く。かつて貨物列車が頻繁に行き交っていた石炭貨物輸送の名残り。
しかし、現在は僅かな本数しか列車は走っていない。



追分(おいわけ)駅

JR石勝線と交わる拠点駅。札幌と道東を結ぶ特急「とかち」のほか、「おおぞら」の一部も停車する。一日の平均利用客は200人程度。

かつては機関区もあり、広大な構内を有していた。今は広大な空き地が当時の繁栄を偲ばせる。


追分駅を発車


後方に流れる車窓


後方車窓の一番右側の石勝線は単線。石勝線より本数が少なく優等列車もない室蘭本線側は複線



石勝線(千歳方面)が室蘭本線を跨ぐ。



室蘭本線の複線区間が続く。一両の気動車が真っ直ぐな線路を快走。




安平(あびら)駅

一日の平均利用客は10人程度

かつてを偲ばせる長いホームに停車する一両の気動車



側線を有する。








早来(はやきた)駅

かつてはこの駅から早来鉄道というナローゲージが分岐していた。早来鉄道は、現在は、「あつまバス」として路線バスを運行。








遠浅(とあさ)駅


室蘭本線下り普通列車と交換

向こうもキハ150形100番台気動車(非冷房車)。ここでもキハ40形気動車にはなかなか出会えなくなった。








札幌方面へ向かうJR千歳線下り線路と合流(後方車窓)

ハスカップの原産地でもある勇払原野の中を走り抜ける。




札幌方面からの千歳線上り線とも合流

左右の千歳線(電化)の複線に挟まれ、真ん中に室蘭本線(非電化)の複線が延びる。




沼ノ端(ぬまのはた)駅

沼ノ端駅は室蘭本線と千歳線との乗換駅であり、千歳線(沼ノ端〜白石)の起点でもある。千歳線の方が圧倒的に列車本数が多い。



16時32分、終点の苫小牧(とまこまい)駅に到着




長年北海道で馴染みの「本場の味 サッポロビール」の看板は、契約更改により撤去が進み、急速に姿を消している。

長年使い込まれ薄汚れた気動車



室蘭本線(左︰追分・岩見沢方面)と日高本線(右︰鵡川方面)時刻表

どちらも列車本数は少ない。




製紙業などが盛んな工業都市・苫小牧。
港には、名古屋・大洗・仙台・八戸を結ぶカーフェリーが発着する苫小牧西港フェリーターミナルがある。


キハ150-109






回送列車となり、苫小牧駅ホームを去っていく。







向こうには、函館発・札幌行き特急「北斗13号」が到着


特急列車はすぐに発車



千歳線普通列車が停車


 
※2022年(令和4年)8月上旬