Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS1964年2月号➋

TMS1964年2月号紹介の続編です。

【同号表紙】


◆作品グラフ&製作記-2 双頭の鉄騎兵
鉄騎兵は英国の内戦清教徒革命時に登場します、記事タイトルから明治期に輸入された英国製蒸機2両を連想しましたが米国製でした。

作者はこれも常連のK.H.氏です。 最初は国鉄7950型、明治30年に米国から18両輸入した形式で、東海道本線箱根越えや信越本線軽井沢以西で使用された実績が残ってます。

キャブ形状などいかにも米国型、作者は重連運転を計画して2両並行製作してます。 元は排障器付きですが、重連運転用に外した様です。

2両目8150型は明治23年と26年に米国から6両輸入されて東海道本線箱根越えや信越本線軽井沢以西で使用され、7950型と運用区間が重なってます。 晩年は7950型と共に北海道各地で活躍しました。 国産機9600/8620の1時代前の国鉄蒸機です。

煙突位置後退の特異なスタイルで、こちらを重連前位にする様で排障器付きです。 調査するとキャブ内までボイラーがせり出した構造で、機関士はボイラー横、機関助士はテンダー前部から投炭したとありました。

作者は古典蒸機の魅力に嵌りましたが、近代型蒸機に比べ運動美に物足りなさを感じてました。 そこで重連運転して発煙装置を付けるアイディア実現に始動したと書かれてます。 それで同時代同一線区で活躍し、協調運転させ易い動輪径が同じ2形式を選んだ訳です。

動輪径は同じでも軸離が異なり台枠も別仕様です。 2形式共にテンダーにモーター搭載のテンダードライブです。

動輪径は16番スケールで15.2mm、カワイ15.5mm動輪使用前提で設計したが、スポークが細く多過ぎ、鉄道模型社15.5mm動輪は太く少な過ぎ、スポーク数13本で実車と同じ天賞堂16.0mm動輪を旋盤加工して使うこだわり様です。 バランスウェイト形状が違います。

ロッド類は1.2t洋白から切削で製作されてます。 

完成した足回りです。 この製作記は2回シリーズで、興味のある発煙装置についてはこの号の製作記に記載されてないのが残念です。


◆作品グラフ&製作記-3 小田急2220系

作品グラフ3番目は小田急デハ2220系、同社で始めてカルダン駆動を採用した高性能電車の第一世代です。 1954年登場2200系は2両固定編成、増備車として1958年登場の2220系は4両固定、後2両固定編成で、その後の小田急新世代車両の基礎を築いた形式です。

1960年頃の小田急急行電車にはこの形式が使われており、新宿-小田原の4連に新宿-片瀬江ノ島の2連併結で、相模大野で分割併合が行われてました。 渋谷から井の頭線で下北沢、15分毎の急行停車駅は向ヶ丘遊園前、町田、相模大野、本厚木でした。 成城学園前、登戸、海老名は通過で、新百合ヶ丘は駅さえなく田園風景が広がっていた時代です。

後に2両ユニット改修されましたが、作例はデハ2220系4両固定編成で製作されてます。

このモデルの特徴は減速装置付きベルトドライブです。 ボディ側板には0.3t真鍮板を選び、4枚重ねて窓抜きしでます。

窓抜き後側板ヤスリ仕上げして分解、同じく0.3t真鍮板の窓枠・ドアを貼って曲げです。

ベンチレータは0.3t/0.8t真鍮板から、屋根R部に付く雨どいは1mm真鍮線を両側から1/3ほどヤスって平板状にして半田付けしてます。

この車両の特徴の駆動装置です。 作者は1M2軸駆動は力不足、2M4軸駆動では芸がないと1Mベルト4軸駆動を採用してます。 減速用φ18円板で6:1程度の減速比になります、虫ゴムは便利な素材でした。

この駆動方式採用で筆者が製作したキハ20は円板径が10.5mmだったので減速比3:1で飛ぶ様に走りました。

走行音が静かなのが特長です。 L5モーター(両軸化)とありますので、筆者も使ったTMS掲載技法、縦型モーターの軸を叩いて両軸化する乱暴な技法採用だと思われます。


◆作品グラフ&製作記-4 モハ100 800番台
作品グラフ最後はキット改造のモハ100 800番台低屋根仕様です。

1960年頃の中央本線各駅停車新宿-甲府間には70系の低屋根仕様が使われてました。 国鉄大事故の一つ桜木町事故(1951年)を契機に折り畳み時パンタグラフと架線間距離250mm以上の基準ができ、小仏トンネル通過車両の低屋根化が必要になったからです。

実車ではクモハ100 800盤台6両、モハ100 800番台11両が製造されました、低屋根仕様800番台を市販完成品キットを改造した作例です。

作者はペーパー車体の電車・客車製作記事でお馴染みの方ですが、今回は完成品なので真鍮製車体加工です。 記事を読むと金属パーツ加工にも慣れている様子が解りました。

完成品車体改造なので図面を引かず写真を参考に切り取る屋根の4コーナーにマーキングし下穴を空けてます。 片手で車体保持、利き腕片手で糸鋸操作する技法を紹介してます。

通常高屋根部を曲げて整形し0.5t真鍮板で低い屋根部分を作ってます。 この低屋根101系には何度か乗車してます。 小仏峠、陣馬山などのハイキング時にMMT3連x2が高尾-相模湖間に休日運転されてたからです。


ではまた。

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