混雑しているのに71年ぶり昼間減便へ! 江ノ島電鉄ダイヤ改正(2023年3月18日)

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混雑しているのに71年ぶり昼間の減便へ! 江ノ島電鉄ダイヤ改正(2023年3月18日)

江ノ島電鉄は2023年1月18日、プレスリリースにて3月18日にダイヤ改正を行うと公表した( ダイヤ改正の実施について )。今回はこれについて見ていく。

2023年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 71年ぶりの昼間の運転間隔変更へ

今回の2023年3月18日江ノ島電鉄ダイヤ改正では、71年ぶりに昼間の運転間隔を変更する。

江ノ島電鉄では平日・土休日ともに同一ダイヤで運行しているが、今回のダイヤ改正では昼間の運転間隔を71年ぶりに変更し、ほぼ終日に渡り12分間隔から14分間隔へ広げる。これにより輸送力が14.3%減少することとなった。

これは江ノ電は歴史的に路面電車として開業したのが発祥のため道路併用区間が残っていること、単線で列車交換設備が少ないことから12分間隔運転であっても余裕時分が少なく遅延しやすいことから、遅延回復も含めて鎌倉駅2分折り返しで乗務員が走る光景が日常茶飯事となっている。

このことから、今回のダイヤ改正で運転間隔を広げることで、余裕時分を設けることとしたのである。

これにより列車交換待ちの関係で全線所要時間が33分から38分に5分延びる。

なお今回のダイヤ改正では余裕時分を設けるために減便していることから、運用数は6運用のまま変わりない。




2. 本当に利用客は減っているのだろうか

今回のダイヤ改正プレスリリースには「お客様のご利用動向に合わせたダイヤに改正します」と記載している。もっとも減便していることから利用者数が減っていることを意味しているのだろうが、本当に利用客は減っているのだろうか。

平日昼間は確かにほとんどの人が座れるのだが、土休日昼間は江ノ島~鎌倉間で各車両15人~20人程度の立ち客が発生している。座席が2両で62席とすると、各車両50人程度、4両編成で乗客200人を運んでいることになる。

これが12分間隔から14分間隔に減便ずると輸送力が14.3%減少することから1本あたりの乗客は233人に増える。が、座席数に変わりはなく4両で124人しか座れないので立ち客は109人、1両あたり27人にのぼる。

こうして1両あたりの立ち客が8人ずつ増え27人程度となる見込みだ。もっとも東京都市圏の各鉄道のように20m車で幅3.8mであればすんなり運べるのだが、江ノ電は12.7m車で幅も2.45mしかない。そんな中立ち客が27人もいたらもう満員電車状態である

しかもこれはあくまで海外からの旅行客がまだ戻り切っていない状態であり、戻って鎌倉高校前目当ての客が増えるようなことがあればさらに混む。また平日朝は通学需要が集中すること考えると平日朝や土休日の減便は失敗と言わざるを得ないだろう

そうなると、少なくとも今回のダイヤ改正で行うべきは平日ダイヤと土休日ダイヤの分離で、全日ダイヤでの一律減便は行うべきではなかっただろう。

ちなみに藤沢~江ノ島間が比較的すいているのは、近くに小田急江ノ島線が通っているためである。




3. 江ノ電の輸送改善策はあるのか

とはいえ余裕時分に余裕がなく乗務員に負担がかかっているのは事実。江ノ電の輸送改善策はあるのだろうか。

もっとも列車交換ができる駅間で最高速度を引き上げて所要時間を短縮すれば詰められるが、稲村ケ崎駅周辺など10mおきに勝手踏切がある区間もあるので、最高速度引き上げは難しい。

また一番列車交換距離が長い江ノ島~峰ケ原信号所間には道路との併用軌道区間があり制限速度30km/hに抑えられている。道路併用を理由に速度を引き上げることができないので高速化も難しい。

そうなるとまず考え付くのか腰越~鎌倉高校前間に列車交換設備を設置すること。そうすれば12分間隔運転を維持することができる。デメリットとしては前線所要時間が2022年時点と比べ6分延びるが、14分間隔に伸ばしても5分延びるのでほぼ変わらないだろう。

また江ノ島電鉄は江ノ島でエスカーを運営しているんだ、江ノ電もエスカーならぬ動く歩道にすれば片側あたりの幅員が狭くて済むから全区間で同時に両方向に運べるのでは。

動く歩道にもせず減便するなら土休日だけでも4両から6両への増車が必要だろう。ホームの延長は鎌倉や藤沢の他各列車交換出来では必要だが、ほかはドアカットで主要駅のみドアが開く形の方が冷暖房効率が上がっていいのかもしれない。

だが、減便による混雑が増すことをよそ目に江ノ島電鉄公式Twitterが放ったつぶやきがこれである。

おいおい、こういうツイートをするならとっとと6両化しなよ江ノ島電鉄。そもそも今回の減便の理由はこれまで十分な設備投資をしてこなかったからだろうが。いかにも全体像が見えず仕事ができないやつが枝葉だけで公式ツイッターを管理しているのが目に見えるのだが、なんだろうね、うん、こういうののせいで周囲に迷惑がかかっていくんだよね。ここまで想定できない江ノ島電鉄に未来はあるのだろうか。


4. 結び

今回の2023年3月18日江ノ島電鉄ダイヤ改正では、混雑しているにもかかわらず全日終日にわたり12分間隔から14分間隔に減便することとなった。

今後江ノ島電鉄でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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