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京福電気鉄道は2023年1月27日に発表した「旅客運賃改定申請」に関するプレスリリース上で、モボ2001形電車の「回生ブレーキ」設置改造の実施と同時に「車体製造から50年・電動機等の製造から90年以上が経過している車両」の車両更新を計画していることが明記された。

【「旅客運賃改定」で実施される車両計画】
嵐電では2001年から営業運転を実施している「モボ2000形」がVVVF制御機構を採用している一方で、同様のシステムを採用する電車の多くで標準装備となっている『回生ブレーキ』は本系列では未整備のままとなっています。また、嵐電に在籍している車両のうち「モボ101形」の6両は1929年に当時の藤永田造船所で製造された車両であり、1975年に車体更新を受けたとはいえ一部の電装品(東芝SE129B主電動機など)は製造後90年以上が経過しているほか、更新した車体についても車体新造後50年の節目を迎えつつある。

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今回の運賃改定後に実施される車両計画では「モボ2000形」の2両に関しては『回生ブレーキ』を増設する改造工事を実施したうえで『回生電力貯蔵装置(つまり、蓄電池)』を新設(地上設備なのか車載設備なのかは不明)、制動時に発電した電力を他車両・自車両で活用することによって消費電力の削減と環境対策(CO2排出の抑制)につなげていくことが示されています。

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一方で老朽車両の更新に関しては「車体製造から50年・電動機等の製造から90年以上が経過している車両」7両を対象として現代タイプのシステム(VVVF制御・回生ブレーキ・バリアフリー設備)を備えた車両を新造して置き換えることが明記された。車両に関しては既存各車の製造・車体新造元である「武庫川車両工業」がすでに解散している(後継の「阪神車両メンテナンス」は車両整備・改造が専門)ことから同業他社への発注となるが、現時点では更新用車両の外観イメージ等を含めた情報は発表されていない。
 
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モボ2000形とモボ101形、今回発表された車両計画で更新される「7両」は車体製造時期を考慮すると『モボ101形』の6両と1971年新造の『モボ301形』1両が更新対象車両として有力視される。一方で嵐電ではモボ101形・モボ301形と同系統の電装品(モボ101形系列からの流用品)を搭載した車両が多数在籍しているが、今回の公式発表では回生ブレーキ導入・車両更新の具体的な時期については明らかにされていない。

[京福電気鉄道公式プレスリリース]