いまさらながらBトレにハマる

ショーティーの模型を緩く楽しんでいます。東北新幹線開業前夜の特急電車群を見て育ち、90年代はカメラを持ってジョイフルトレインを追いかけました。集める模型も上野口から東北、上信越方面が多めです。※記載内容の全ては一個人の意見ですので所属している団体の見解とは無関係です。

光造形式3Dプリンタを使ってみる2

前回はこちらです↓
https://omocha-train.hatenablog.com/entry/2023/01/28/124943

ANYCUBICのPHOTON MONO 4Kという光造形式の3Dプリンタを買いました。今話題なのは8Kのものですが、4Kでも以前のPLA材使用の安価なプリンタよりも十分に精度が高そうであることと、3万円ちょっとという価格が決め手となりました。


※この後、長文となりますが、最も言いたいことはSK本舗のUVレジン二次硬化器は素晴らしいということです。

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光造形式で難しいのはレジンの扱いです。これも失敗しながら自己流でやり方が定まってきましたので、ここに記します。
前回は初期セッティングのスッタモンダを書きましたが今回はレジンの扱いのスッタモンダです。
なかなか、検索しても失敗の記事はヒットしないのでご参考になれば幸いです。

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前回の基本的な出力の段階が終わり、次にやることは以下です。

1-黄色いカバーを外す
2-プラットフォームに逆さまに張り付いた成型物を金属ヘラを使って剥がす。
3-成型物を水洗いし、周りについた余計なレジンを洗い流す。
4-成型物を乾燥させ、水分を除去する。
5-成型物に紫外線を当てて二次硬化させる。

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ほとんど全ての段階で一度は失敗したりしてますので、それらを記します。

●「1-黄色いカバーを外す」について

黄色いカバーは、溢れたレジンにより張り付いていることがあるので要注意です。どうも、内部でこぼしたわけではないのに内壁にレジンの滴がついていることがあるような気がします。もしかしてvatのレジンが攪拌される中で揮発し、内壁について垂れる???

この黄色いカバー開けは、密閉した部屋でやると結構臭います。カバー内に溜まった気化したレジン?が一気に解放されるのでは、という気がします。
換気ができれば全く問題ないと思いますが、自分は納戸のようなところでやったので、結構臭いが気になりました。
ちなみに黄色いカバーを被せた状態でも、うっすらレジン臭はします。が、これは慣れました。本来、使うたびに漏斗でレジンをボトルに回収するようなのですが、これはむしろ臭い拡散と、こぼすリスクがあるので、vat内にレジンを入れっぱなしにしています。

なお、臭いを気にして屋外で作業する際は昼間は厳禁です。太陽光により、成型物まわりのレジン液滴は硬化し、vat内のレジンは湯葉のように固まり、さらに氷のように固まって使えなくなります。さらにvat底面にもくっついて、これを剥がす時のキズは成型不良の原因となります。

●「2-プラットフォームに逆さまに張り付いた成型物を金属ヘラを使って剥がす」について
今のところ、これは最もナーバスな作業です。製品付属の金属ヘラを使い、プラットフォームから逆さにぶら下がって固まっている成型物を剥がし取ります。
自分は右手にビニール手袋をして成型物を軽く抑えながら左手で横からヘラを当てゴリゴリ剥がし、落下する成型物を右手でキャッチします。下のレジンvatに成型物を沈ませてしまうのは避けたく思っています。

成型物もプラットフォーム下面も、それを擦った金属ヘラもレジンでベトベトになります。
百均の深めのトレーを用意しておきプリンタ本体の手前に置いておきます。そして、剥がした成型物はすぐさまトレーに入れます。その後金属ヘラもトレーに入れ、成型物と一緒に水洗いします。

ビニール手袋は裏返しにしてレジンを封印して捨てます。

次にプリンタ本体に黄色いカバーを被せてレジンの硬化や臭いの拡散を防ぎます。

なおこの作業では、力ずくでプラットフォームから成型物を剥がすため、プラットフォームの取り付け水平性などが狂いやすくなりますので注意です。

なお、この段階では「プラットフォームにしっかりくっついて落ちない」ことと、「成型後にヘラで剥がしやすい」ことを両立させなければなりません。とは言え「落ちない」ことの方が遥かに大切です。
半端な成型物が落ちてvatに沈むと、そこでゴミが成型され、vat底面にくっつくことで、その透明性にも悪影響があります(たぶん、、、)。

たとえ成型失敗しても、プラットフォームにギリギリぶら下がっていてくれれば被害は少なくなると思います。
設計段階でできることはプラットフォーム食い付き部のベースを、ある程度の厚みと面積にすることです。vat底面の汚れなどにより一定の範囲が成型不良になることがあるので、ベースの面積そのものよりも、広範囲にベースが広がっていることも大事に思います。
今のところ手法としては、モデルの下部に幅3ミリ幅×厚さ1ミリくらいの基材を縦横にイカダのように配置し、そこから宙に浮いたモデルに向けてΦ0.5-1ミリランナーピンを出す感じにしています。ピンは本数が少ないと失敗や脱落が多いようです。

一方で「剥がしやすい」ことについてはベースの断面を逆テーパーにして、ヘラが引っかかりやすくすることと、ベースを上記のようなイカダ構造にして設置面を増やしすぎないことなどをやっています。レジンのベタベタと逆さまのプラットフォーム表面を目視できずに剥がすので、どうにもナーバスな作業ですが、概ね予想よりは簡単に成型物が剥がれてくれます。

●「3-成型物を水洗いし、周りについた余計なレジンを洗い流す」について
成型物と金属ヘラの水洗いは、思った以上にすすぎに時間がかかります。成型物の細かい隙間に入った液体レジンを洗い流す必要があります。金属ヘラの水洗いも含めて、家の流しでやると結構臭いが残ってしまい、換気が必須になりました。

これを避けるために、屋外で洗うようにしました。この方法は真冬にキツイことと、昼間にやると上記の通り太陽の紫外線で大失敗することです。

●「4-成型物を乾燥させ、水分を除去する」について
水洗いした成型物は、結構ふやけた感じです。形を崩さないようにストーブの前で乾燥させます。この工程はしっかりやって水分を飛ばした方が良さそうです。

●「5-成型物に紫外線を当てて二次硬化させる」について
さて問題の二次硬化ですが、当初は千円くらいの紫外線ペンライトをアルミホイルで囲った自作硬化箱の中で行いましたが、出力の問題か、紫外線波長の問題か、なかなか上手くいきませんでした。

そこで、冒頭にも書いたSK本舗のUVレジン二次硬化器を書いました。
これは少し値段が張りますが、効果はテキメンです。

10分までのタイマー付き、内部透明ターンテーブル付き、最適と思われる波長、強い出力、扉を閉じないとオンにできない構造など、ちょっと自作で作るには大変な逸品です。


これが箱です。USBはサイズの比較用です。


アクリル製?の板材を組み合わせ、差し込んだ凸部をゴムバンドでとめる構造です。組み立て・分解を簡易にする意図と思いますが、毎回組み立てるのはちょっと面倒ですので、組みっぱなしにしています。


オンにするとこんな感じです。見えない紫外線は筐体を透過してないのかも知れないですが、周りのものへの影響が心配になる明るさです。


タイマーは1秒ごとに600秒まで設定できます。終わるとピッピと音がなります。

完成したイメージは「カリカリになる」という感じです。ベタベタさは皆無。臭いもかなり軽減されている印象です。
細いパーツはポキポキする感覚です。

心配な場合は、向きを変えてさらにもう一度やるようにしています(二次硬化させすぎると、層の密着が解けて剥がれるという話を読んだことはありますが、、、)

以上にて、成型後の後処理としては、扱いに気をつければ、歪まずに硬化させられると思います。UVレジン二次硬化器に大金を使ってしまいましたが、この性能は満足です。

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