モバイルSuicaで中高生の通学定期券の購入が可能になるそうだが、残念

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 JR東日本が、モバイルSuicaで中学生、高校生の通学定期券の取り扱いを2023年3月に開始。
 みどりの窓口は廃止しすぎているが、相変わらず新幹線の自由席を窓口で購入したがる人がいるし、他社のサービスは自社の券売機に対応していないことがある*1ので、窓口は混んでいる。ここに、コロナ後の新学期シーズンが始まるのでパニックが想定されていた。そこにはぎりぎり間に合わせたということになる。

チャージの手段が極めて限定されている

 ただし、この中高生向けモバイルSuicaはクレジットカードチャージができない。現金チャージできる場所もICカードに比べて限られている。
 親のクレジットカードでオートチャージも使用できるようにしてほしいし、現金チャージをできなくしてほしい。
 定期券購入の時だけ親のクレジットカードを使えるようだが、クレジットカード番号をその場で消去する仕様にしたいらしく、その後は代理チャージができない。当然、オートチャージもできない。

 それなら、電車で都会まで行ってみどりの窓口に並べというしかない。JR東日本の管内に住んでいればの話であるが。
 ICカード乗車券であれば、駅のATMでクレジットカードチャージができる。

 Suicaは物販の決済に使えるから、オートチャージだと使い過ぎが心配ではある。だからといって、その解決策が「とりあえず千円札を子供に渡し続けてください」はおかしいと思う。今の子供はお年玉程度のイベントで数万円をぽんぽんもらうような人種である。使い過ぎが心配だからと都度都度、紙のお金を用意させるというのは普通の家庭において意味がない。
 使い過ぎに対しては、ICカードの現金チャージだろうが、オートチャージだろうが、家計簿ソフトを使ってしっかり利用残高を監視しなければならない。それをやるならモバイルSuicaクラウドサービスとデータを自動連携してくれる方がやりやすい。ICカードは隠されたり、複数枚持たれたりすると正しく捕捉できなくなる。
 そして何より、PTAからの小銭徴収はだんだんなくなりつつあると聞くが、紙幣の調達が必要となる。
 自宅で親と一緒にいるときには、オンライン決済、クレジットカード決済できるようにはすべきなのではないか。

中高生も通学定期券の範囲外まで利用する

 こういうことを言うと「買い食い、無駄遣いをさせないために、Suicaは列車を通学経路を利用するときだけ使えればよいのである」という意見もありそうである。
 まず、そういう家庭は、そういう設定ができればいいだけなので、全員にチャージさせない理由にはならない。
 それと、塾通いをするときに通学範囲を超えることはないのだろうか。わたしは現在は大人であるが学生のころはあった。部活で遠征することはないのか。家族旅行をするときにひとりだけSuicaを使うといろいろ面倒なのはいかがなものか。
 航空会社は、子供用のカードやスマートフォンで、子供の搭乗はスムーズである。
 一方、電車旅行には、詳しい知識が必要である。

  • お父さんは大人料金
  • お母さんは、途中までが通勤定期区間で、そのあと在来線があるが都区内発の料金を特急に適用
  • 中学生の長女は、途中までが通学定期券区間で、そのあと在来線の後に特急
  • 小学生の長男は、子供料金
  • 未就学児の次男は、乗車券はいらないけれど指定席に乗ったら乗車券と特急券が必要

 この家族で切符を手配するとき、ネット購入でやりきる自信がない。すると、家族連れは電車に乗って前日までにみどりの窓口に向かう必要が出てくる。話が複雑なのと、混雑とで、当日に買うのは怖い。面倒だからと一律同区間買うのはもったいない。
 モバイルSuicaえきねっとが、大人中心に作られているのがよくない。窓口廃止、個人決済を進めているのに、学生の親のことは置いて行かれている。

*1:JR西日本ジパング倶楽部の割引きっぷを買いたくてもJR東日本の券売機に対応していない