飾磨駅【兵庫県】(山陽電鉄本線。2019年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県姫路市南部、播磨灘近くに広がる市街地に位置する山陽電気鉄道(山陽電車)の本線と網干線の駅で、飾磨区(行政区ではない)の中心駅であり、最近までホームでは「山陽そば」が営業していた、
飾磨駅 (しかまえき。Shikama Station) です。
 
尚、2022年初頭に記事を作成しましたが、北口開設後の5月に再訪問したため一部修正してUPしています。

但し、写真は北口を除き全て2019年撮影で、記事内容も2019年の情報になっています。
現在は駅ビルが解体されたり変化が見られますが、現在の状況と記事内容が一致しない場合がございます。

ご了承下さい。
  
 
駅名  
飾磨駅 (SY 40)  
 
所在地  
兵庫県姫路市  
 
乗車可能路線  
山陽電気鉄道:本線網干線  
 
隣の駅  
山陽電鉄本線  
西代方…………妻鹿駅   
山陽姫路方……亀山駅  
 
山陽電鉄網干線  
山陽網干方……西飾磨駅  
 
訪問・撮影時  
2019年3月  
 
 

 

飾磨駅は地平駅で、南側(下り線側)に一部2階建ての駅舎があります。現在はこちら側が南口駅舎になりました。
その南口西側の出入口部分には3階建ての駅ビルがあり、駅西側を南北方向に延びる踏切道(飾磨街道)に面して開口しています。
駅ビル1階に商業施設「山陽しかまショップ」、2階・3階に「山陽スイミングスクール飾磨」が入居していたと思われますが、1階のテナントは全て撤退し、スイミングスクールも閉鎖され、2022年に解体されました。その際、西側出入口は閉鎖され、南側に仮設の出入口が設置されました(2022年5月現在)。
尚、駅ビル跡地はどうなるのか、わかりません。
南口には東側にも出入口があります(後述)。いずれの出入口も段差がなく、バリアフリーに対応しています。改札内に入らずに南口の東西出入口間を移動可能で、南口の改札外通路は東西自由通路の役割を担っています。
また、こちらの南口西側は手狭で駅前広場がありませんが、駅ビル1階の一部がタクシー乗り場になっています。尚、南口側に路線バスは乗り入れていません(北口側に停留所あり)。
上写真は北方向を、下写真は南東を望む。
 
 

南口駅前です。南を望む。左側に駅ビルがあり、後方に踏切があります。
奥に延びる幅が狭い道路は飾磨街道で、沿道には商店街が形成されていますが、1993年、南西約750mにジャスコの「姫路リバーシティショッピングセンター(現・イオンモール姫路姫路リバーシティー)」がオープンしてからは衰退してしまったようです。全国で見られる現象です。
飾磨街道を外れると成熟した住宅街が広がっています。
駅の約2.5km南には飾磨港があり、周辺の港湾地区には多くの工場が立地しています。飾磨港からは家島諸島や小豆島(北東側の福田港)への航路が出ています。なお、飾磨港へは飾磨駅からバス路線がなく(タクシーは利用可能)、姫路駅・山陽姫路駅前から路線バスを利用した方が便利です。
そして、「イオンモール姫路リバーシティー」の西側には国鉄播但線(通称:飾磨港線)の飾磨駅がありました。跡地は痕跡がありませんが、飾磨駅跡から北側は遊歩道になっており、山陽電鉄網干線との立体交差部分に現役当時の痕跡が見られます。また、飾磨港北側の多目的ドーム「MIYACOCOみなとドーム」の場所に終着駅の飾磨港駅がありました。
 
 

 

こちらは東口跡です。上写真は北を、下写真は西を望む。
本線の上下線間の西代方(神戸方)、網干線ホームの終端部にありました。両側を本線の踏切に挟まれています。
1997年に閉鎖され、現・南口に集約されました。
現在も非常口として残されており、アプローチの階段や駅員詰所など痕跡が見られます。
閉鎖後は改札外のスペースに、右側にある「山陽そば」のテラス席が置かれていましたが、「山陽そば」は2021年に閉店となりました。
 
 

東口が閉鎖された代替として、下り線のすぐ南側を並行する形で南口改札につながる出入口が開設されました(それ以前より存在していたかもしれませんが)。
車いすも通行可能です。この通路を使えば、南口改札前を通って南口西側へ抜けられるため、東西自由通路の役割を担っています。
尚、こちらの東側にも駅前広場は設けられていません。通路左側に有料駐輪場があります。
写真は西を望む。
 
 

こちらは南口(西側)から改札へ向かう通路です。東を望む。2019年撮影。

後方が西側出入口、前方が改札口および東側出入口です。
駅ビル1階を通り抜ける形で、通路両側には「山陽しかまショップ」のテナント店舗が並んでいましたが、私が訪問した2019年3月時点において、ほとんどの店舗が撤退してシャッター通りと化していました。その後全店舗が撤退し、2022年には老朽化した駅ビルが解体されました。北口は南口(西側)の一時閉鎖による代替の出入口としても機能しています。
駅ビルを通り抜けると南口駅舎です。写真奥には定期券販売所が見えますが、そこを左へ曲がると南改札口に到達します。
 
 

  

南改札口です。2019年当時は唯一の改札口でした。上写真は東を、下写真は南を望む。
上写真右・下写真後方が西側出入口、上写真左・下写真前方が東側出入口です。
飾磨駅は有人駅で、南口には駅員が配置されていますが、駅員不在時に備えて改札内外にインターホンが設置されています。
東西通路の南側に交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が4通路設置されていて、左端が幅広通路、一番右の自動改札通路が点字ブロック併設です。窓口に面した右端は有人通路です。
改札口の右手前には自動券売機があり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。自動券売機のさらに西側(上写真右後方)には定期券販売所があります。
トイレ・車いす用トイレは改札内コンコースにあります(オストメイト設備の有無は不明)。
そして各ホームへは跨線橋で連絡しています(階段・エレベーター併設)。跨線橋は東西自由通路も跨いでいます。
尚、飾磨駅構内に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは北口の約400m北の「セブン-イレブン」で、駅前にもコンビニがありません…。
 
 

  

こちらは北口です。南を望む。いずれも2022年撮影。
前回訪問した2019年当時は北口部分もコインパーキングになっていましたが、2022年、コインパーキングを縮小して北口が設置されました。北口には階段とエレベーターが設置され、バリアフリーに対応しています。
北口は改札内跨線橋を延伸する形で設置され、駐車場側の橋上部に無人の北改札口を設けています。
尚、跨線橋は自由通路にはなっていませんので、南北間の通り抜けは従来通り駅の東西にある踏切を利用しなければなりません。
 
 

 

北口駅前です。いずれも北を望む。

上写真は2022年撮影、下写真は2019年撮影。後方に北口があります。
こちらの北口駅前には、北口開設以前よりロータリーを有する駅前広場が整備されており、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
 
駅北側は西寄りの飾磨街道沿いを除いて田園が広がっていましたが、徐々に区画整理と開発が進み、今では整然とした街並みになりました。しかし、長らく北口が開設されなかったため、南口側と比較すると商店は少なく、駅前にビルは多いものの住宅街といった感じです。
約300m北には以前、「ジャスコ飾磨店」があり、「姫路リバーシティショッピングセンター」開店後も併存していましたが、2006年に閉鎖となり、今は店舗南隣に併設の専門店街のみが細々と営業を続けているようです。
 
 

橋上部にある北改札口です。西を望む。2022年撮影。
後方に地平部行きの階段があり、右手に地平部行きのエレベーターがあります。
こちらは駅員無配置で、窓口はあるものの閉鎖されています。改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されていますが、私の訪問時は北口が開設されて間もなかったからか、案内役の駅員が配置されていました。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が2通路設置されていて、窓口に面した右が幅広通路でインターホン対応通路を兼ねていて、反対側の左が点字ブロック設置通路です。
改札口の右手前には自動券売機があり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。尚、定期券や自動券売機で買えないお得な乗車券をご購入の場合は、南改札口へお回り下さい(改札内は入場券がないと通れませんので、駅の東西にある踏切をご利用下さい)。
トイレ・車いす用トイレ(オストメイト設備の有無は不明)は南口側の改札内コンコースにしかありません。跨線橋を渡って南口側へお回り下さい。
そして各ホームへは跨線橋で連絡していて、改札と跨線橋の間は段差がありません。跨線橋と各ホーム、南改札口との間は階段・エレベーターで結ばれています。飾磨駅は南北の両改札口ともバリアフリーに対応しています。
 
 

本線下り1番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式(行灯式)です。光源は不明ですが、蛍光灯と思われます。
山陽電鉄の標準デザインで、駅ナンバリングも併記されています (SY 40)。
当駅は1923年に「飾磨町駅」として開業し、翌年に「電鉄飾磨駅」に改称されました。長らく電鉄飾磨駅でしたが、飾磨港線が廃止された後の1991年に現行の「飾磨駅」へと改称されました。
 
 

こちらは網干線2番線に設置されている駅名標です。
2番線は網干線専用かつ行き止まり構造のため、神戸方の隣駅が空欄になっています。
また、現在は山陽姫路直通列車が運転されていないため、山陽姫路方・山陽網干方の隣駅は西飾磨駅のみが表示されています。
 
 

 

飾磨駅は島式ホーム2面の東側が繋がった、櫛形ホーム2面3線の地平構造で、東南東~西北西方向にホームが延びています。
 
左ホーム(南)の左が1番線で本線下り山陽姫路方面、左ホームの右および右ホーム(北)の左が2番線で網干線上り到着列車および下り山陽網干方面、そして右ホームの右が3番線で本線上り西代・神戸三宮・阪神梅田方面です。
左側ホームと右側ホームは西代方の端(手前側)で繋がっていて、平面移動が可能です。それゆえ、2番線は西代方で行き止まりになっています。
路線・行先により発着ホームが完全に固定されています。
2番線は両側にホームがあり、本線各方面と網干線の乗換の利便性を図るため、網干線列車は停車時、両側の扉を開けます。両側ホームとも乗車と降車が可能です。
以前は2番線の場所に2線あり、1番線の反対側が2番線(網干線~本線山陽姫路方面直通列車が使用)、4番線(現・3番線)の反対側が3番線(網干線内折り返し列車が使用)でした。1996年頃の1線化後に両側の上屋が延伸されているのがその名残です(青色屋根の部分)。
 
ホーム有効長は1番線と3番線が直通特急に対応した6両分、網干線専用の2番線が3両分です。ホームドアは未設置です。また、網干線の線路を2線から1線に集約したことに伴いホーム幅が拡大され、網干線列車が停車する西代寄り(手前側)約3.5両分は結構広くなっている一方、本線列車しか停車しない両側には狭い部分があります。
上屋は網干線列車が停車する西代方の約3.5両分のみに設置されています。1・3番線の西代方の端のごく一部(客用扉1ヶ所相当)と、山陽姫路方の約2.5両分は雨ざらしになりますので、雨天時に本線列車に乗車して飾磨駅で下車される際は、西代寄りの車両にご乗車になって下さい。
各ホームにはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
また、各ホーム中ほどに階段とEV併設の跨線橋があり、南側地平にある南改札口および北側橋上階にある北改札口に通じています。
そして、写真後方の西代方の端には東口跡と「山陽そば(2021年閉店)」があります。
 
写真は2枚とも西代方の両ホーム間連絡通路より本線・山陽姫路方、網干線・山陽姫路方を望む。
 
 

 

2枚とも2番線(南側)より本線・西代方、網干線・終端方を望む。右から南口、1番線~3番線、現・北口の順です。
1番線および3番線の山陽姫路方の端(手前側)は1996年~1997年にかけて延伸され、6両対応になりました。それまで6両編成の列車はドアカットをしていたはずです。
ホームが延伸される前、この場所(かつての山陽姫路方ホーム端)には構内踏切があり、右側の現・南改札口と繋がっていました。構内踏切の痕跡はほぼ残っていません。
構内踏切は廃止され、現在は跨線橋に取って代わられました。
また、2番線は横に1番線と3番線のホームがある場所に分岐器が設置されていますが、これはかつてホーム有効長が短かった名残と言えます。
 
 

 

上写真は2番線(南側)より、下写真は東口跡より、いずれも本線・西代方、網干線・終端方を望む。
上写真中央手前には網干線2番線の車止めが写っています。
ホーム端の両ホームを結ぶ通路沿いには東口(右)と「山陽そば(左)」がありましたが、「山陽そば」はコロナ禍の影響もあったのか、2021年10月に閉店しました。
私は2019年に「山陽そば」で、天ぷら、油揚げ、卵、肉が入ったうどんと、おにぎりがセットになって570円の「飾磨スペシャル」を食べましたw
 
本線西代方はこの先、すぐに野田川を渡り、右へカーブしながら田園が残る住宅地の中を東南東へ走ります。やがて前方に山が近付いてくると築堤へ上がり、市川を渡って妻鹿駅(めがえき)へと至ります。
 
 

 

上写真は2番線(南側)より、下写真は1番線より、いずれも本線・山陽姫路方、網干線・山陽姫路方を望む。
網干線はワンマン運転を実施しているため、左側には安全確認用のミラーがあります。
また、2番線はすぐ先で二手に分かれており、左が網干線(上下線)および本線山陽姫路方面・飾磨車庫への線路、右が本線山陽姫路方面および飾磨車庫からの線路です。したがって、網干線列車は左側へ分岐する線路を使用して飾磨駅に出入りします。
この先、本線は右へカーブし、網干線は直進します。
 
本線は右へカーブして網干線と分かれ、飾磨車庫の出入庫線が左へ分岐すると進路を北北東に変えます。その後は住宅街の中を一直線に走り、亀山駅へと至ります。
 
一方、網干線はこの先、本線と分かれると右手に飾磨車庫を見ながら築堤に上がり、国鉄飾磨港線跡をオーバークロスします。その後も築堤高架のまま西北西へ走ると船場川を渡り、今度は高架橋になって、左へカーブしながら田園が混在した住宅地の中を西へ走ります。しばらく走ると今度は左へカーブして進路を西南西に変え、網干線唯一の完全高架駅である西飾磨駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が飾磨駅で駅の外に出たのは2010年2回、2019年1回、2022年1回の計3度です。2010年の2回は国鉄播但線(飾磨港線)の廃線跡を探訪するため、そして2019年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。また、2022年は北口開設後に訪問しました。本線と網干線の分岐駅で、真ん中にある網干線ホームは神戸方が行き止まりになっていて、ホームはコの字型です。改札口は南側にしかありませんでしたが、2022年には北口が完成し、利便性が向上しました。駅前は南に向かって旧・飾磨市の中心市街地が広がっていて、北側には比較的整然とした住宅地が広がっています。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で姫路駅まで行き、隣接する山陽姫路駅から山陽電鉄本線の電車(種別不問)に乗車して当駅下車です(先発列車が飾磨駅に先着)。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速に乗り姫路駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。あるいは阪神の大阪梅田駅から直通特急・山陽姫路行きに乗車して当駅下車です。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、意外にも駅の近くにコンビニが全くなく、駅前に飲食店が点在しているものの気軽に入れる店舗はありません。最寄りのコンビニは約400m北の「セブン-イレブン」になります。また、飲食店は約800m南西の「イオンモール姫路リバーシティー」内にチェーン店を含めて多数あります。「山陽そば」もなくなりましたし、事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、山陽電鉄本線および網干線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は飾磨駅も観察し、駅の外にも出てみて下さい!
 
(参考:山陽電気鉄道のHP、ツイッター「@SEI_YASUMA」、Google地図、Wikipedia)